長期金利とは? わかりやすく解説

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ちょうき‐きんり〔チヤウキ‐〕【長期金利】


長期金利(ちょうききんり)(long-term rate of interest)

1年以上の期間にわたる金融取引適用される金利

1年以上の期間にわたる国債社債などの利回り定期預金適用金利は長期金利の一例1年未満短期金利対比して使われる

長期金利は、国債利回り大きく影響される。そのため、長期金利の代表的な指標として、債券市場流通する10年国債利回り置き換えることが多い。

例えば、満期時に額面書かれている金額受け取ることができる国債は、債券市場買いたい人が多いと、需要と供給の関係から価格上昇するその結果国債購入時償還時の価格差が縮まって金利低下することになる。

株式市場低迷するなど金融資産行く先狭まると、安定した運用先として国債社債などの債券投資が集まる。このような場合、長期金利の低下を招く。

(2002.12.17更新


長期金利

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/12 03:44 UTC 版)

長期金利(ちょうききんり、: long-term interest rate)とは、償還期間の長い債券や満期までの期間が長い金融資産や負債の金利。期間が1年以下が短期とされ、1年超が長期とされることが多い。残存期間が10年の国債を長期国債と呼び、その金利が日本では代表的な長期金利である。対義語短期金利

国債の場合の分類[1]
名称 期間
短期 1年以下
中期 1年超 5年以下
長期 5年超 10年以下
超長期 10年超

概要

長期金利は、長い償還期間という理由からいくつか特徴がある。

  1. 物価変動の予測に左右される。
  2. 住宅ローンなど、長期融資の金利の基準になる。

長期金利の決定要因

金融資産の金利と満期までの期間との関係を金利の期間構造(イールドカーブ・利回り曲線)という。もしも将来の短期金利の動きが完全に予想できるのであれば、現在の金利の期間構造は将来の短期金利の動きによって決まるはずである。例えば10年間資金の運用を行う場合に、10年満期の国債に投資する場合と、期間が1年の国債を購入して毎年乗り換えるという方法があるが、どちらかの運用方法が有利であれば、残りの方法で運用する人はいないはずだ。こうした意味で、長期金利はその投資期間の短期金利の平均となることが考えられる。こうした考え方が、金利の期間構造に関する期待仮説である。

実際には、将来の短期金利の動きは予想に過ぎないので、10年間経ってみてその間の短期金利の平均が現在の10年の長期金利と一致するとは限らない。また、長期間資金を固定することによって別の投資機会を失う危険があることや、政府でも投資期間中に財政が破綻して資金が回収できないという可能性はゼロではない。このため、長期金利は予想される短期金利の平均にリスクプレミアムが上乗せされて決まると考えられる。

上記の様に長期金利が将来の物価変動の予測によって左右されるのは、物価上昇率が高まれば日銀が金融引締めを行ってインフレを抑制するなど、短期金利が上昇すると考えられるからである。

期待仮説以外の長期金利の決定理論としては、市場分断仮説がある。

歴史

長期金利は将来予測を交えるために、歴史を反映してきた。

1619年イタリアジェノヴァでつけられた1.125%という利率は長い間、史上最低の長期金利となってきたが、1998年6月にバブル崩壊後の長期不況を経験していた日本において日本国債の利率が1%を下回り記録を更新した[2]。さらに金利は低下を続け、2003年6月には0.43%まで低下した。

2015年1月20日、東京債券市場で日本の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時0.195%と、初めて0.1%台となった[3]

2016年2月、東京債券市場で日本の長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時マイナス0.035%と、初めてマイナスとなった[4]

日本の長期国債流通利回りの推移

10年国債の応募者利回りの推移(財務省のホームページ参照)[5]。末値について1997年以前は東証上場国債10年物最長期利回りの末値、1998年以降は新発10年国債流通利回りの末値[6]

年平均(%) 末値(%)
1966年 6.86
1967年 6.96
1968年 7.00
1969年 7.01
1970年 7.07
1971年 7.09
1972年 6.71
1973年 8.19
1974年 8.42
1975年 8.53
1976年 8.61
1977年 6.40
1978年 6.40
1979年 9.15
1980年 8.86
1981年 8.12
1982年 7.67
1983年 7.36
1984年 6.65
1985年 5.87
1986年 5.82
1987年 5.61
1988年 4.57
1989年 5.011 5.75
1990年 6.746 6.41
1991年 6.316 5.51
1992年 5.266 4.77
1993年 4.288 3.32
1994年 4.219 4.57
1995年 3.473 3.19
1996年 3.132 2.76
1997年 2.364 1.91
1998年 1.518 1.97
1999年 1.732 1.64
2000年 1.710 1.64
2001年 1.293 1.36
2002年 1.278 0.90
2003年 0.988 1.36
2004年 1.498 1.43
2005年 1.361 1.47
2006年 1.751 1.67
2007年 1.697 1.50
2008年 1.515 1.16
2009年 1.358 1.28
2010年 1.187 1.11
2011年 1.147 0.98
2012年 0.860 0.79
2013年 0.721 0.73
2014年 0.565 0.33
2015年 0.38 0.27
2016年 -0.031 0.04
2017年 0.04
2018年 -0.01
2019年 -0.025
2020年 0.02

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 長期国債 | 金融・証券用語解説集 | 大和証券
  2. ^ みずほ総合研究所編 『3時間でわかる日本経済-ポイント解説』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、62頁。
  3. ^ 長期金利:下落 初の0.1%台毎日新聞 2015年1月20日
  4. ^ 〔マーケットアイ〕金利:国債先物が続伸、長期金利はマイナス0.035%と過去最低並ぶ ロイター 2016年2月10日
  5. ^ 資料室 国債利回り(応募者利回り)Pmas【ピーマス】 2014年2月6日
  6. ^ 長期経済統計 金融(1/1)内閣府

関連項目

外部リンク


長期金利

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 01:00 UTC 版)

収斂基準」の記事における「長期金利」の解説

the durability of convergence achieved by the Member State with a derogation and of its participation in the exchange-rate mechanism being reflected in the long-term interest-rate levels(長期金利の水準反映される当該加盟国達成した収斂性欧州通貨制度為替相場メカニズムへの参加耐久性名目長期金利が、物価がもっと安定している3つの加盟国前年名目長期金利に比べて、2パーセントポイントより多く回らないこととされている。

※この「長期金利」の解説は、「収斂基準」の解説の一部です。
「長期金利」を含む「収斂基準」の記事については、「収斂基準」の概要を参照ください。

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