キャビテーション
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/02 15:20 UTC 版)
キャビテーション(英: cavitation)は、液体の流れの中で圧力差により短時間に泡の発生と消滅が起きる物理現象である。空洞現象ともいわれる。この現象は19世紀末に、高速船用のプロペラが、予想された性能を発揮しなかったことから発見された[1]。
現象
液体の流れの中で圧力がごく短時間だけ(水では大気圧の1/50程度の)飽和蒸気圧より低くなったとき、液体中に存在する100マイクロメートル以下のごく微小な「気泡核」を核として液体が沸騰したり溶存気体の遊離によって小さな気泡が多数生じる。気泡核がなければ気泡も簡単には発生しない。

圧力が変化すると沸騰などによって生じた気体の体積も変化し泡の大きさが変わる。膨張と収縮を繰り返しながら圧力の上昇に応じてしだいに小さくなってゆく。小さくなる過程で、プロペラのような硬い表面近くの泡は粘性と表面張力も作用して、その表面に張り付きながら泡の遠い側がくぼみ、ジェットの勢いで表面に衝突して泡は分裂する。このジェット流で硬い表面にエロージョン(壊食)が発生する。この過程は次の気泡運動力学のレイリー(Rayleigh)の運動方程式で記述される。
- 混相流
- スーパーキャビテーション
- バブルパルス
- 水撃作用
- モンハナシャコ(獲物をパンチで攻撃する時にも腕の周りに発生する)
- テッポウエビ(鋏を瞬時に打ち合わすときにバブルパルスを伴うキャビテーションを起こし獲物を捕獲する)
外部リンク
「空洞現象」の例文・使い方・用例・文例
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