アンダマン人とは? わかりやすく解説

アンダマン人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/08 05:21 UTC 版)

大アンダマン人(1875年撮影)
漁撈を行うアンダマン人の集団 (1870年)

アンダマン人(Andamanese People)は、インド洋東部に浮かぶアンダマン諸島の先住民族の総称。ネグリトの一種で、アンダマン諸語を話す。大アンダマン系とオンガン系があり、両者の関係性についてははっきりしない(言語は別系統と考えられる)。インド人の入植により大アンダマン人のほとんどが絶滅し、オンガン系諸民族も人口は少ない。センチネル族は外部との接触を一切拒んでおり、その言語系統は不明。

区分

遺伝子

Y染色体

アンダマン人のY染色体は大アンダマン人とオンガン人で大きく異なっている。大アンダマン人は出アフリカ後「南ルート」[1]をとったハプログループF*、K*L、P*、および「北ルート」のオーストロアジア系O1b1が合計100%であるが、オンガン人(ジャラワ族オンゲ族)はハプログループDが比較的多く存在している[2][3]。ハプログループD1a2bは出アフリカ後「北ルート」でイラン→アルタイ山脈→チベット→ビルマ→アンダマン諸島という経路をたどってきたと考えられる[4][5]

mtDNA

アンダマン人のミトコンドリアDNAハプログループは大アンダマン人、オンガン人とも、出アフリカ後「南ルート」で到達したM31、M32のみが観察される。[2][6]

核DNA

核DNAの分析から、アンダマン人は大幅なボトルネック効果を経験していることが示唆された。

関連項目

脚注

  1. ^ 崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)
  2. ^ a b Kumarasamy Thangaraj, Lalji Singh, Alla G. Reddy, V.Raghavendra Rao, Subhash C. Sehgal, Peter A. Underhill, Melanie Pierson, Ian G. Frame, Erika Hagelberg(2003);Genetic Affinities of the Andaman Islanders, a Vanishing Human Population ;Current Biology Volume 13, Issue 2, 21 January 2003, Pages 86–93 doi:10.1016/S0960-9822(02)01336-2
  3. ^ アンダマン諸島については、従来よりハプログループD-M174*(xD-M15,D-M55)が高頻度であるとのデータ(kumarasamy et al. 2003)があり、その後系統解析の研究の進展によりアンダマン諸島のD-M174*はD-Y34537であることがわかった(Y-Full)。
  4. ^ Shi H, Zhong H, Peng Y et al. (2008). "Y chromosome evidence of earliest modern human settlement in East Asia and multiple origins of Tibetan and Japanese populations". BMC Biol. 6: 45. doi:10.1186/1741-7007-6-45. PMC 2605740. PMID 18959782.
  5. ^ 崎谷満『ヒト癌ウイルスと日本人のDNA』(勉誠出版 2011年)
  6. ^ Kumarasamy Thangaraj, Gyaneshwer Chaubey, Toomas Kivisild, Alla G. Reddy, Vijay Kumar Singh, Avinash A. Rasalkar, Lalji Singh1(2005);Reconstructing the Origin of Andaman Islanders ;Science13 May 2005: Vol. 308 no. 5724 p. 996 DOI: 10.1126/science.1109987

アンダマン人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 04:55 UTC 版)

ネグリト」の記事における「アンダマン人」の解説

アンダマン人は母語とする言語系統から大アンダマン人オンガン人、センチネル族大別できるが、このうち調査がされている大アンダマン人オンガン人では、Y染色体ハプログループがで大きく異なっていることが知られている。遺伝子調査(Kumarasamy et al.(2003))の結果によると、大アンダマン人出アフリカ後南ルート」をとったハプログループF*、K*、L、P*、および「北ルート」のオーストロアジア系O1b1が合わせて100%であるが、オンガン人(ジャラワ族オンゲ族)はハプログループD1a2bが100%占める。ハプログループD1a2bは出アフリカ後北ルート」でイランアルタイ山脈チベットビルマアンダマン諸島という経路たどってきたと考えられる。 なお、アンダマン人のミトコンドリアDNAハプログループ大アンダマン人オンガン人とも、出アフリカ後南ルート」で到達した考えられるM31、M32のみが観察される

※この「アンダマン人」の解説は、「ネグリト」の解説の一部です。
「アンダマン人」を含む「ネグリト」の記事については、「ネグリト」の概要を参照ください。

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