ミラー‐アップ
ミラーアップ
一眼レフカメラでは、シャッターを切るとミラーは瞬間的に跳ね上がって、そして元の位置(45度位置)に戻るクィックリターンになっている。このため、ミラー作動にともなう振動が拡大マクロ撮影などではブレを生じることがある。このために、ミラーを上方に固定しておくのがミラーアップである。なお、もともとミラーアップはバックフォーカスの短い広角レンズを一眼レフに装着する場合、レンズ後部がミラーにぶつかってしまうので、ミラーを上げてから装着して撮影した(ファインダーは外付けをしよう)。こういうタイプの広角レンズがレトロフォーカスタイプになってミラーアップは不必要になったが、ミラーブレ防止として復活したわけである。
ミラーアップ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/25 03:43 UTC 版)
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ミラーアップ(Mirror lock-up )とは、一眼レフカメラにおいて、シャッターを切る前に前もってミラー(反射鏡)を上げた状態で止めておく機能である[1]。撮影時のブレを防止することを目的として用いられる[1]。
構造
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一眼レフカメラの断面(一例)
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左から入った光はレンズ(1)を通過する。光は反射鏡(2)により上方へ反射された後、ペンタプリズムまたはペンタミラー(7)を経てファインダー(8)へと至る。
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反射鏡を上げない状態。
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反射鏡を上げた状態。
光はレンズを通過後、撮影素子に当たる。
ミラーアップの必要性


[Fujifilm FinePix S5Pro (Nikon D200ボディ)]
ミラーアップは、ニコンFなど、初期の一眼レフカメラには必須の機能だったが、逆望遠型の広角レンズのラインナップが充実したため、必ずしも必須とは言えなくなった。現在では一部の高級機を中心にミラーアップ機能を装備している。ほとんどの一眼レフカメラはミラーの反射光によってTTL露出計による測光を行っている。また、オートフォーカス式の一眼レフカメラの多くでは、レンズからの像をミラーで反射させてからAFセンサーに導いている。これらのカメラでは、ミラーアップしている間は、それぞれ露出調整機能やオートフォーカス機能が働かない。
次の2つの理由から必要とされる。
広角レンズ
逆望遠型の登場以前、画像が結像する場所は、レンズから焦点距離だけ離れた場所か、それより後ろにあった。すると、広角レンズの場合、レンズの末尾がミラーより後ろに来てしまう。このため、広角レンズ使用時はミラーアップが必要であった。広角レンズのピント合わせは目測で充分だが、ミラーアップするとピント合わせだけでなくフレーミングも不可能となってしまうため、正確なフレーミングが必要な場合は外付けのファインダーを使用する。幸いなことに広角では外付けファインダーでもパララックスの影響は小さい。
カメラのぶれ
天体撮影や顕微鏡撮影などの高倍率での撮影は、わずかな振動でも像のぶれにつながる。そのため、撮影にともなう機械的ショックは可能な限り抑制したい。レリーズボタンの操作によるぶれはレリーズケーブルを使ったリモートレリーズか、セルフタイマーで回避する。シャッターによるショックは避けられないが、たいていのシャッターは高速動作のために軽く作られているのでシャッターのショックは比較的には小さい。
ミラーはシャッター動作の直前にカメラ内部で激しく動作するため、カメラに与えるショックは大きい。ミラーによるこのような揺れは「ミラーショック」と呼ばれている。これを避けるため(構図の確認が必要な場合は構図を確認した後)ミラーによる揺れが生じないように事前にミラーアップしてからシャッターを切る[2]。
出典
- ^ a b “D850|デジチューター - サポート | ニコンイメージング”. www.nikon-image.com. 2024年11月25日閲覧。
- ^ “ミラーアップ(みらああつふ,みらーあっぷ)とは? 意味や使い方”. コトバンク. 2024年11月25日閲覧。
外部リンク
- 一眼レフが抱えるブレ問題、その深刻さが明らかに - Tech-on!(日経エレクトロニクス2009年5月4日号、2011年6月6日閲覧)
- カメラ:手ぶれの実態をレーザーで証明 - WIRED.jp(2011年6月2日配信、2011年6月6日閲覧)
- ミラーアップのページへのリンク