ともだち組織
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「20世紀少年の登場人物」の記事における「ともだち組織」の解説
ともだち 〔世界大統領、20世紀少年〕 秘密基地を作った時のケンヂの同級生。本作の敵役の代表格。「信じたいもの」が欲しい人々をあやつり、陰で世界を動かすカリスマ。“よげんの書”と“しんよげんの書”の記述通りに、2000年・2015年の世界滅亡を企てる。組織の勢力を拡大させていくと共に、政治にも本格的に介入する。 2000年の「血の大みそか」にてケンヂ一派の操るロボットから人々を救った英雄として世界中から称賛される。2015年に向けて計画を着々と進めていくが、実行する直前になってヤマネに銃撃され死亡。しかしその後、大衆の前で劇的な演出で生き返った。それと同時にローマ法王を銃弾から守るという自作自演で、活動を再開。 2015年以降、年号を「ともだち暦」に変えて世界大統領となる。ともだち暦3年、万博会場に集まった人々を円盤からウイルスをまき散らして虐殺しようとするが、サダキヨによって阻止される。その直後、小学校の校庭でサダキヨ共々13番の撃墜させた円盤の下敷きとなり致命傷を負う。最期はケンヂの歌を聴きながら死亡した。 その正体はフクベエだったが、実はともだちは後に2人いる事が判明し、彼の死後(生き返りの演出後)からは何者かが“ともだち”に成り代わった。この人物は、ともだち組織がまだ小さいサークル活動だった頃から所属していた人物で、フクベエと頻繁に連絡を取り合っていた。現在は顔をフクベエそっくりに整形しており、声まで同じ(キリコの証言による)。原作最終話でその正体がケンヂの口からカツマタだと判明したが、その素顔と詳細はついに最後まで明かされることはなかった。 実写版では正体はカツマタ(勝俣忠信)のみで、原作で不明だった素顔と詳細が明確に明かされている。同窓会と「血の大みそか」にてフクベエを装いケンヂ達と接触した。また、キリコと交際していた時は池上正人の名を騙っている。パレードでヤマネに射殺された人物は替え玉(替え玉の詳細は不明)であり、彼本人は生存していた。最期は原っぱで倒れたロボットを再び動かそうとしたところ、ケンヂ、オッチョ、ヨシツネの眼前で万丈目に銃撃され、ケンヂに「まだ、終わらないよね?」と言い残し死亡。 フクベエ / 服部(はっとり) 演:佐々木蔵之介、上原陸(幼少) ケンヂの同級生。ともだちの正体でともだち組織の創始者の1人。ともだちとして活動する際は"忍者ハットリくん"のお面を愛用しており、時には仲間達の前ではお面を外す事があるが、その時は顔が影で隠れている。カツマタとは異なり、顔の演出に統一性は無く、状況に応じてお面やマスク、素顔を併用している。サダキヨにとっての初めての友達でヤマネと行動を共にしていた。幼い頃は「フクベエ」と呼ばれていたが、本人はそれを強く毛嫌いしていた。 聡明だが虚栄心が強く、嫉妬深い性格。クラスで人気者であったケンヂを羨望に似た気持ちで憎んでいた。万博に行きクラスの注目を集められると考えていたが、ある事情で万博へ行けなくなったため、夏休み中、家に引きこもり万博旅行を装っていた。かつて万丈目によって番組に超能力少年として取り上げられる予定だったが、イカサマがばれて放送されず、同級生に馬鹿にされいじめられ、それを根に持ち復讐を誓う。 1980年、修行を経て事前に万丈目の経営難を調べ、その上で彼の事務所を訪れ、彼を誘って“ともだち”の活動を開始。 1997年、「ともだちコンサート」にてケンヂと再会。同窓会で再び接触し、仲間を装ってケンヂ一派に合流。「血の大みそか」の際にビルから転落死したと見せかけ、お面をつけて「ともだちの塔」の右腕部分に登り、ロボットに乗り込んでいるケンヂの前で初めて正体を明かした。その後ロボットの爆発に巻きこまれたかのようにも見えたが、生存している。また現場に向かうケンヂ達の姿を写真で撮っており、この写真は後々歴史の教科書にロボットの写真との合成で載せられている。 2015年にヤマネに母校の小学校の理科室に呼び出され訪れる。そこでヤマネとオッチョと共に行動していた漫画家の角田を「絶交」しようとするがヤマネによる銃弾を受け、流血しつつもよろめきながら「もう少しで僕は…」と口にした後、バランスを崩して倒れそのまま息を引きとった。 実写版での名前は「服部 哲也(はっとり てつや)」。映画版では池上正人と親友であり、実は本人は小学校時代に突然亡くなっていたことが最終章で判明した。これがケンヂ達の記憶の中で、フクベエや池上からのいじめが原因で不登校になったカツマタといつしか混同され、亡くなったのはカツマタだということにされていた。カツマタはそれを逆手にとり、フクベエを騙ってケンヂ一派に侵入した。 カツマタ 演:神木隆之介(中学生時代)、黒羽洸成(幼少) ケンヂらとは違うクラスの同級生。もう1人のともだちの正体でともだち組織の創始者の1人。フクベエは“ともだち“になる際にはお面やマスク、素顔を状況に応じて併用していたが、自身はともだちとして活動する際は“ともだち”のシンボルマークのマスクを愛用する。ただし、カツマタ自身とフクベエは仲間達にカツマタの存在を明かさず秘密にし、フクベエが不在の際はフクベエの影武者を担い、フクベエと共にともだち組織の仲間達を騙していた。作中何度も登場してきたサダキヨとは別のお面の少年の正体。 理科の実験が大好きだったが、フナの解剖の前日に死亡し、それ以降理科室に幽霊となって現れヤマネと実験を繰り返していたと噂が立っていた。その為に作中では名前のみの登場が多く、存在感が非常に薄いキャラクターとなってしまっている。しかし、実際には死亡しておらず、後述の事件をきっかけにその噂が広まった。 作中では小学生・中学生時代の彼が登場しているが、常にナショナルキッドのお面を着けているか隠れており、素顔は不明。フクベエと同じ容姿・声を持っているが、キリコやカンナ、殺し屋、13番からは別人である事を看破されている。一方で万丈目はカツマタが「フクベエだったらどうしただろう」と呟いた事でフクベエではない事を知った事から、自力で見破れなかったと思われる。 彼が死んだ事となったのは、ジジババの駄菓子屋で万引きされた景品のウルトラ警備隊のバッヂの犯人にされ、それをフクベエに見られ「罪を犯した者は死刑。お前は死んだ」と言われた事でいじめが広がったため。しかし本当はバッヂを当てており、ババが不在の時に当たりくじとバッヂを交換した所を見ていたケンヂがバッヂを万引きしたことで数が合わなかった。その為にケンヂを恨み続けていたが、中学の時に自殺しようとした際、彼が流した20センチュリー・ボーイを聞いて思いとどまり友人になろうと歩み寄った事もあった。だが、結局は大人になった際にケンヂに復讐する道を選び、フクベエと共にともだち組織を築き、地球で大事件を起こす。フクベエの死後、彼と共に築いたともだち組織を乗っ取るような形で顔をフクベエそっくりに整形してフクベエに成りすまし、正式にともだちに即位する。しかし、その直後に幹部達が不審死したり、フクベエではない事がばれ、ともだち組織を裏切り、逃げ出したりする者が徐々に現れ、ともだち組織は混乱していった。更には地球で大事件を起こした黒幕はケンヂでなく、全て自分である事をテレビで堂々と告白した。後に、小学校の校庭でケンヂと再会し、「お前こそ、悪の大王じゃないか!」と言ってケンヂを糾弾するが、逆に彼の謝罪で全てを「終わり」にされそうになり、憤激して空飛ぶ円盤で人類虐殺を試みるもサダキヨに阻まれ、さらに13番に撃墜された円盤の下敷きになって致命傷を受ける。その後、ケンヂにマスクを脱がされるも最後まで正体を明かすことなく、最期はケンヂにリクエストした曲を聞きながら息を引き取った。 実写版での本名は「勝俣 忠信(かつまた ただのぶ)」。実写版ではカツマタのみが“ともだち”の正体であり、1997年の同窓会と2000年の「血の大みそか」ではフクベエを、キリコの前では池上正人を装っていた。また、実写版最終章では原作にて不明であった彼の小学生・中学生時代の素顔が明らかになっている。自身は万丈目に殺害されるも、ケンヂの回想によってその存在が改めて浮き彫りになり、さらに中学校時代の屋上では、ヴーチャルアトラクションでその時代に来たケンヂからの謝罪で背中を押され、中学校時代のケンヂに再び歩み寄っていき本当の「友達」になれたところで物語は幕を閉じる。 万丈目 胤舟(まんじょうめ いんしゅう) 演:石橋蓮司 本名は万丈目 淳一朗。“ともだち”の側近であり、ともだち組織の幹部でNO.2。友民党党首。前髪が禿げたオールバックの髪型が特徴。 元は手品グッズやNASA関連グッズと称したレトルト食品などを売り歩いていた露天商で、“しんよげんの書”の「悪魔のセールスマン」のモデルとなる。その後は興行師「チャック万丈目」としてローラーゲームなどの団体を設立したりプロダクションの経営をしていたが、政治家としての表向きの経歴はハーバード大学卒の経営コンサルタントと偽っていた。フクベエとは1972年にテレビ番組で超能力少年として取り上げようとしてからの付き合い。1980年、プロダクション経営が難航していた折に、フクベエからの誘いがきっかけで“ともだち”の組織を作り上げる。ところが、フクベエがヤマネに殺害された際は、その事に強いショックを受け、フクベエの死体の前で泣き崩れてしまう。その際にフクベエがいないと1人では何も出来ず、フクベエに依存していた人物と判明する。 「ともだち暦」の世界で“ともだち”がフクベエではないと気づきオッチョとカンナを唆して暗殺を企むが、高須に裏切られ、「今の“ともだち”はフクベエではない」と説得するも高須からは「(“ともだち”は)誰でもいい」と言われ、ヴァーチャルアトラクションに接続中に暗殺される。しかし、接続中に殺されたため、思念のみがヴァーチャルアトラクションに残り、後にヴァーチャルアトラクションに接続してきたケンヂが自身を殺害しに来たと思いケンヂを殴ったが、ヴァーチャルアトラクションから出られない事を知るとケンヂに助けを求めたが、ケンヂに自身が高須に裏切られ撃ち殺された事を伝えられ再び泣き崩れてしまう。そして、今まで自分は何の為に生きていたのか自覚するようになった。露天商を開いていた若い頃の自分を嫌っており、ヴァーチャルアトラクションで若い頃の自分を見つけた際は問答無用で殴っていた。嫌っていた理由は「あの頃の俺がしっかりしてれば、自分は今のようにならなかった」というあまりにも身勝手な理由だった。最後は人類を救うためのある行動を起こした事で成仏するかのように消滅した。 実写版では最終章にて原作における関東軍総統に代わる形で登場。その後“ともだち”を射殺し英雄となるが直後に“ともだち”が操っていたロボットの下敷きになって死亡した。 サダキヨ / 佐田 清志(さだ きよし) 演:ユースケ・サンタマリア、藤原薫(幼少) 小学5年生の頃の1学期の間だけ、ケンヂと同級生だった。常にナショナルキッドのお面をかぶり、いつも屋上で宇宙人と交信しようとしていたいじめられっ子。フクベエと友達だと思い込んでいたが、実際には一方的な支配関係にあった。 2014年に英語教師となってカンナと響子の通う高校に赴任する。裏の顔はともだち博物館の館長であり、“ともだち”の秘密を知る重要な人物。かつてモンちゃんを殺害した張本人であるが、そのことで「悪者」になってしまったと苦悩し、密かに“ともだち”への反逆を企てる。 後にともだち博物館へ響子を連れて行き、そこで自身の正体を彼女に明かした。その後は元担任がいる老人ホームへ向かったが、そこで高須達に自身の裏切りを知られて“絶交”されそうになるも間一髪で駆けつけたヨシツネとカンナに助けられる。だが脱出を拒み、響子に「モンちゃんメモ」を渡して彼女をヨシツネに託し、自身は老人ホームを正面突破で脱出するも愛車のトヨタ・2000GTに乗ったまま炎上死したと思われた。しかし実際は生き延びており、西暦が終わった後は壁の外で「お面大王」と名乗ってウイルスで親を失った孤児達を保護していた。その後、ケンヂ・マルオ・ケロヨンと合流し“ともだち”を止めようとするが、小学校の校庭にて彼と共に13番の撃墜させた空飛ぶ円盤の下敷きとなり、最後は搬送先の病院でみんなに見守られながら死亡した。 実写版では、ともだち博物館にて響子にすべてを話すも、高須らに“絶交“されそうになる。後から駆け付けたカンナに「君はお母さんを探さなくてはいけない」と「モンちゃんメモ」を託し、殺してしまったモンちゃんへの懺悔の言葉を述べ、博物館に灯油を撒き放火。焼身自殺する。 ヤマネ / 山根(やまね) 演:小日向文世、安彦統賀(幼少) 細菌学者。ワクチンを製造している製薬会社"大福堂製薬株式会社"の会長。小学生時代から、フクベエと友達の仲であった。オッチョとは小学校時代に学級委員を一緒にやった仲でフクベエ、サダキヨと行動することが多かった。一方でカツマタの事は噂とは裏腹に嫌っていたようで、彼の提案した予言を「何もわかってない」と酷評し、またカツマタが将来ヤマネがフクベエを殺害するというお告げを語った際には信じなかった。さらにある騒動により「死んだ」事にされたカツマタをフクベエの横で嘲笑していた。 またウイルスによる世界滅亡計画を考えた張本人であり、それをオッチョに助言する。その後オッチョはこの事をあたかも自分が考えたかのようにケンヂ達に話し、後にこの「世界滅亡計画」はよげんの書に書き込まれた。 2000年、2015年の世界を滅亡させた細菌を開発するも、2003年にキリコと接触し彼女の忠告によって自らの行いに初めて気付き、恐怖を覚えてその後の細菌兵器の研究開発を止めてしまう。さらに研究室を脱走し以後消息を絶っていたが、2015年の元日にかつての母校の理科室でオッチョと対面。彼にキリコと会った時の事を語り続けて理科室に入ってきた“ともだち”であるフクベエと対峙し、「お前の言うことは嘘ばっかりだ!」という台詞とともに銃で殺害する。そして、オッチョと言葉を交えつつ理科室を出るも直後にともだち”の部下に射殺された。彼の“ともだち”殺害は、その後の“ともだち”組織の幹部の相次ぐ死や離反の遠因となり、組織の幹部からは「ユダ」と皮肉られた。 実写版での名前は「山根 昭夫(やまね あきお)」。同窓会にも出席している。原作では、問答無用で“ともだち“を殺害するが、実写版では暗殺については「圧倒的な支持を持つ“ともだち“を止めるには暗殺するしかない」という説明がある。小学校の理科室でオッチョと再会し、協力を求めた後“ともだち“の新宿視察パレードにて原作同様“ともだち“を銃撃、殺害。「これで終わった」と笑みを浮かべるも、その瞬間近くのビルの屋上に潜んでいた13番(田村マサオ)に頭を撃ち抜かれ死亡する。この際、居合わせたオッチョを(意図的では無かったものの)、“ともだち“暗殺の実行犯に仕立て上げてしまった。 13番 / 田村 マサオ(たむら まさお) 演:ARATA(現:井浦新) “ともだち”を狂信的に信仰する男。元お茶の水工科大敷島ゼミの優秀な学生。高校時代はドンキーの教え子だった。ともだち暦にて「白のソナタ」の製造工場でコンチと会話した際高校まで友達が一人も出来ず苦悶していたところ“ともだち”と出会い以来彼を信仰するようになったと語っている。 1997年のある日“ともだち”の発言に従い、とある宗教団体の教祖・ピエール一文字と“絶交”する。その後はともだちの命令で何人も人を殺害した模様で“血の大みそか”以降は、プロの暗殺者となってしまい、囚人番号の「13番」と呼ばれ、海ほたる刑務所への服役を装いつつ暗殺者として活動。 2015年には“ともだち”の葬儀の場でローマ法王の暗殺を実行しようとしたが、蘇った“ともだち”に阻まれ失敗した。 ところが、ともだち暦以降は現在の“ともだち”が以前の“ともだち”と違うことに気付き逃亡。その後ウイルスの蔓延で人々が死に絶えほぼ無人状態と化した北海道の「白のソナタ」の製造工場で3年に渡り潜伏していたところコンチと出会い、コンチを殺害しに来たともだち組織の構成員からコンチをヘリコプターに乗せて助け、彼と共に逃亡した。その後はともだち組織で暗殺者として今まで悪事を実行して来た事に深く反省してケンヂ達の仲間に成り協力する。最終的に空飛ぶ円盤にヘリコプターで特攻をかけ、「宇宙との一体って…こう言う事だろうが!!」と内心で思いながらヘリコプターの爆発に巻き込まれた後にケンヂ達の小学校の校庭に落ちて重傷を負う。その状態でも僅かに息があり、側に落ちていた眼鏡を拾うもすぐに失明し、そのまま死亡した。 ヘリコプターで空飛ぶ円盤に特攻した際に墜落した空飛ぶ円盤の真下にはもう1人のともだちの正体のカツマタとサダキヨがおり、元々ヘリコプターで空飛ぶ円盤に特攻したのは、ともだちを殺害する事とともだちの野望を阻止する為だったが、サダキヨを巻き込んでしまった。 高須 光代(たかす みつよ) 演:小池栄子 “ともだちランド”のドリームナビゲーター。万丈目の愛人。“ともだち”に疑問をもつ者たちの洗脳を行う。ドリームナビゲーターになる以前は小学校教師をしていた。感情を表に出すことは殆どないが、生き返った“ともだち”が人類滅亡を決行する際には、汗を流し“ともだち”への恐怖に震撼していた。万丈目の殺害後、駆けつけたオッチョやユキジに射殺されそうになるが、直前に弾を抜いていたため難を逃れる。 また体を鍛えており、医師から「完璧な体」と絶賛される。武道の心得もあり、柔道師範であるユキジの搦め手を抜け出し、牽制出来る事から、少なくともユキジと同等かそれ以上の使い手とみられる。“ともだち”の高位幹部にもかかわらず、「絶交」や「ともだちランド」で洗脳の不完全な者の探索を直接指揮していた。反旗を翻した万丈目を射殺し、友民党の幹事長に収まり親友隊の指揮権も得る。“ともだち”の精子を体外受精し、自らが聖母として“ともだち”の子を産もうとする計画を立てていた。後にユキジと対峙し、巣鴨医療刑務所に収監される。その後、面会に来たユキジに「ここから出して」と懇願するも、聞き入れられなかった。 敷島教授(しきしま) 演:北村総一郎 お茶の水工科大学教授でロボット工学の権威。 娘を人質に取られた事で巨大ロボットを開発するなど“ともだち”一味に強制的に加担させられる。娘が最早取り戻せない事を悟ったのか、血の大みそかの後に離反。その罪の重さ、また無様な「ロボットとも呼べないようなもの」を作ってしまった科学者としての失望感から、密かに新たなロボットの図面を書きつつも修理工を営んでいた。後にヤン坊・マー坊の提案で再び巨大ロボットを開発し、ケンヂたちに協力するが、リモコンを奪った“ともだち”によって動き出したロボットによって倒れた鉄骨の下敷きとなって死亡した。 敷島教授の娘 / レナ(源氏名、キャスト表記は「敷島ミカ」) 演:片瀬那奈 敷島教授に対する人質として組織に勧誘されたが、いつの間にか友民党の主要メンバーになる。 ファッションヘルスでヘルス嬢として働いていた。「(後の)関東軍総統」にナンパされたことがきっかけで入信したが、2015年には公的な場でも皮肉を言い合う仲になっていた。「(後の)関東軍総統」に導かれて入信したが、メンバーの中で最後まで“ともだち”を信仰していた。“ともだち”や敷島教授が死亡した後も巨大ロボをリモコン操縦し、「しんよげんの書」の最後のページ通り世界を滅亡させようとするが高須に教えられ駆けつけたユキジに阻まれ、ナイフで抵抗するも自殺を図るがユキジに止められる。それでも、“ともだち”への信仰や人類滅亡を最後まで叫び続けていた。 原作では「レナ」を名乗り風俗店で働いていたが本名かどうかは不明。実写版では名前が「敷島 ミカ(しきしま ミカ)」と設定されているが、風俗雑誌には源氏名の「レナ」と書かれている。 実写版では、2016年に他の閣僚らとともに粛清されたことが教授の話から明らかになる。 関東軍総統(殺し屋) 敷島教授の娘の元彼氏で、自称「最悪」の人物。本名は不明。茶髪の真ん中分けの髪型をした美男子。 大学2年の時に入信し、その後キリコの恋人である諸星を駅のホームから突き落として殺害した。以前より悪人に憧れていたようで、1989年には万引き、放火を行っていた。 キリコの恋人を殺害した時期、“ともだち”に攻略のためのナンパマニュアルを贈呈している。2000年には“ともだち”と会わせるよう懇願するキリコに“血の大みそか”の存在を明かしている。ともだち暦では関東軍総統に昇進し、髪型も真ん中分けからポニーテールにし(彼曰く以前のように髪を下ろしたいが、あの人〈万丈目〉と被るため)、上半身裸になっていた。関東軍の基地でケンヂと対峙するも、実はキリコの元恋人を直接殺した事をずっと背負い込んでいる事をケンヂに看破されて錯乱し、拳銃で自殺しようとするがケンヂに止められる。ケンヂから「名を名乗れ」と何度も言われたが、最後まで本名を明かす事はなかった。 回想でともだち組織がまだ小さいサークル活動だった頃の過去にともだちのシンボルマークのマスクを被った“ともだち”のカツマタからキリコの恋人の諸星を「絶交」するよう命じられた際、彼に「あなたはこの間(以前会った時)の人と同じ人?」と意味深な発言をしており、この時点で“ともだち”がフクベエ以外にもう1人いるという事実の他、彼もその事に薄々と気付いていた様子が明らかになっていたが、深く追及しようとはしなかった。なお、映画での関東軍総統の役目は万丈目が担っていたため彼は登場しない。 三ツ木 康隆(みつぎ やすたか) ユキジの税関職員時代の上司。国際伝染病救済基金の名誉会長。元厚生労働大臣。 税関職員の立場を利用して“血の大みそか”前に成田空港を経由して細菌兵器を日本へ流した張本人である。 “ともだち”亡き後、初孫の誕生をきっかけに考えを変え平和路線を推し進めようとしたが、その矢先に落下したトレーラーの下敷きになり死亡。彼の死後、家族は行方不明となり、彼の死を切っ掛けに“ともだち”の関係者が次々に不審な事故死を遂げる事となる。なお彼が孫が産まれたという報告を電話で受けたことが、マルオの自爆テロを思いとどまらせる原因になった。 ヤマさん / 山崎(やまざき) 演:光石研 かつては蝶野将平の祖父である伝説の刑事“チョーさん”の同僚だったが、“ともだち”の謎に近付きすぎたチョーさんを「絶交」と称して細菌兵器で殺害した。2014年には、ノンキャリアからの初の警察庁長官となっていた。優秀な警察官であったチョーさんに対して羨望と激しい嫉妬の念を抱いており、自らの能力の限界を嘆いていたところ、“ともだち”からの救いの一言がきっかけで以後信奉者となる。 蝶野を絶交しようとしたこともあるが、ともだち暦以降は蝶野を殺さず国境送りにするにとどまっている。ともだち暦3年の混乱時に親友隊に粛清されかけたところを蝶野にチョーさんの殺害容疑で逮捕・保護される。その頃には自身が今までともだちと共に悪事を実行して来た事に深く反省して改心していたが、祖父(チョーさん)の殺害に憤る蝶野を前にそれまでの自分を自嘲したりもしていた。取調べにて蝶野にチョーさんから受け取った“ともだち”に関するチョーさんの捜査記録の手帳の存在を明かした。実はチョーさん殺害後にその手帳を見て、ともだちがフクベエの他にもう1人いる事を知ったが、自身がともだちに騙されている事を信じたくなかった事からそこから先の頁を読むのが怖くなり、ある場所にその手帳を隠した事も蝶野に話した。 ホクロの警官 演:佐藤二朗 山崎の部下であり、警官を装って要人の暗殺を行っている暗殺者。ホクロの巡査とも呼ばれている。名の通り顔にホクロがある。ショットガンを武器とする。 “ともだち”が立てていた計画を知ってしまったブリトニーを射殺し、蝶野も殺そうとするが、カンナに阻止され、殴られるも隙を見て逃走。その後教会でカンナを狙うもオッチョに阻まれるが、予言書通りに動いた13番(田村マサオ)に銃撃され、「ともだちばんざい」と言残し死亡。死後ショットガンはオッチョに奪われ13番との対峙に使用された。 春川 / チョージャ カンナたちの高校の校長。どんな生徒でも見捨てない主義。だが実はドリームナビゲーターと繋がっており、高須にサダキヨの元に小泉がいることを知らせている。 またカンナに、カンナがともだちの娘であることを話してしまい、カンナの力により車が壊れ事故を起こしてしまう。 麻薬工場の工場長 カンナを誘拐しようとして失敗、直後にケンヂのコンビニに放火した実行犯。その後、タイの麻薬工場の工場長にまで出世したが、カンナの誘拐失敗の責任を親友に擦り付け殺してしまった事に自責の念を抱き脱走する。その後は廃寺で麻薬に溺れていたが、オッチョと出会い前向きに進んでいく事を決意する。後に麻薬工場の放火の際に、仲間を助けると言って炎の中に入り死亡した。
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