ミラーサイクル
アメリカのラルフ・H ・ミラーが1947年提唱した、高膨張比サイクルを実現する現実的な方式。吸気弁を早閉じ、または遅閉じにして有効圧縮比を膨張比より小さくし、結果として高膨張比サイクルにするもの。この方式は、無過給エンジンでは高出力は得にくいが熱効率が高く、過給機と組み合わせたものでは高出力との両立が可能となる。自動車用エンジンとして公表されたものに、過給エンジンではマツダKJ-ZEM型(V型6気筒2254cc)、無過給エンジンではマツダG6型(直列4気筒2605cc)、トヨタ1NZ-FXE型(直列4気筒1496cc)などがあり、可変バルブタイミング機構によりアイドリングなど低回転時に吸気バルブを遅く閉じることで同様の効果を得るものがある。
参照 アトキンソンサイクル、高膨張比サイクルミラーサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/20 08:34 UTC 版)
ミラーサイクル(英: Miller cycle)とは、容積型内燃機関においてアトキンソンサイクル機構を疑似的に吸気バルブの早閉じ、遅閉じによって実現したサイクルである。また、吸気通路にロータリーバルブを設けて同様の効果を持つものも研究された。
- ^ マツダ・スカイアクティブG、ホンダ・L13B、トヨタ・1NR-FKE/2NR-FKEなど
- 1 ミラーサイクルとは
- 2 ミラーサイクルの概要
- 3 関連項目
ミラーサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 06:33 UTC 版)
「アトキンソンサイクル」の記事における「ミラーサイクル」の解説
詳細は「ミラーサイクル」を参照 実際には圧縮比を14程度まで高めたオットーサイクルに対し、吸気バルブの閉じるタイミングを下死点の前後に一定量ずらすことで実効圧縮比を小さく抑え、当初のものと同等の原理を再現したものがラルフ・ミラーによって考案され、ミラーサイクルとして実用化されている。オットーサイクルとの違いはバルブのカム形状だけであり、従来の部品がほとんどそのまま流用できるのは応用上の大きな利点である。しかしながら同一排気量のオットーサイクルと比べた場合、吸入できる混合気(= 発生熱量)が制限されてしまうため、発生できる出力は低くなってしまう。これを補うため過給機を組み合わせることで機関重量あたりの出力を向上させたものが実用化されている。 熱機関のサイクルとして論じる場合、ミラーサイクルはアトキンソンサイクルの理論を疑似的に再現されたものとして考えることもできるが、内燃機関としての機構を論じる場合は両者は区別しなければならない。ミラーサイクルは、「アトキンソンサイクルのミラー手法」とも言える。 英語圏においては過給機を組み合わせたものだけをミラーサイクルとみなし、自然吸気仕様はアトキンソンサイクルと呼ぶ場合が多い。
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