たいがい‐じゅせい〔タイグワイ‐〕【体外受精】
体外受精(たいがいじゅせい)
まず、手術などで女性の体から排卵直前の卵子を取り出す。この卵子を試験管などの培養基に移し、男性の体から取り出した精子を注入してそこで受精させる。そして、受精卵を膣から入れて子宮に着床させる。10日間程度で妊娠反応が出たら、移植の成功である。これが、一般的な体外受精の方法である。女性の卵管閉塞による不妊症に有効だとされている。
精子の数が少ない、または動きが悪いなどの理由で受精がうまくいかない場合には、顕微鏡で卵子と精子をそれぞれ一つずつ操作して受精させる顕微受精が行われる。
これらの不妊治療は、日本産科婦人科学会が定めた指針により、学会へ登録された実施機関で行うこと、原則として夫婦間で行うことなどの条件が満たされている場合に限り認められている。
体外受精は、1977年イギリスで初めて行われた。日本では、1983年に初の体外受精が成功した。それ以来、体外受精により誕生した子どもの数は、すでに4万7000人を超えている。
体外受精に似た不妊治療法には人工授精がある。人工授精は、卵子を取り出すことなく精子をそのまま子宮へ注入する。男性の精子過少症や勃起障害(ED)による不妊症に有効な治療法である。多くの場合、人工授精でも妊娠しないときに体外受精が行われるようである。
遺伝子技術が進む中で、どの程度まで体外受精を認めるのかという観点から、倫理的な問題も議論されている。
(2000.05.15更新)
体外受精
もともと体内で行われる受精を、試験管の中で行うのが、体外受精。オスの精子とメスの卵子を取り出し、試験管の中で受精させようとするものです。 1959年に兎の例で始めて成功して以来、牛や豚などの動物のほか、人間の例も報告されるなど、広く利用されるようになりました。 ちなみに、日本は牛の体外受精技術では、世界でもトップクラスです。 卵子と精子は、取り出されると体内と同じ状態の液の中に入れられます。そこで、受精が可能な状態になるまで成熟するのを待ちます。 卵子の場合では、24時間前後といわれています。その後、両方を一緒にして受精させるという方法が取られているのです。 また、冷凍して保存しておくということも行われ ています。 体外受精が広く利用される理由の一つには、経済的なものがあります。 牛の場合、排卵は21日に1個。しかし、体内に卵子は10数個あります。それを一度に取り出すことで効率的に受精させることができるというわけです。 |
<ミルククラブ情報誌'97 SPRING vol.24より> |
体外受精
体外受精
体外受精
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/30 17:56 UTC 版)
ヒトの生殖医療における体外受精(たいがいじゅせい、英: in vitro fertilization, IVF)は、不妊治療の一つで、通常は体内で行われる受精を体の外で行う方法。体外受精と顕微授精の総称を生殖補助医療技術(Assisted Reproductive Technology=ART)と呼ぶ。
- ^ 体外受精 国立国際医療研究センター病院(2021年9月19日閲覧)
- ^ “ARTデータブック2012年” (PDF). JSOG (2012年). 2015年12月22日閲覧。
- ^ “ARTデータブック”. JSOG. 2015年12月22日閲覧。
- ^ “不妊原因「卵子の老化」が約半数”. NHK NEWS WEB (2012年6月23日). 2012年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年6月23日閲覧。
- ^ Wade, Nicholas (2010年10月4日). “Pioneer of in Vitro Fertilization Wins Nobel Prize”. New York Times 2015年12月15日閲覧。
- ^ “ノーベル医学生理学賞にロバート・エドワーズ英ケンブリッジ大名誉教授”. 九州医事新報 (株式会社九州医事新報社). (2010年10月) 2015年12月15日閲覧。
- ^ 「体外受精40年 世界初のルイーズさん/私は普通の子と同じ」解説記事「日本でも48万人 親子関係など新たな課題も」『読売新聞』朝刊2018年5月22日(解説スペシャル)
- ^ a b “生殖補助医療における多胎妊娠防止に関する見解”. 日本産科婦人科学会 (2008年4月12日). 2015年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月15日閲覧。
- ^ CG156: Fertility problems: assessment and treatment (Report). 英国国立医療技術評価機構. February 2013.
- ^ “RIP IVF? NHS cuts to fertility treatment 'will deny thousands parenthood'”. Independent. (2015年11月2日) 2015年11月2日閲覧。
- ^ “IVF costs to NHS 'must be capped', says fertility expert”. BBC News. (2015年10月29日) 2015年10月30日閲覧。
体外受精
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/11 06:20 UTC 版)
「マレク・イェドラシェウスキー」の記事における「体外受精」の解説
ポーランド政府が体外受精への助成を開始したとき、体外受精はすべての人々の尊厳に対する攻撃であり、不妊症のカップルは創造の力を超えるものではなく養子縁組に訴えるべきだと主張した。
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