PENTAX SFシリーズとは? わかりやすく解説

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PENTAX SFシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/17 01:38 UTC 版)

PENTAXの銀塩一眼レフカメラ製品一覧:35mm判 (KマウントAF機種)」の記事における「PENTAX SFシリーズ」の解説

PENTAX SFシリーズとは、旭光学工業初のAFシリーズである。ちなみにその名称は"Super Focus"より由来する旭光学工業ME F1981年11月発売)の後もAF化の開発研究続けていたものの、1984年末にミノルタによって世界初AFシステムカメラである『ミノルタα-7000』が完成すると、一眼レフカメラメーカーすべてがその遅れを挽回する側に回ることとなったのである。これは業界全体揺るがす大きな出来事であったために、後に「αショックと言われるようになった。 その「αショック」による急激なAF化のニーズ応えるべく『PENTAX SFX』は短期間会社総力結集して開発された。初代AF機である『PENTAX ME F』のアピール不足による反省から、今度シリーズまるごとAF化への刷新行い全機種のワインダー内蔵化による巻上げ巻き戻し作業全自動化交換ファインダースクリーン交換式データバック、外部リモートレリーズ新規格化などの対応アクセサリー専用のものへと一新され、また高度に電子化されたAEカメラ操作特化したボディデザイン採用など、新世代カメラであることを全面的にアピールする商品展開を行った。 同じ物では競争ならないといった判断から、付加価値として世界初格納型(リトラクタブルTTLダイレクト測光方式フラッシュボディ内に搭載し先行他社製品との差別化図った。また暗所での合焦性能向上させるため、非球面レンズ使用したAF補助光装置搭載され内蔵TTLフラッシュ利便性の向上が図られた。 AF機構に関しては、従来精度は高いものの実用面問題があった「コントラスト検出方式AFマウントであるKFマウントではなく新たに位相差検出方式AFマウントとして新規開発されKAFマウント実装し、ようやくAF合焦精度速度バランス実用レベル達した。その新機能に対応したSMCペンタックス-Fレンズ群も同時に用意され、その新レンズ群のデザイン機構従来MFレンズ群より一新された。 ボディデザインは、従来シリーズとはがらりと変わって大型化され、電子化されたAEカメラ最適化された筐体デザインとなった主な特徴は、液晶パネルペンタ部移り、各情報視認性の向上が図られたこと。また、内蔵フラッシュ大型コンデンサ搭載位置の関係から、グリップ部が大型化され、ホットシュー軍艦部右肩移ったことなどが挙げられるグリップ感の良さや、使い勝手良かったことなどから、この基本デザイン次のZシリーズにも継承される。 その企業努力甲斐もあってかSFシリーズ成功収め、また世界初ズームレンズ内蔵コンパクトカメラの『ペンタックスズーム70』の成功相まって旭光学工業窮地を救うこととなった国内においてこのSFシリーズは、全モデルにデータバック(クォーツデート機能)のある製品と、ない製品2種類ラインナップされた。 SFX / クォーツデート - 1987年3月発売。『ペンタックスSFX』とは、ミノルタの『α-7000』より遅れること2年満を持して登場したシリーズ第1号機である。地味なスペックではあるがカメラとしての基本押さえており、当時AFカメラを望む多く一般層に受け入れられた。売りであった世界初TTL内蔵フラッシュだけではなく軍艦部液晶表示部を撮影者側に傾斜させたことによる操作性視認性の向上を考慮した筐体デザインなどから、α-7000を相当意識し、それ以上製品作ろうとした開発スタッフ努力垣間見える。またフル・プラスチック外装ながらも、堅牢性高く、まず最初にデザインされたという、グリップ部のホールディング性も良いプロダクトデザイナー工夫うかがえるためか実用的な機種であったが、当時では実用性重視しすぎた感のある奇抜なデザインや、発売時期わずかにキヤノンEOS650』に遅れを取ったことなどから、その販売実績や、実力に対してやや地味な印象持たれているものの、後の多く他社一眼レフカメラ製品内蔵TTLフラッシュ採用されていることから、そのアイデア正しかったといえる。 SF7 / クォーツデート - 1988年9月発売。『ペンタックスSF7』とは、SFシリーズ廉価機として登場した初代機SFXとの差別化のためか、配色表面処理は、同時期に発売されたSFXNに合わせられグレー胴体部が「平面処理」から「梨地処理」に変更されている他、マウント左脇のフォーカスモードセレクターの文字色が赤に変更された。SFXから、マルチプログラム視度調整機能省略されたが、ペンタックス初の多分割測光機能である2分割測光SPD素子)の採用電池ボックス底板開閉フタ式に変更されるなど廉価機といえどもスペック実用面においては従来の上機種であるSFXとも遜色がなく一面では上回る機種であった注目すべき点は、形状スペックにおいてSFX/XNと酷似するが、内部構造大きく異なりパーツの一体成形化、組立工程の簡略化などの各所大幅なコストダウン図られていることである。後のZシリーズ廉価機ベース機になったが、やや大型なのはペンタプリズム(銀蒸着)を採用しているためである。なおこの機種よりフォーカシングスクリーンが、より明るい「アスフェリックマイクロマットスクリーン」が採用される。この機種大きな欠点ネガフィルムを主に使う層を対象考えたためか大幅に露出オーバーとなることだった。露出補正フィルム感度マニュアル設定出来ないためリバーサルフィルム使用時にはDXコード改造するしかなかった。 SFXN / クォーツデート - 1988年11月発売。『ペンタックスSFXN』とは、AF機における激し技術競争の中でわずか2年足らず性能的に古くなってしまったSFX後継機種である。シャッター速度がペンタックス・カメラ初の最高1/4000秒を実現しフラッシュ同調速度は1/125秒にまで引き上げられた。そればかりではなく連射性能の向上や、オートブラケット機能追加、低ミラーショックのためのミラーアップ機構設計見直しなどの大幅な改良グレードアップ図られており、「N」、つまり“New”の名に止めておくには惜し機種であった従来SFXに対して実力的にはワンランク上の実質上の上位機種となったが、外装部品デザイン、と目に見える部分がほとんど同一であるために、これもまた地味な印象機種となってしまった。その酷似するSFXとの外装面での主な違いとして、先行発売されたSF7のカラーリングや「梨地処理」を踏襲しつつ、軍艦部の色がブラックからメタリック・ブラックとなったこと。他にグリップ部の“SFX”のプリントロゴがグリップ部のバッテリー側(外側)から、本体側(内側)に変更された点などが挙げられる

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