開発への経緯とは? わかりやすく解説

開発への経緯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 09:17 UTC 版)

マウス (戦車)」の記事における「開発への経緯」の解説

マウス開発にはアドルフ・ヒトラー戦車対す思想との強い関与存在している。1941年独ソ戦開始されソ連軍T-34中戦車、及びKV-1KV-2重戦車ドイツ戦車にとって大きな脅威となった。さらに、これらを凌ぐソ連軍新型戦車出現可能性危惧したヒトラーは、1941年11月29日総統官邸における会議フェルディナント・ポルシェ博士超重戦車開発可能性について打診したヒトラー1943年春にソ連軍超重戦車戦場へ投入する確信していたため、彼は主砲装甲当時技術で最高の戦車作ることを命じた1942年3月クルップ社に100t級の重戦車開発試作命じられ、またポルシェ社にも100t級戦車開発契約結ばれたこうした二重開発もまたヒトラー意図するものであり、両社同一開発計画に対して激し競争行ったこのような開発方針軍需大臣アルベルト・シュペーアにより禁止提言されたものの、ヒトラーはこれに依然執着していた。1942年4月段階ヒトラー重戦車対す構想は、車重70tを戦車限界とする従来技術的な推測無視し、100tを超えて120t級の戦車が必要であると考えるようになっていた。 クルップ社は15cm榴弾砲戦車砲化した主砲遠隔操作式機銃備え従来ドイツ戦車搭載されているガソリンエンジン代わりディーゼルエンジン搭載した新機軸導入しつつも総体としては保守的な重戦車構想した一方ポルシェ社はポルシェ博士自ら手がけた新機軸満載設計案である「タイプ205 (Type 205)」の図面を、1942年6月23日クルップ社先駆けてヒトラー提出した。これは砲塔に15cm戦車砲と7.5cm戦車砲同軸装備しポルシェ博士過去設計したVK4501(P)いわゆるポルシェティーガー”、及びその駆逐戦車型であるフェルディナントエレファント駆逐戦車と同様、内燃機関電動モーターハイブリッド式駆動装置備えた。また懸架装置には縦置き型トーションバーサスペンションが選定された。ヒトラーはこれに高い評価与えいくつか設計案変更加えた下部車体装甲100mmとすること、主砲37口径15cm砲もしくは70口径10.5cm砲とすることである。この上で彼は事実上内定与えたポルシェ博士ヒトラーに対して翌年3月12日までにタイプ205試作車もしくはモックアップ完成させる約束しポルシェ社は具体的な設計作業入ったポルシェ社の「モイスヒェン(Mäuschen、子ネズミの意)」原案では駆動方式ディーゼルエンジン用いたディーゼル・エレクトリック」となる予定であったが、ポルシェ社からエンジン選定打診されたダイムラー・ベンツ社が要求を満たすディーゼルエンジン用意できないために、ガソリンエンジン用いたガス・エレクトリック」に変更された。 この後1942年12月ポルシェクルップ社ミュラー教授は「モイスヒェン」の生産について報告行っている。ここでは1943年夏に試作車輌完成目指され、兵装として15cm砲、12.7cm艦砲、12.8cm高射砲長砲身12.8cm砲等が計画されていた。 1943年1月クルップ社ポルシェ社の「モイスヒェン」案はヒトラーにより比較検討された。彼はタイプ205高い評価与えていたため、主砲に12.8cm砲と7.5cm砲を同軸装備すること、という修正命じられた上、ポルシェ案はクルップ案を退けて1943年1月に製作が承認された。このときの月産予定数は10輌とされ、完成1943年末とされた。ヒトラー見解に依れば、兵器優位性保てる期間は一年限度であり、1943年にはティーガーパンターを、1944年にはマウスティーガーII投入することが要求された。ポルシェ社の戦車採用される電気駆動方式には、戦略資源でありドイツでは供給量が不足している大量に使うため、軍需省からは反対の声が上がった開発初期、この超重戦車には「マムート(Mammut、マンモスの意)」の呼称与えられた。これは後に変更され「モイスヒェン」の名称が付された。ドイツ戦車史上最大超重戦車案であるにも関わらずこのような名称が付けられ理由は、敢えて逆の印象与える名称を付けることにより情報秘匿を図るためであるとされている。ポルシェ案は同年2月13日に「マウス」の制式呼称正式に採用された。

※この「開発への経緯」の解説は、「マウス (戦車)」の解説の一部です。
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