15cm砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 03:25 UTC 版)
1936A型の150mm砲は軽巡の主砲や大型艦の副砲と共通の設計で、砲弾重量45kg、砲口初速835km/秒、最大射程23,500mとそれまでの127mm砲より強力なものとなっていた。ドイツ海軍は第一次世界大戦末期にも150mm砲搭載の駆逐艦(S113、V116)を建造した実績があり、またドイツの仮想敵国であるポーランド、フランス、イギリスの海軍がいずれも火力に勝る大型駆逐艦を保有しているので、これらの艦への対抗上ドイツ海軍が自らの駆逐艦により強力な砲を載せようとするのは無理のない流れではあった。 しかし、本来大型艦での運用を想定していた15cm砲は、相対的に小さな駆逐艦の上では様々な問題を引き起こした。[要出典] ・人力装填、分離薬莢式のため揺れる狭い艦上では迅速な射撃操作が難しい ・単装砲は開放式であり、荒れる洋上では砲員が海水を被る(そしてしばしば極寒の北海が戦場となった) ・連装砲は密閉式だが砲塔が60.4tと単装砲(19.54t)の約3倍も重く、基本設計の変更なしに載せた結果艦首浮力の低下、凌波性能の低下を招いた この結果、大戦中トライバル級を含むイギリス海軍の駆逐艦や(数字の上ではほぼ同格の主砲を持つ)軽巡との戦闘は何度か生起したが、ドイツ駆逐艦が互角または有利に戦ったと言える記録はあまりなく(訓練不足も災いした部分があるが)、ドイツ海軍も次級以降また主砲を127mmに戻すという措置を取っている。
※この「15cm砲」の解説は、「Z23型駆逐艦」の解説の一部です。
「15cm砲」を含む「Z23型駆逐艦」の記事については、「Z23型駆逐艦」の概要を参照ください。
- 15cm砲のページへのリンク