2000年以降の動向
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「エレクトロニカ」の記事における「2000年以降の動向」の解説
現在エレクトロニカは大まかに2つの意味に分かれている。広義のエレクトロニカはクラブミュージックなどを含む打ち込みを部分的にでも使った音楽全般であり、狭義には非クラブミュージック、非ダンスミュージックに特化したIDMとその周辺、進化系のみのことを差す。なお広義のエレクトロニカとしての分類は主に海外で使われている。 (狭義の)エレクトロニカがもっとも注目されたのはクリック、グリッチ(英語版)、カットアップといった手法が幅広く広がったときである。特にレーベルのミル・プラトーがClicks & Cutsと題した一連のコンピレーションシリーズでこの手法を集中的に取り上げた2000年前後である。それまではどちらかというとアレック・エンパイアのレーベルというイメージの強かったフォース・インクおよびそのサブレーベルであるミル・プラトーが、実験的なエレクトロニカを多数リリースする場となり、シーンを大いに盛り上げた。ただしクリックおよびグリッチはそれ以前にオヴァルが「発見」した手法である(さらに言うならカットアップもオヴァルが多用している)。この内グリッチを概念化したのはキム・カスコーンである。 一方でエレクトロニカはハードウェアとソフトウェア(1997年に開発されたMax/MSPなど)の両面の発達から、より精緻で複雑化が進んだ。こういったアーティストは前述のクリック系アーティストと密接に連動し、必ずしも明確に分割することは出来ない。この方面のエレクトロニカが注目されたのは、レディオヘッドがエレクトロニクスを大胆に取り入れたアルバムを発表したこと、特にリーダーのトム・ヨークがオウテカに影響をうけていると発言したためである。彼らは複雑なプログラミングやグリッチ、ドローンといった手法を用いる。特にリズム面が複雑化し、ブロークンビートと呼ばれるブレイクビーツを複雑化あるいは打ち込みにより模擬させたリズムであったり、変拍子や拍子という概念を放棄したような曲すらある。 クリック、グリッチ、カットアップといった手法は、いわゆるダンスミュージックとしてのテクノやハウスといった電子音楽にも波及、特にテクノはその後シーン全体がクリックテクノ/ハウス一色に染まった(シュランツはこれに反する流れとする見方もある)。有名DJもクリックハウスを多く廻し、田中フミヤの様にスタイルそのものをクリック主体に変えてしまったDJも多い。
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2000年以降の動向
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「ドラムンベース」の記事における「2000年以降の動向」の解説
2000年以降になるとドラムンベースは新しい動向を見せるようになり、その要因として以下の3つに大別される。 一つ目はドラムンベース・アーティストの国際化。ブラジルからは DJ Marky & XRS が2002年に LK を大ヒットさせ、オーストラリアからは2003年以降 Pendulum が登場。その他にもニュージーランドからは MC Tali や Concord Dawn、オーストリアからは D.Kay、ドイツからはKabuki、オランダからはNoisia、そして日本からは Makoto がイギリスのドラムンベースシーンに台頭している。 二つ目は 「リキッド・ファンク」 と呼ばれるソフトなドラムンベースが新たなジャンルとして確立したこと。これには、2004年に大ブレイクした Artificial Intelligence、ロジスティクス、High Contrastといった新たな才能がリキッド・ファンクのスタイルを得意としていることが大きい。それまでは LTJ Bukem と FabioしかこのスタイルのドラムンベースをDJとして選曲しなかったが、今ではあらゆるDJがかけるようになっている。これを受けて、V Recordings が姉妹レーベルとして Liquid V を、さらにはハードな選曲で知られる DJ Hype が Liq-weed Ganja をリキッド・ファンク専門のレコードレーベルとして立ち上げている。 三つ目は、新しいアーティストによるスタイルの多様化である。Sub Focus、Chase and Status、Baron、Twisted Individualなどの登場により、上記のリキッド・ファンクだけでなく、レゲエ的要素、ラテン系音楽、ジャズのようなベースラインを取り入れたものなどが導入されるようになった。 2007年以降は、もともとのドラムンベースの特徴である重低音ベースラインをより強調した音楽も見られるようになる。きっかけは、一般の家庭用スピーカーでは聞こえないほどの重低音ベースラインを得意とする Artificial Intelligence のブレイク。それ以降、ドラムンベースにおける低音域の下限がさらに下がり、クラブのスピーカーで聞かないと曲の良し悪しを味わえない度合いがさらに強まった。 2008年になるとペンデュラムがドラムンベースとロックの融合を打ち出し注目されている。 2009年、ドラムンベースの進化は遂にダーティ (dirty)、或いは、アシッド (acid) と形容されるものに達している。アシッドの形容詞が示すものは幻覚作用ある音色であるが、ハウスやジャズのアシッドと同様に変調させるものもあれば、より重低音を目指すもの、前述のドリルンベース様であったりするものもある。 2021年2月、ドラムンベースの楽曲の主なテンポである「1分間に174拍」にちなみ、4月17日を「ドラムンベースの日」として公式に承認することをイギリスのデジタル・文化・メディア・スポーツ省に求める署名活動が、ブリストルを拠点とするプロモーター The Blast によって開始された。
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