ディーゼルサイクル
ディーゼル機関では、圧縮行程で空気だけを圧縮し、燃料は高圧空気中に噴射されるので、燃焼形態はオットーサイクルとは異なる。その標準サイクルは一定圧力のもとで燃焼する定圧サイクル、またはディーゼルサイクルと呼ばれ、図の1→2は断熱圧縮、2→3は定圧加熱、3→4は断熱膨張、4→1は定容放熱である。ディーゼルサイクルの熱効率には、圧縮比のほかに締切り比(膨張比)が関係し、締切り比が大きくなると熱効率が低下する。すなわち、圧縮比が同一ならディーゼルサイクルはオットーサイクルより熱効率が低いことになる。しかし、実際の機関では一般に圧縮比の高いディーゼル機関のほうが火花点火式のガソリンエンジンより熱効率が高い。
参照 オットーサイクル、定圧サイクルディーゼルサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/10 06:23 UTC 版)
ディーゼルサイクル(英: Diesel cycle)は、低速の圧縮着火機関(ディーゼルエンジン・焼玉エンジン)の理論サイクル(空気標準サイクル)であり、等圧サイクルとよばれることもある[1][2]。最初の圧縮着火機関を考案し実用化したのは、ドイツのルドルフ・クリスチアン・カール・ディーゼルであり(1893年)、そのサイクルは彼にちなんでディーゼルサイクルとよばれている。なお、実際の中・高速のディーゼルエンジンでは燃料噴射後の着火遅れに伴う予混合燃焼の影響が無視できなくなり、サバテサイクルに近くなる。
- ^ a b 柘植盛男、『機械熱力学』、朝倉書店(1967)
- ^ a b 谷下市松、『工学基礎熱力学』、裳華房(1971)、ISBN 4-7853-6008-9.
- 1 ディーゼルサイクルとは
- 2 ディーゼルサイクルの概要
- 3 サイクル
- 4 熱量、仕事、熱効率
- 5 関連項目
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