回目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 01:47 UTC 版)
以下は世徳堂本の百回。 第一回 霊根育孕源流出 心性修持大道生 石から生まれた猿が長寿を求め、須菩提祖師から孫悟空の名をもらう。 第二回 悟徹菩提真妙理 断魔帰本合元神 悟空は変身の術や觔斗雲に乗る術を得た。 第三回 四海千山皆拱伏 九幽十類盡除名 悟空は竜王から如意棒をもらった。 第四回 官封弼馬心何足 名注斉天意未寧 悟空は斉天大聖と名乗り、玉帝からも承認された。 第五回 乱蟠桃大聖偸丹 反天宮諸神捉怪 悟空は兜率天に迷いこみ、その金丹をみな食べてしまい、征伐軍が下る。 第六回 観音赴会問原因 小聖施威降大聖 二郎真君が悟空をとらえる。 第七回 八卦炉中逃大聖 五行山下定心猿 釈迦如来が悟空を五行山に閉じこめる。 第八回 我仏造経伝極楽 観音奉旨上長安 釈迦如来は唐の誰かに三蔵(経・律・論)を取りにこさせようと話す。 第九回 袁守誠妙算無私曲 老龍王拙計犯天条 水晶宮の竜王は雨がふる時間を変える罪を犯した。 ※『西遊真詮』などの清刊本ではこの第九回は第十回の中にくりこまれた。 第十回 二将軍宮門鎮鬼 唐太宗地府還魂 唐の太宗は竜王を斬ったのろいで死んだ。 第十一回 還受生唐王遵善果 度孤魂蕭禹正空門 地獄の閻魔帳に20年寿命を足されて太宗は復活。 第十二回 玄奘秉誠建大会 観音顕象化金蝉 天竺から経を取ってくる命令を、玄奘は太宗から受けた。以後玄奘を三蔵と呼ぶ。 第十三回 陥虎穴金星解厄 双叉嶺伯欽留僧 三蔵は虎の精の妖怪に食われそうになったが、太白星老人に助けられる。 第十四回 心猿帰正 六賊無踪 五行山の悟空が三蔵の弟子になる。ただし頭に金環をはめられる。 第十五回 蛇盤山諸神暗祐 鷹愁澗意馬収韁 蛇盤山の谷川の玉龍が三蔵の馬を食った。観音菩薩は玉竜を代わりの馬に変える。 第十六回 観音院僧謀宝貝 黒風山怪竊袈裟 三蔵の袈裟がみごとなので、黒風怪に盗まれた。 第十七回 孫行者大鬧黒風山 観世音收伏熊羆怪 悟空は観音菩薩と協力し、黒風怪から袈裟を取り戻した。 第十八回 観音院唐僧脱難 高老荘行者降魔 烏斯蔵国に来た。高老荘で嫁入り前の娘にとりつく化け物を退治に行く。 第十九回 雲棧洞悟空收八戒 浮屠山玄奘受心経 口と耳がでかい豚の化け物は三蔵の弟子になる。名を猪八戒とした。 第二十回 黄風嶺唐僧有難 半山中八戒争先 悟空と八戒が虎の妖怪と戦ってる間に、三蔵が黄風大王にさらわれた。 第二十一回 護法設荘留大聖 須弥霊吉定風魔 霊吉菩薩に助けてもらい、三蔵を黄風大王から救い出した。貂(てん)の化け物だった。 第二十二回 八戒大戦流沙河 木叉奉法收悟浄 流沙河に八戒と対等に戦う妖怪がいた。名は沙悟浄。彼も三蔵の弟子になった。 第二十三回 三蔵不忘本 四聖試禅心 三人娘をもつ一家の家に泊まり、入り婿を勧められた。これは菩薩の試験だった。 第二十四回 万寿山大仙留故友 五荘観行者竊人参 五荘観で弟子3人は寿命が伸びる人参果を盗み食いする。 第二十五回 鎮元仙趕捉取経僧 孫行者大鬧五荘観 それがばれた。悟空ははらいせに人参果の木を根こそぎ倒した。 第二十六回 孫悟空三島求方 観世音甘泉活樹 観音菩薩の助けで、悟空は倒した人参果の木をよみがえらせた。 第二十七回 屍魔三戯唐三蔵 聖僧恨逐美猴王 死体にとりつく妖精白骨夫人を殺したが、人殺しと誤解されて悟空は破門された。 第二十八回 花果山群妖聚義 黒松林三蔵逢魔 八戒と悟浄が食宿を探す間に、三蔵が黄袍怪にさらわれた。 第二十九回 脱難江流来国土 承恩八戒転山林 黄袍怪の妻が三蔵をなぐさめる。彼女は宝象国の王女で、さらわれたのだった。 第三十回 邪魔侵正法 意馬憶心猿 三蔵が虎に変えられた。三蔵を助けるよう、八戒が悟空に頼みにいく。 第三十一回 猪八戒義激猴王 孫行者智降妖怪 黄袍怪の正体は二十八宿の星官だった。悟空の活躍で天に戻り、三蔵も人に戻った。 第三十二回 平頂山功曹伝信 蓮花洞木母逢災 蓮花洞の金角・銀角に八戒がつかまった。 第三十三回 外道迷真性 元神助本心 悟空は銀角に山の下敷きにされた。土地神が助けた。 第三十四回 魔王巧算困心猿 大聖騰那騙宝貝 金角・銀角は人をすいこむ瓢箪を持つ。悟空も吸い込まれた。 第三十五回 外道施威欺正性 心猿獲宝伏邪魔 悟空は逆に金角・銀角を瓢箪に吸い込んで退治した。二人は太上老君の弟子だった。 第三十六回 心猿正処諸縁伏 劈破旁門見月明 宝林寺に宿を三蔵がたのんだが泊めてくれず、悟空が脅して泊めさせた。 第三十七回 鬼王夜謁唐三蔵 悟空神化引嬰児 鳥鶏国王が三蔵の夢枕に立つ。国が道士にのっとられられたと。 第三十八回 嬰児問母知邪正 金木参玄見仮真 鳥鶏国王の遺体を八戒が井戸から引き出した。 第三十九回 一粒金丹天上得 三年故主世間生 太上老君から還魂丹をもらい、鳥鶏国王を生きかえらせた。 第四十回 嬰児戯化禅心乱 猿馬刀帰木母空 つむじ風に三蔵がさらわれた。 第四十一回 心猿遭火敗 木母被魔擒 相手は牛魔王の子紅孩児。その火に悟空は焼死しかけた。 第四十二回 大聖殷勤拝南海 観音慈善縛紅孩 観音菩薩が紅孩児をとらえ、善財童子とした。 第四十三回 黒河妖孽擒僧去 西洋龍子捉鼉回 黒水河を船で渡ろうとして沈められた。西海竜王のおい摩昴太子の仕業だった。 第四十四回 法身元運逢車力 心正妖邪度脊関 車遅国に来た。道教の道士が国の実権をにぎっていた。 第四十五回 三清観大聖留名 車遅国猴王顕法 車遅国で悟空が雨乞いに成功してみせる。 第四十六回 外道弄強欺正法 心猿聖顕滅諸邪 悟空と道士は首切り術など道術比べをする。道士は虎の精だった。 第四十七回 聖僧夜阻通天水 金木垂慈救小童 車遅国の陳家荘では霊感大王へのいけにえがいる。身代わりを引き受ける。 第四十八回 魔弄寒風飄大雪 僧思拝仏履層氷 霊感大王は通天河を凍らせ、一行を歩いて渡らせ、途中で氷を割ってつかまえる。 第四十九回 三蔵有災沈水宅 観音救難現魚籃 魚藍観音が霊感大王をつかまえてくれた。一行は亀に乗り通天河を渡る。 第五十回 情乱性从因愛欲 神昏心動遇魔頭 楼閣に入ると獨角兕大王につかまった。悟空の如意棒もとられた。 第五十一回 心猿空用千般計 水火無功難煉魔 悟空は火や水で攻めるが、獨角兕大王の武器をすいつける輪(金剛琢)に苦戦。 第五十二回 悟空大鬧金(山兜)洞 如来暗示主人公 太上老君が助け、獨角兕大王は正体をあらわした。老君の乗る牛だった。 第五十三回 禅主呑餐懐鬼孕 黄婆運水解邪胎 三蔵は子母河の水を飲み懐妊。牛魔王の弟が占拠する落胎泉の水を飲んでなおった。 第五十四回 法性西来逢女国 心猿定計脱煙花 西梁女国に来た。その女王が三蔵を婿に迎えようとする。 第五十五回 色邪淫戯唐三蔵 性正修持不壊身 三蔵が女にさらわれた。その正体はさそりの化け物。昴日星官の助けで倒した。 第五十六回 神狂誅草寇 道昧放心猿 追いはぎを悟空が殺した。三蔵はまた悟空を破門する。 第五十七回 真行者落伽山訴苦 仮猴王水簾洞謄文 悟空が三蔵をなぐりたおした。悟浄は南海菩薩に相談。悟空はなんと2人いた。 第五十八回 二心撹乱大乾坤 一体難修真寂滅 如来がにせ悟空の正体を見抜いた。菩薩が仲介し悟空は一行に戻る。 第五十九回 唐三蔵路阻火炎山 孫行者一調芭蕉扇 火焔山の火を消して越えるには芭蕉扇が必要。持ち主は牛魔王の妻羅刹女。 第六十回 牛魔王罷戦赴華筵 孫行者二調芭蕉扇 悟空は牛魔王に化けて羅刹女から芭蕉扇を手に入れた。 第六十一回 猪八戒助力敗魔王 孫行者三調芭蕉扇 牛魔王に芭蕉扇をまたとられた。哪吒太子が助けて扇を再入手し、火を消した。 第六十二回 滌垢洗心惟掃塔 縛魔帰正乃修身 祭賽国に来た。塔にのぼる。何者かがこの国の宝を盗んだという。 第六十三回 二僧蕩怪鬧龍宮 群聖除邪獲宝貝 盗んだのは万聖竜王の婿、九頭虫だった。悟空と八戒で宝を取り返した。 第六十四回 荊棘嶺悟能努力 木仙庵三蔵談詩 三蔵は木仙庵で4人の老人たちと詩を談じた。老人たちは木の精だった。 第六十五回 妖邪仮設小雷音 四衆皆遭大厄難 黄眉大王が小雷音寺でにせ如来に化け、一行をたぶらかす。 第六十六回 諸神遭毒手 弥勒縛妖魔 弥勒菩薩が黄眉大王をつかまえた。 第六十七回 拯救駝羅禅性穩 脱離穢汚道心清 牛馬を食べる妖怪を悟空と八戒で退治。正体はうわばみだった。 第六十八回 朱紫国唐僧論前世 孫行者施為三折肱 朱紫国に来た。国王にもてなされた。悟空は医者のまねをし、国王の病気を診察。 第六十九回 心主夜間修薬物 君王筵上論妖邪 悟空は薬を作り国王の病をなおした。皇后をさらった妖怪がいるという。 第七十回 妖魔宝放煙沙火 悟空計盗紫金鈴 妖怪賽太歳の武器は、火煙砂を巻き起こす鈴。 第七十一回 行者仮名降怪犼 観音現象伏妖王 悟空は鈴を盗んで賽太歳に勝つ。賽太歳は観音菩薩が乗る狼だった。 第七十二回 盤絲洞七情迷本 濯垢泉八戒忘形 三蔵は盤糸洞で7人の美女につかまった。美女たちは蜘蛛の精だった。 第七十三回 情因旧恨生災毒 心主遭魔幸破光 一行は黄花観で毒茶を飲んだが、毘藍婆の薬でなおった。犯人はむかでの精だった。 第七十四回 長庚伝報魔頭狠 行者施為変化能 獅駝山に三蔵をねらう三人の大王がいる。 第七十五回 心猿鑚透陰陽竅 魔王還帰大道真 悟空は三番目の大王の瓶に入れられたが脱出。 第七十六回 心神居舍魔帰性 木母同降怪体真 三人の大王は降参したふりをして三蔵をとらえる。 第七十七回 群魔欺本性 一体拝真如 如来が三人の大王を退治した。青獅子と白象と大鵬だった。 第七十八回 比丘怜子遣陰神 金殿認魔談道徳 比丘国に来た。国王に娘を献じた道士が国丈(国王の岳父)と呼ばれている。 第七十九回 尋洞擒妖逢老寿 当朝正主救嬰児 比丘国の国丈は南極寿星の乗り物の白鹿だった。 第八十回 姹女育陽求配偶 心猿護主識妖邪 美女が縛られていた。悟空は妖怪だと言うが、三蔵は一行に加える。 第八十一回 鎮海寺心猿知怪 黒松林三衆尋師 三蔵がさらわれた。あの女がさらったんだと悟空。 第八十二回 姹女求陽 元神護道 妖怪地湧夫人は三蔵を夫にしようとする。悟空は地湧夫人の腹の中に入る。 第八十三回 心猿識得丹頭 姹女還帰本性 地湧夫人は李天王の娘だった。悟空は李天王にその身をあずけた。 第八十四回 難滅伽持円大覚 法王成正体天然 滅法国に来た。一行は長持の中で寝ていたら盗賊にさらわれた。 第八十五回 心猿妒木母 魔主計呑禅 一行は長持から出て国王と対面。三蔵は今度は南山大王にさらわれた。 第八十六回 木母助威征怪物 金公施法滅妖邪 妖怪たちを眠らせて三蔵を救出。八戒が南山大王を打ち殺した。 第八十七回 鳳仙郡冒天止雨 孫大聖勧善施霖 天竺の辺境に来た。日でりに困っていた。悟空は玉帝の怒りを解いて雨を降らせた。 第八十八回 禅到玉華施法会 心猿木母授門人 玉華州の三王子が一行に武芸を習う。 第八十九回 黄獅精虚設釘鈀宴 金木土計鬧豹頭山 一行の武器が盗まれたが取り返した。犯人は九霊元聖の孫。 第九十回 師獅授受同帰一 盗道纏禅静九霊 九霊元聖は太乙救苦天尊から逃げ出した獅子だった。太乙救苦天尊に返した。 第九十一回 金平府元夜観灯 玄英洞唐僧供状 金平府で仏に化けた妖怪に三蔵がさらわれた。妖怪は犀の精。 第九十二回 三僧大戦青龍山 四星挟捉犀牛怪 四木禽星の助けで3匹の犀の精と戦って殺した。 第九十三回 給孤園問古談因 天竺国朝王遇偶 天竺の都に到着。三蔵は公主(王女)から婿になるよう命じられる。 第九十四回 四僧宴楽御花園 一怪空懐情欲喜 結婚の祝儀。ただし3弟子は都の外に出される。 第九十五回 仮合真形擒玉兎 真陰帰正会霊元 公主は太陰星君に仕える玉兎だった。本物の公主は布金寺に隠れていた。 第九十六回 寇員外喜待高僧 唐長老不貪富貴 一万人の僧をもてなす願をかけた寇員外が、一行をもてなす。 第九十七回 金酬外護遭魔蟄 聖顕幽魂救本原 寇家を盗賊が襲った。一行が盗賊と間違われた。 第九十八回 猿熟馬馴方脱殻 功成行満見真如 凌雲渡を渡り、霊山に登り、釈迦如来と対面。経をもらった。 第九十九回 九九数完魔滅盡 三三行満道帰根 帰りに八大金剛の雲から落ちたのが81難目。一行は通天河の東、陳家荘に泊まる。 第一百回 径回東土 五聖成真 八大金剛の雲で長安に帰った。太宗に面会。5人は天竺の如来の元へ戻り、成仏。 付録 陳光蕋赴任逢災 江流僧復讐報本 『西遊真詮』などの清刊本では、この玄奘の出生物語が第9回とされている。
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「回目」の例文・使い方・用例・文例
- 彼女はさらにもう1回パーティーを開くがそれで今週3回目だ
- 彼女は20回目の誕生日を1週間後にひかえている
- もうすぐ私たちの5回目の結婚記念日です
- 夫は日に2回目薬をさす必要がある
- 彼は世界記録を破ろうと3回目のそして最後の跳躍をした
- なお、四回目の同セミナーの開催を2月に予定しています
- 彼がXを数回目撃した
- 第一回目の交渉
- ジョンのホテルに行くの2回目!
- 来日は何回目ですか。
- 交通事故で膝が重傷だった。2回目の再建手術。
- 私がそこにいくのは3回目でした。
- 私がそこに行くのは2回目でした。
- 私がそこに行ったのは2回目でした。
- 私はハワイに来たのは3回目もしくは4回目です。
- それは私にとって5回目の訪問です。
- あなたは日本に来るのは、何回目ですか。
- 今回は三回目のロサンゼルス訪問でした。
- 彼女から始められた灯籠流しは今年で13回目を向かえます。
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