《それと》の敬語
「それと」の敬語表現
「それと」は敬語の種類である丁寧語・尊敬語・謙譲語のどれにもあてはまりません。そのため、「または」などの丁寧な言葉を代用することが望ましいです。「それと」は口語です。口語とは話し言葉のことで、文章を書く時などに用いるにはふさわしくない表現であると言えるでしょう。また、口語であるからといって、上司など目上の人と話す時に「それと」を使うこともやめたほうがよいでしょう。「それと」は敬語にあてはまらないため、くだけた印象になってしまいます。話し言葉、書き言葉のどちらにも使用することのできる「または」を使うことが無難であると言えるでしょう。「それと」の敬語の最上級の表現
「それと」の敬語の最上級の表現は、「また」や「加えて」だと考えられます。このような表現を使うことで、相手には少し固く、丁寧な印象をあたえることができるでしょう。「それと」は接続詞の役割を果たしています。「また」や「加えて」は、同じ意味の接続詞でありながら、相手に対して丁寧な印象をあたえることができます。「それと」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
・来週金曜日の会議についてのリマインドです。また、会議資料については添付ファイルをご確認ください。・履歴書を持参、または郵送してください。
・また、近頃は暑くなってきましたから、くれぐれもご自愛下さい。
・新商品が発売され、新しいシステムが導入されました。加えて、エリア内の店舗で同様のミスが多発しているため、注意してください。
・佐藤さんには京都を案内してもらいました。またお土産までいただきました。
・今年の新商品の売り上げがよいのは、社員の皆さまが割引を効果的に活用しているからです。また、SNSを使った積極的な宣伝も影響しているようです。さらに、人気アイドルをCMに起用していることも一因であると考えられます。加えて、ライバル店舗のブランドイメージが下がっていることも影響しています。
・彼女は聡明なだけでなく、また美貌も持ち合わせている。
・今日はとても忙しいです。重要な会議もありますし、加えて出張に向けての準備をしなければなりません。
「それと」を上司に伝える際の敬語表現
「それと」はくだけた表現のため、上司に対して使うのは避けた方が良いでしょう。「また」や「加えて」、「さらに」といった丁寧な表現を使うことを心がけましょう。しかし、使う際には話し言葉と書き言葉の違いに注意が必要です。例えば、話し言葉で「加えて」や「さらに」を使う人はあまりいませんよね。話すときには「また」を使うのが自然です。反対に、メールや手紙など書き言葉で用いる時には「加えて」や「さらに」を使うと、相手に丁寧な印象を与えることができるでしょう。「また」は話し言葉でも書き言葉でも使える万能な接続詞のため、迷った時には「また」を使うようにすると、不自然な表現を避けることができます。「それと」の敬語での誤用表現・注意事項
もともと「それと」には、「相手から近いものに、他の物・場所を付け加える時に使う場合」と、「物事をあとから付け加える際に使う場合」の2通りがあります。文中における「また」「加えて」は「物事を後から付け加える際に使う場合」に使われるため、意味を勘違いしないように、文脈から意味を読み取りましょう。そして、何かを複数回にわたって列挙したい場合、何度も同じ言葉を使うのはやめた方がよいでしょう。「また」には他にも、「さらに」という類語があります。「また」「さらに」「加えて」の3つの表現を使い分け、同じ言葉が文章中に重複しないようにすると印象がよくなります。その際、使う順番としては「また」、「さらに」、「加えて」の順番になります。3つの言葉の区別を見ていきましょう。「また」は、関連する文章を繋げる役割を持ちます。「さらに」は、関連する文章を専門的に説明する役割を持ち、「また」を連続で使うのを防止することができます。そして、「加えて」は、追加情報を付け加える役割を持ちます。
しかし、接続詞である「また」「さらに」「加えて」を多用することは、文章のリズムが悪くなる原因の1つでもあります。接続詞に気を取られるあまり、読みにくい文章になってしまうこともあります。時には接続詞を適度に取り除き、すっきりした文章を心がけることも必要となってきます。接続詞に気を配ることによって、綺麗にまとまった文章が書けるようになります。
「それと」の敬語での言い換え表現
「それと」の敬語である「また」「さらに」「加えて」の言いかえ表現として、「その上」を使うとよいでしょう。その上は、「また」などと同様に何かを付け加える際に使用しますが、特に特別なことを付け加える際に使われます。いい意味でも、悪い意味でも、少しインパクトのある内容が付け加えられるというイメージを持つとよいでしょう。例えば「道を間違えた。その上雨が降って来たが、傘を持っていなかった。」など、新たな情報や意外性のあることに付け加えることが多いです。「その上」を使う場合には、「その上」の後ろにくる事柄に重きを置いたり、強調される場合が多いです。- 《それと》の敬語のページへのリンク