《する》の敬語
「する」の敬語表現
「する」の敬語表現の内、丁寧語にあたるのは「します」です。「します」は動詞「する」を連用形「し」という形にし、丁寧な気持ちを表す助動詞「ます」を付けた表現になります。一方、「する」の尊敬語にあたるのは「される」です。「される」は動詞「する」を未然形「さ」にし、尊敬の意味を含む「れる」という助動詞を付けた表現になります。実際に使う際は助動詞「れる」を連用形「れ」にし、丁寧の助動詞「ます」を付けて「されます」という形にする場合が多いです。また、「する」を謙譲語にしたい場合は、「いたす」という形にしましょう。この場合も実際に使う際は「いたす」を連用形「いたし」にし、丁寧の助動詞「ます」を付けて「いたします」と表現します。他にも「する」の謙譲語には「させていただく」があります。「させていただく」は、相手の許可が必要な場合に使う謙譲語です。動詞「する」を未然形「さ」にし、相手の許しを得るという意味を含む助動詞「せる」を連用形「せ」にして付けています。そこに接続詞「て」を付け、さらに他者からの恩恵を受けるという意味を含む助動詞「いただく」を付けた形が「させていただく」になります。この場合も丁寧の助動詞「ます」を付けて、「させていただきます」という形にして使うことが多いです。
「する」の敬語の最上級の表現
「する」の尊敬語には「なさる」もあり、これは「される」よりも尊敬の意味が強くなる最上級の敬語表現です。実際に使う際は「なさる」を連用形「なさい」の形にし、丁寧の助動詞「ます」を付けて「なさいます」と表現しましょう。「する」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「する」をビジネスメールや手紙で丁寧語を用いて表現した例文には、「13時から会議をします」「取引先には私が連絡します」といったものがあります。このような丁寧語での表現は、同僚や部下などへ宛てたメールや手紙で使います。尊敬語「される」は、例えば「会議の資料の最終チェックは部長がされます」「明日は先輩Aさんがプレゼンをされます」といった形でビジネスメールや手紙で使用可能です。「する」を取引先や顧客など、特に敬意を表す必要がある人へ宛てたメールや手紙などで使いたい場合は、「お大事になさって下さい」といったように「なさる」を使った表現にします。謙譲語「いたす」を使った例文には、「会議の資料は私が配布いたします」「明日連絡いたします」などがあります。また、他者からの許可を得る必要がある行為をメールや手紙で表現したい場合は、謙譲語「させていただく」を使うのが適切です。例えば、「明日の会議にて新商品の案について発表させていただきます」「予定を変更させていただきます」といった使い方があります。メールや手紙の宛て先が取引先などの場合、例えば「次回のミーティングでは御社の会議室を利用させていただきたいのですが、いかがでしょうか」といった使い方をします。
「する」を上司に伝える際の敬語表現
上司に自分が「する」ことを伝える場合、謙譲語「いたす」を使いましょう。例えば「私が確認いたします」「明日ご報告いたします」といった使い方があります。許可が必要な行為の場合は「させていただく」を使い、「休憩させていただきます」「私が訪問させていただきます」といったように表現しましょう。一方上司が「する」ことを表現したい場合は、最上級の尊敬語「なさる」を使う必要があります。例えば「会議には社長も出席なさいますか」という形で使います。「する」の敬語での誤用表現・注意事項
「される」は例えば「会議室は使用されています」というように、「する」の受け身を表す形でも使われる表現です。そのため、「する」の尊敬語として「される」を使うと場合によっては誤解を招くこともあるため注意しましょう。正しく尊敬表現したい時は、「なさる」を使った方が無難です。また、「する」の謙譲語を使う際には二重敬語にならないように注意しなければなりません。例えばよくある間違いが、「拝見させていただきます」といった表現です。「拝見」という言葉はすでに「見る」の謙譲語であるため、「する」の謙譲語「させていただく」を付けると二重敬語となってしまいます。この場合は「拝見します」が正しい謙譲表現です。他にも「いたす」を上司など目上の人の行為に使わないように注意しましょう。例えば、「取引先には部長が連絡いたしますか」と尋ねるのは誤りです。この場合は「取引先には部長が連絡なさいますか」と表現します。
「する」の敬語での言い換え表現
「する」の尊敬語「される」は、「ご~になる」と言い換えられます。例えば「利用される」は「ご利用になる」と言い換え可能です。こちらの表現の方が、受け身の形ではなく尊敬表現だということが分かりやすいでしょう。「部長が説明なさる」といった例文のような「なさる」を使った尊敬表現も、「部長がご説明になる」と言い換えても問題ありません。他にも、謙譲語「いたす」を「言う」の謙譲語「申し上げる」に言い換えできる場合もあります。例えば「感謝いたします」は「感謝申し上げます」と表現できます。「お詫びいたします」も、「お詫び申し上げます」に言い換え可能です。- 《する》の敬語のページへのリンク