キャビテーション
【キャビテーション】(きゃびてーしょん)
艦船が高速で航行する際にスクリュープロペラから発生する気泡。
艦船はスクリューの回転によりスクリュー翼面に高圧部と低圧部を作り出す事によって前進することが出来るが、あるときに低圧部の沸点が水温を下回ってしまい、沸騰し、水蒸気が発生してしまう。
これをキャビテーションと呼ぶ。
高速度で、深度が浅い(つまりプロペラ回転が高速で水圧が低い)ほど発生しやすく、10~20kt程度で発生する事が多い。
気泡がスクリューに叩きつけられる事によって推進効率が大きく低下し、スクリューにダメージを与えてしまう。
また、非常に大きな音(キャビテーションノイズ)が発生する。
キャビテーションノイズによって、自艦の位置を敵のソナーに暴露してしまうだけでなく、自らのパッシブソナーにも著しい性能低下をもたらすため、特に潜水艦にとっては致命的である。
たとえカタログスペック上の水中速力が30ktを超えていようとも、隠密行動を旨とする潜水艦にとって、キャビテーションノイズをもたらす速力を出す事は自殺行為である。
キャビテーション
ポンプで液体を吸引するとき、負圧が生じて液体が瞬間的に気化し、吸引するべき液体の流れがとぎれる現象。例えばウオーターポンプでラジエーターから冷却水を吸入するとき、ポンプの入口抵抗が過大になるとサクション負圧が大きくなり発生する。また、船舶のスクリューにより、水をかく際にも回転数が速いと発生することがある。これが発生すると金属部分を侵食することがあるが、これをキャビテーションエロージョン(腐食)という。例えばウオーターポンプのインペラーなどに発生することがある。
キャビテーション cavitation
キャビテーション
キャビテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 16:10 UTC 版)
キャビテーション(英: cavitation)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。空洞現象ともいわれる。この現象は19世紀末に、高速船用のプロペラが、予想された性能を発揮しなかったことから発見された[1]。モンハナシャコが獲物をパンチで攻撃する時にも腕の周りに発生する。
- ^ a b c 加藤洋治 『キャビテーション』(増補版)槇書店、1990年。ISBN 4-8375-0590-2。
- ^ 防衛技術協会 編 『未来兵器の科学 : おもしろサイエンス』日刊工業新聞社〈B&Tブックス〉。ISBN 978-4-526-05883-7。
- ^ 石綿良三; 根本光正 著、日本機械学会 編 『流れのふしぎ : 遊んでわかる流体力学のABC』講談社〈ブルーバックス〉、2004年8月20日。ISBN 978-4-06-257452-5。
- ^ 能見基彦「〔解説〕ポンプキャビテーション現象の基礎知識[第1回]」(PDF)『エバラ時報』第245号、荏原製作所、17-20頁、2014年10月。 オリジナルの2016年12月21日時点におけるアーカイブ 。2016年12月21日閲覧。
- 1 キャビテーションとは
- 2 キャビテーションの概要
- 3 実例
- 4 機器への影響と防止法
キャビテーション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 03:01 UTC 版)
「スクリュープロペラ」の記事における「キャビテーション」の解説
スクリュープロペラの推進力を高めるために回転数を高めたりピッチを強めたりすれば、ブレード面が作る負圧が水圧より大きくなって細かい気泡が生じるキャビテーションという現象が起きて推進効率が悪化するだけでなく、ブレード面が損傷(壊蝕=エロージョン)したり、大きな雑音を生じる。さらに船体に不快な振動を起こし船体強度にも影響するため見過ごすことができない。20世紀末からは、大型船のスクリュープロペラではこういった問題の発生を避けるため、大直径のスクリュープロペラを低回転で使用することで高い効率を得ている。 近年は、意図的にキャビテーションを発生させ利用するスーパーキャビテーションの技術を利用した、スーパーキャビテーション・プロペラといったものもある。
※この「キャビテーション」の解説は、「スクリュープロペラ」の解説の一部です。
「キャビテーション」を含む「スクリュープロペラ」の記事については、「スクリュープロペラ」の概要を参照ください。
キャビテーション
キャビテーションと同じ種類の言葉
キャビテーションに関連する言葉 | キャビテーション キャビテーションエロージョン キャビテーションモデル |
泡に関連する言葉 | キャビテーション フォーム 水の泡 泡粒 藍花 |
- キャビテーションのページへのリンク