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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

たんじょう ―じやう 0 【誕生】

(名)スル

(1)人が生まれること。出生
「―日」「男児が―した」
(2)生後一年たって初め迎え誕生日
(3)新しくできること。
新横綱が―する」



物語要素事典

物語要素事典物語要素事典

誕生

★1.植物から生まれる。

『瓜姫物語御伽草子)  子のない翁媼が、畑で美しい瓜を一つ取り、「これを我らの子としよう」と戯れて、塗桶に入れて置く。その後翁媼は、ともに子を授かる夢を見て、塗桶を取り出して見ると、瓜は美し姫君になっていた。

親指姫アンデルセン)  子を望む女が、魔法使いからもらった大麦の粒一つを鉢に植える。チューリップのような花が生え出、めしべの上に親指ほどの女の子が見出された。

ジャータカ380  一つだけ大きくふくらんだ蓮を、苦行者が気がかりに思い、池に入って蓮の花を押し開き少女を見つける。苦行者は少女に「気がかり」という名前をつけ、育てる→〔名前〕3c

竹取物語  竹取の翁は野山に入って竹を取り、さまざまなことに使った。ある時、根もとの光る竹が一筋あったので、近寄って見ると、筒の中が光り、三寸ほどの女児がいた〔*『竹取物語』では、「竹を切った」と明記されているわけではない神道集巻8−47「冨士浅間大菩薩の事」では、管竹の翁・加竹の嫗の家の後庭竹林から、五〜六歳の幼女現れた、とする。海道記では、鶯の卵から生まれる〕。

*竹の中から誕生する→〔川〕2の『後漢書列伝76西南夷伝」。

ハイヌウェレの神話  アメタが夢告に従って、拾った椰子の実を土に埋めると、数日で木となり花が咲く。アメタは花から酒を造ろうとするが、指に怪我をして血が花に滴る。血と花の汁が混じり合ったところから人間の形ができはじめ、九日後には五体完全な少女になる(インドネシア・ウェマーレ族の神話)。

変身物語オヴィディウス)巻10  父親キニュラスと交わり身ごもったミュラは、曠野を九ヵ月間さすらった後、神に祈って没薬の木に姿を変える。やがてその木に割れ目が生じ、中からアドニス生まれ出る〔*ギリシア神話アポロドロス)第3巻第14章では、娘の名はスミュルナ、父の名はテイアース。スミュルナが没薬の木に姿を変えてから十ヵ月後に、アドニスが誕生したと記す〕。

ペンタメローネ(バジーレ)第5日第9話  王子老婆からもらったシトロンを切ると、そこから美し乙女生まれ出、王子はこの乙女結婚する。

呂氏春秋14孝行覧・本味」  妊娠中の女が、水没する村を脱出した後に、空桑(うつろのある桑の木か?)と化した。桑を摘む娘が、空桑の中に嬰児が誕生しているのを見つけた。嬰児伊尹と名づけられ、成長後、殷の湯王仕えた。

*桃から誕生する→〔川〕2の『桃太郎』(昔話)。

★2.卵から生まれる。

三国遺事巻1「紀異」第1  河伯の娘柳花は五升ほどの大きな卵を産み、その卵の殻を破って高句麗始祖明王朱蒙は誕生した。また、楊山のふもとに卵があり、白馬が跪いていた。人々が卵を割ると、端正男児が出てきた。これが新羅始祖赫居世である。

*→〔卵〕3に記事

★3.石から生まれる。

淮南子逸文  禹の妻は石に化したが、その石の北側が破れて啓が誕生した。

西遊記百回本第1回  花果山の頂上にある仙石霊気をはらみ、中から孫悟空が誕生した。

★4.頭から生まれる。

ギリシア神話アポロドロス)第1巻第3章  プロメテウスあるいはヘパイストスが、ゼウスの額を斧で撃ち、そこから、女神アテナ武装した姿で生まれ出た。

大唐西域記12「瞿薩旦那国」  瞿薩旦那国の王は、毘沙門天神像の額の上が割れて、そこから誕生した。

★5a.母親の腹や脇を切開する・破るなどして誕生する。

イシスオシリス伝説について』プルタルコス12  父神ゲブ(=クロノス)と母神ヌト(=レイア)との間に、セト(=テュポン)が誕生した。その誕生は異常で、胎内にあった日数長く産道から生まれたのでもなかったセトは、轟音とともに母神ヌト脇腹突き破って、跳び出した。

王書フェルドウスィー第2部第3章「英雄ロスタム」  王女ルーダーベはザールの子を身ごもったが、難産苦しんだ。霊鳥スィーモルグが来て、「ルーダーベを酒で眠らせよ。短剣で彼女の腹を割いて子供取り出せ。生まれたら、傷口縫い合わせて薬を塗れ」とザール教え、無事に男児が誕生した。ルーダーベは「私は楽になりました(ロスタム)」と言ったので、男児は「ロスタム」と名づけられた。

過去現在因果経巻1  摩耶夫人ルンビニ園無憂樹の下に到り、右手をあげて樹の枝を引こうとした時、その右脇を開いて釈迦生まれた〔*今昔物語集巻1−2に類話〕。

シーザーカエサル伝説  ジュリアス・シーザー(=ユリウス・カエサル)は生まれる時、母親腹部を切り開いて取り出された。シーザーローマ初代皇帝アウグストゥスの父で、帝王ともいうべき地位にあったので、以後この方法による出産・誕生を、「帝王切開」と呼ぶようになった。

東海道名所記巻3  臨月の女が親里へ行く途中盗人に殺される。法師が憐れんで女の腹を割き、子を取り出して育てる。子は十五の時に出生事情を知り、母親の敵を討ち出家する〔*→〔白髪〕1の頭白上人伝説に似る〕。

月足らずで母の腹を裂いて誕生する→〔あり得ぬこと〕2の『マクベス』(シェイクスピア)第4〜5幕。

*耳から誕生する→〔耳〕4の『ガルガンチュア物語第一之書(ラブレー)第6章。

★5b.母胎長期間いた後に誕生する。

ヴォルスンガ・サガ2  レリル王の后は、身ごもって六年を経ても子を生み落とすことができず、やむなく切開して子(ヴォルスング)を取り出した。

かるかや説経)「高野の巻」  三国一醜女であるあこう御前が、日輪申し子して産んだ男児(後の空海)は、三十ヵ月胎内にいた後に誕生した。

義経記巻3「熊野別当乱行の事」  弁慶は母の胎内に十八ヵ月いて生まれた〔*橋弁慶御伽草子)は三十ヵ月『じぞり弁慶』『弁慶物語三年ヵ月〕。

封神演義12回  陳塘関総兵李靖夫人殷氏は、妊娠三年ヵ月になっても出産しない。ある夜彼女は、「老道士が霊珠を胎内に入れる」と夢に見て産気づき、肉毬を生み落とす。夫李靖が刀で肉毬を切ると子供飛び出、ナタ(ナタク)と名づけられる→〔成長〕1a。

南総里見八犬伝第6輯巻之3第55回  武蔵国赤塚城千葉介自胤の家老粟飯原あいはら)胤度は、馬加大記によって謀殺された。粟飯原の妾調布(たつくり)は、身ごもって三年を経ても出産せぬまま追放され、相模国足柄郡の犬坂という山里男児(後の犬坂毛野)を産んだ。

*→〔白髪〕1の『酉陽雑俎』巻2−59

★6.同日生まれ二人は、強い運命の絆で結ばれる

イリアス18歌  トロイア英雄ヘクトルと、その友プリュダマス(ポリュダマス)とは同じ夜に誕生し、互いに親し間柄だった。ヘクトル勇将、プリュダマスは知将として、二人は力を合わせアカイア軍と闘った。

日本書紀巻7成務天皇3年正月  成務天皇大臣武内宿禰とは同日に誕生した。そのため天皇は特に武内宿禰寵愛した。

*→〔同日・同月〕1a。

★7.仇敵の子に生まれ変わる

子捨ての話』小泉八雲)  百姓夫婦貧しさゆえ子供育てられず、子供生まれるたびに川に流して、六人の子供を殺す。そのうち暮らし向き良くなったので、七人目に生まれ男児は、捨てずに育てる。夏の月夜、百姓生後ヵ月男児を抱いて庭に出、「いい夜だ」と言う。すると男児百姓を見上げて、「お父っつあんが最後に私を捨てたのも、こんな月夜の晩だったね」。

三国伝記巻7−7「阿闍世王事」  頻婆裟羅王が、召しに応ぜぬ仙人を殺す。仙人はやがて頻婆裟羅王の太子として生まれる。これが阿闍世王である。阿闍世王は父頻婆裟羅王を殺し王位を奪う。

太平記25宮方怨霊六本杉に会する事」  後醍醐側近怨霊たちの天下騒乱企てにより、大塔宮護良親王足利直義内室の腹に男子となって生まれる。ただし、この子は四歳で早世する(巻30将軍兄弟和睦の事」。史実は五歳)。

日本霊異記中−30  女が、行基に命じられて自分の子を淵に捨てると、子は「あと三年苦しめてやりたかったのに」と怒る。これは、前世で女に物を貸したままになっていたのを取り戻すために、彼女の子として生まれてきたのであった。

二人兄弟物語古代エジプト)  妻の裏切りによってバタ命を落とす。彼は、牛や木に変身し、ついには切り倒された木の切り屑となって妻の口中とびこみ、妻は身ごもる。やがて男子バタ化身)が誕生し、成長後、妻の悪行人々に語る→〔魂〕1b

本朝二十不孝井原西鶴)巻3−4「当社案内申す程をかし」  幼い頃から油を飲む奇癖のある子がいた。この子が五歳の着袴祝い席上大勢の人達の前で「私の親は、五年前に油売り商人を切り殺し八十両を奪い取って以来裕福になった」と暴露した。

もう半分落語)  老人居酒屋で、いつも茶碗酒を「もう半分もう半分」と注文して飲む。ある夜、居酒屋夫婦老人の持つ五十入り財布を奪い(→〔身売り〕1)、老人居酒屋を恨んで川に身を投げる翌年居酒屋夫婦老人そっくりの赤ん坊生まれ毎晩行燈の油を茶碗にそそいで、なめる。見咎める居酒屋亭主に、赤ん坊茶碗差し出して、「もう半分」。

*→〔背中〕1aの『夢十夜』(夏目漱石)第3夜。

★8a.鹿から生まれる。

大宮姫の伝説  大宮姫は鹿から生まれた(*鹿が仙人の水を飲んで姫を産んだ、閼伽の水を飲んで姫を産んだ、などの伝えがある)。そのため足先が鹿同様二つ割れていた。姫は都に出て天子様の奥方になったが、鹿の足であることがばれ、故郷へ戻った。「鹿児島」は、もとは、この大宮姫の生まれ土地の名だった。「鹿の子の国」という意味である(鹿児島県揖宿郡開聞町)。

今昔物語集巻5−5  仙人身体を洗った水や小便のあとをなめた鹿が懐妊して、女児を産んだ。女児成人して王妃となり、「鹿母夫人」と呼ばれた。

述異記(任�ム)巻下−275  梁の時代。鹿が女児地面産み落としたのを、ある人が見て、女児拾い育てた。女児非凡性質で、長じて道士となり、「鹿娘(ろくじょう)」と名乗った。鹿娘の死後武帝祭りをするために棺を開くと、異香があり、遺骨はなくなっていた。

*→〔精液〕1の『マハーバーラタ』第3巻「森の巻」。

★8b.山犬から生まれる。

オーメンドナー)  悪魔の子ダミアンは、外交官ロバート夫婦の子として育てられる。ダミアン出産に立ち会った神父が、ロバートに「ダミアン母親山犬だった」と教える。ロバートカメラマンのジェニングスとともにダミアン母親の墓をあばくと、山犬白骨死体があった。

★8c.魚から生まれる。

マハーバーラタ第1巻「序章の巻」  アプサラス水の精)アドリカーは、バラモン呪いで魚にされ、河に落ちたウパリチャラ王の精液を飲んで妊娠する。魚は漁師の網にかかり、岸に打ち上げられると、腹から人間男女赤ん坊が誕生した。男児マツヤ女児サティヤヴァティーと呼ばれた。

★9.火の中で誕生する。

今昔物語集巻1−15  提何長者の妻は男児を身ごもっていたが、六師外道によって毒殺される。彼女を火葬する炎の中から十三歳ほどの童が現れ、自然太子と名づけられる。母無くして生まれたからである。

*→〔火〕3の『古事記』上巻・『日本書紀』巻2。

★10.誕生時の奇瑞

古今著聞集巻6「管絃歌舞」第7  博雅三位生まれた時、天に音楽の声が聞こえた

三宝絵詞下−30  天台大師(=智��)が生まれた時、光が室に満ちた。また、二人の僧が来て「必ず出家すべし」と言い、消え失せた。

★11.誕生を拒否する子供

河童芥川龍之介)4  河童の国では、お産の時、父親母親生殖器に口をつけ、腹の中子供に「お前はこの世界へ生まれて来るかどうか」と問う。子供が「生まれたくない」と答えると、産婆生殖器注射をし、母親の腹はへこむ。

★12.誕生以前子供たち。

青い鳥メーテルリンク)第5幕第10場  チルチルミチル青い鳥を探して旅に出、いろいろな所を巡って、最後に「未来王国」を訪れる。そこには、この世終わりまでに地上に誕生すべき大勢子供たちがいて、生まれ順番を待っている。彼らは発明の才・技術・あるいは病気など、必ず何かを持って生まれることになっていた。

*誕生時に掌に物を握っている・掌に文字がある→〔掌〕1・2

白髪で誕生する→〔白髪〕1。

光とともに誕生する→〔光〕3に記事

土中から誕生する→〔土〕4。



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誕生

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2007/06/23 14:06 UTC 版)

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誕生(たんじょう,birth)とは、生物が生まれること。出生。また、制度組織施設などが新しく作られる、成立することなどにも用いられる。

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