Y染色体とは? わかりやすく解説

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ワイ‐せんしょくたい【Y染色体】

読み方:わいせんしょくたい

性染色体の一。雌では同型、雄では異型であるときの、雄にだけある性染色体雄性決定精子形成関与する。→X染色体


Y染色体

英訳・(英)同義/類義語:Y chromosome, Y-chromosome

XY型性決定を行う生物で、雄性決定する染色体

Y染色体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/18 02:56 UTC 版)

Y染色体(ワイせんしょくたい、英語: Y chromosome)は、性染色体の一つ。正常な個体ではX染色体と同時に存在し、正常な個体には存在しない性染色体をY染色体という。


  1. ^ Stevens NM (1905). “Studies in spermatogenesis with especial reference to the "accessory chromosome"” (pdf). Carnegie Institution of Washington Publication 36: 1-33. http://www.esp.org/foundations/genetics/classical/holdings/s/nms-05-spermatogenesis-1.pdf. 
  2. ^ Grützner F, Rens W, Tsend-Ayush E, El-Mogharbel N, O'Brien PC, Jones RC, Ferguson-Smith MA, Marshall Graves JA (2004). “In the platypus a meiotic chain of ten sex chromosomes shares genes with the bird Z and mammal X chromosomes”. Nature 432: 913-917. doi:10.1038/nature03021. PMID 15502814. 
  3. ^ 東京農工大学農学部蚕学研究室『性決定』
  4. ^ 小野知夫「高等植物の性決定と分化」(『最近の生物学』第4巻)
  5. ^ a b Vallender EJ, Lahn BT (2006). “Multiple independent origins of sex chromosomes in amniotes”. Proc Natl Acad Sci USA 103: 18031-18032. doi:10.1073/pnas.0608879103. http://www.pnas.org/content/103/48/18031.full 2009年3月30日閲覧。. 
  6. ^ PLoS Biology (2005). “Evolution of Sex Chromosomes: The Case of the White Campion”. PLoS Biol 3: e28. doi:10.1371/journal.pbio.0030028. http://biology.plosjournals.org/perlserv/?request=get-document&doi=10.1371%2Fjournal.pbio.0030028&ct=1 2009年3月30日閲覧。. 
  7. ^ 諸橋憲一郎ほか(2006年)「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』2006年2月号、106ページには「Y染色体はX染色体から進化した」との見出しがあるが不正確である。性染色体としてX染色体のみ持つ生物は、全個体がXX個体またはXO個体となるが、XO型生物からXY型生物が進化したとする報告はない。64-66ページの説明文は常染色体からの性染色体の進化が起こったことを説明する文章となっている。当該106ページの説明も研究者の談話はX染色体からY染色体ができたとは述べておらず、編集者による地の文章で不正確な記述となっている。
  8. ^ (遺伝的)組換え - 遺伝子の組合せが入れ替わること。同じ現象を染色体の間の可視現象として捉えると染色体の乗換え(染色体交差)となる。
  9. ^ Jegalian K, Page DC (1998). “A proposed path by which genes common to mammalian X and Y chromosomes evolve to become X inactivated”. Nature 394: 776-80. PMID 9723615. 
  10. ^ デイヴィッド・ベインブリッジ『X染色体:男と女を決めるもの』83-92ページ。
  11. ^ Matsunaga S (2009). “Junk DNA promotes sex chromosome evolution”. Heredity 102: 525-526. doi:10.1038/hdy.2009.36. PMID 19337304. http://www.nature.com/hdy/journal/v102/n6/full/hdy200936a.html 2009年6月5日閲覧。. 
  12. ^ 黒岩麻里「Y染色体を失った哺乳類,トゲネズミ」『生物の科学 遺伝』2009年1月号
  13. ^ 『X染色体:男と女を決めるもの』80-83ページ。
  14. ^ a b 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、34-35ページ。
  15. ^ a b 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、59ページ。
  16. ^ 八杉竜一ほか編「Yクロマチン」『岩波生物学辞典(第4版)』1516ページ
  17. ^ 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、58-61ページ。
  18. ^ Blaschke RJ, Rappold G (2006). “The pseudoautosomal regions, SHOX and disease”. Curr Opin Genet Dev 16 (3): 233-239. doi:10.1016/j.gde.2006.04.004. PMID 16650979. 
  19. ^ 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、35,58-61ページ。
  20. ^ a b c Sinclair AH, Berta P, Palmer MS, Hawkins JR, Griffiths BL, Smith MJ, Foster JW, Frischauf AM, Lovell-Badge R, Goodfellow PN (1990). “A gene from the human sex-determining region encodes a protein with homology to a conserved DNA-binding motif”. Nature 346: 216-217. doi:10.1038/346240a0. PMID 1695712. 
  21. ^ 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、39ページ。
  22. ^ 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、82-83ページ。
  23. ^ Y染色体と共にSRYを失ったトゲネズミも存在する(黒岩麻里「Y染色体を失った哺乳類,トゲネズミ」『生物の科学 遺伝』)。
  24. ^ 西田千鶴子「鳥類の性染色体進化」『生物の科学 遺伝』2009年1月号
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  26. ^ Ogata T (1999). “SHOX: pseudoautosomal homeobox containing gene for short stature and dyschondrosteosis”. Growth Horm IGF Res 9 (Suppl 2): 53-58. doi:10.1016/S1096-6374(99)80082-3. PMID 10549307. 
  27. ^ 「性を決めるカラクリ『X・Y染色体』」『Newton』、42-43ページ。


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Y染色体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/22 07:39 UTC 版)

アンダマン人」の記事における「Y染色体」の解説

アンダマン人のY染色体は大アンダマン人オンガン人で大きく異なっている。大アンダマン人出アフリカ後南ルート」をとったハプログループF*、K*、L、P*、および「北ルート」のオーストロアジア系O1b1が合計100%であるが、オンガン人(ジャラワ族オンゲ族)はハプログループD1a2bが100%占める。ハプログループD1a2bは出アフリカ後北ルート」でイランアルタイ山脈チベットビルマアンダマン諸島という経路たどってきたと考えられる

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Y染色体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/29 14:18 UTC 版)

アフリカ人」の記事における「Y染色体」の解説

コイサン諸語を話すカポイドアフリカ最古住民であると考えられており、最も古く分岐したY染色体ハプログループA系統が高頻度見られるピグミー(ネグリロ)はY染色体ハプログループB系統が高頻度見られるニジェール・コンゴ語族民族にはハプログループE1a1aが高頻度見られるアフロ・アジア語族民族にはハプログループE1b1bが高頻度である。ただし、チャド語派を話す民族にはR1b系統高頻度である。 ナイル・サハラ語族民族には様々なタイプみられる

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Y染色体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:47 UTC 版)

モンゴロイド」の記事における「Y染色体」の解説

モンゴロイド出アフリカ後イラン付近からアルタイ山脈付近に至り東アジア拡散した、「北ルート」をとった集団である。モンゴロイド人種特徴づけるY染色体ハプログループとしてC2、D、N、O、Qが挙げられるハプログループC2は主にモンゴル系民族ツングース系民族一部テュルク系民族において高頻度であり、エスキモーアサバスカ族などの北米先住民にも中頻度中国北部朝鮮半島でも中 - 低頻度日本列島でも低頻度見られる。その他、モンゴル帝国の拡大とともに中央アジアなどでも確認されるハプログループD日本列島チベットアンダマン諸島見られる。現在においては日本山岳チベット、その他一部島嶼でしか見られず非常に稀なハプログループとなっている。D1a1系統チベット人に約50%と高頻度見られ、その他ヤオ族でも確認されている。 D1a2a系統は3.8万年前に日本列島誕生した日本固有の系統である。縄文人はほとんどがD1b系統であった考えられ弥生人到来するまでの日本列島では非常に高頻度であった考えられる現代においてアイヌ人75%(4人中3人)または87.5%(16人中14人)、琉球民族で約40%(1999年発表新家利一等の研究によれば64/187 = 34.2%、2006年発表Michael F. Hammer等の研究によれば25/45 = 55.6%、2007年発表野中育・水口清等の研究によれば35/87 = 40.2%)、日本人全体で約35%となっている。 なお、チベット人見られるD1a1系統日本固有アンダマン諸島固有の祖型であるD1a2系統お互いに最も近縁兄弟群ではあるものの、5万3千年上前分岐しており、他のハプログループ比べるサブグループ間でも親グループ間並に時間的距離が離れている。 ハプログループNサモエード系ヤクート人と言ったシベリア北部フィンランドエストニアなどの北欧バルト三国高頻度見られウラル語族担い手であると考えられるユーラシア大陸北部広く分布している。東アジア周辺発祥したと言われており、中国遼河文明時代人骨からも高頻度に見つかっているため、かつては中国大陸北部などで支配的であった考えられるが、現代東アジアにおいて北部満洲モンゴル)でも概ね10%前後頻度となっており、中国全国朝鮮半島では5%程度で、日本ではそれを下回る低頻度となっている。 ハプログループO東アジアから東南アジアにかけて最多占めグループである。親系別に見ると、コーカソイド系のハプログループR並んで現代人類において最も帰属人口の多い系統である。その人口の多さから、多岐に渡るサブグループ生み出している。日本においてもO1b2が30%以上、O2がおおよそ20%見られ親系統別で見るとやはりO系統最多である。O1a系統台湾先住民80%前後と非常に高頻度見られ、他に東南アジアオセアニア一部にも多く見られる地域がある。オーストロネシア語族タイ・カダイ語族関連。 O1b1系統中国南部及び東南アジア並びにインドムンダ語派言語使用する民族で多い。オーストロアジア語族関連マダガスカルケニアでも検出有り。 O1b2系統日本朝鮮半島満州民族などの東アジア北東部で多い。日本では30%程見られ、D1b系統並んで日本人で最も多く見られる系統である。 南方系古モンゴロイド特徴付けるO1系統東南アジア中心に分布している。 O2系統漢民族50%以上、朝鮮民族ベトナム人キン族)で40%以上と東アジア最多サブグループである。日本人にも20%見られ古墳人みられるY染色体ハプログループもO2系統古人骨ゲノムデータの主成分分析では現代日本人と大陸集団との中間位置するシナ・チベット語族ミャオ・ヤオ語族と関係。 ハプログループQは南北アメリカ大陸先住民はほとんどがQ系統あり、かつてのアメリカ大陸においては非常に高頻度見られた。一方ユーラシア大陸においてはエニセイケット人90%以上、パシュトゥーン人16%、東アジア地域で5%未満道中足跡残してはいるが、ユーラシア大陸では総じて低頻度である。 ただし、人種反映する形態形質は、父系Y染色体ハプログループのみでなく、母系ミトコンドリアDNAハプログループとも相関性があること(古モンゴロイド特徴的な母系ハプログループとしては、ハプログループM7aなどがある)、さらに多くY染色体ハプログループ系統同一集団として同じ人種形成した遺伝子系統集団系統一致しない)ため、形質Y染色体ハプログループ系統一致しない場合が多い。 ハプログループD (Y染色体) ハプログループC2 (Y染色体) ハプログループN (Y染色体) ハプログループO (Y染色体) ハプログループQ (Y染色体)

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