ろうどうぶんぱい‐りつ〔ラウドウブンパイ‐〕【労働分配率】
労働分配率
労働分配率
・労働分配率とは、事業活動を通じて生み出される付加価値に対して、人件費が占める比率のことを言う。
・付加価値とは、「売上高(生産額)-外部購入費用(仕入原価、原材料費、外注費等)」を意味し、物販やサービス業の場合には「付加価値=粗利益」と考えてよいとされて
いる。労働分配率は以下のように計算され、労働分配率を用いることにより、人件費の適性基準を把握し、経営体質の評価をすることができる。
・一般的には、適性基準は30%以下が優良、30%~50%未満は良~不良、50%以上は劣悪とされている。
・日本の企業の労働分配率は、企業種平均で50%強、製造業平均は60%弱であり、付加価値に占める人件費の割合は非常に高いといえる。
・人件費と付加価値との上昇傾向が同じペースを保っていれば、全体の労働分配率は同じ水準を維持するが、人件費の上昇に対して、付加価値の上昇ペースが追いつかなければ労働分配率は増加し、経営環境は悪化することになる。従って、良好な経営状態を維持するためには、人件費の上昇に応じて、付加価値を上昇させる施策を打つ必要があるといえる。
労働分配率
労働分配率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/20 13:43 UTC 版)
解説
1950年代の日本の労働組合の中には、労働分配率を向上させることを目的として闘争を実施しているところも存在していた[要出典]。だがここで人件費とされている数字には福利厚生や役員手当が含まれていたり、付加価値は経常利益であったり減価償却費の数字が含まれているなど労働者による付加価値の割合は時期に応じて変化していることから単にこれの大きさを根拠として議論をするのは難しい。
労働分配率は、景気の動向によって短期的に変動する[1]。労働分配率は、賃金を付加価値で割ったものであり、不況の時には分母(付加価値総額)が低迷すると大きくなる[1]。
日本企業の事業がグローバル化するのに伴い海外子会社からの投資収益が増加傾向にあるが、国内従業員が直接生んだ付加価値ではないため、賃金上昇につながらず労働分配率が低下する方向になっているとの見方もある[2]。
脚注
- ^ a b 竹中平蔵『竹中平蔵の「日本が生きる」経済学』ぎょうせい・第2版、2001年、150頁。
- ^ “利益増えても賃金に回らず 24年度の労働分配率、51年ぶり低水準”. 日本経済新聞 (2025年7月16日). 2025年7月17日閲覧。
外部リンク
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