近畿広域圏における扱い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/14 01:17 UTC 版)
「ジャパン・ラジオ・ネットワーク」の記事における「近畿広域圏における扱い」の解説
大阪府を中心とする近畿広域圏でMBSラジオ(MBS)と朝日放送ラジオ(ABC)の両方が加盟している背景には、両局ともTBSラジオの前身であるラジオ東京の開局以来関係が深かったことによる。ラジオ東京は、もともと読売新聞系の読売放送・朝日新聞系の朝日放送・毎日新聞系のラジオ日本と電通系の東京放送が合併する形で設立されたため、同根とも言えるABCは早期から特定の時間にラジオ東京とラインを結んで同時ネットを行っていた。MBSもまた毎日新聞を背景とした繋がり(ラジオ東京の新聞勢力は毎日が強かった)や、MBSの主要時間を電通が扱っていたことなどから番組の共同制作やネット受けを行っていた。 また、MBSは文化放送(当時は日本文化放送協会)と番組の共同制作を多く行い、ニッポン放送とはFOLスポーツネットワークなどを通じて交流を深めていった。一方のABCもまた文化放送やニッポン放送との交流を深め、ABCの看板番組だった『蝶々・雄二の夫婦善哉』等はニッポン放送で放送されていた。 「全国ラジオネットワーク#補足」および「RKB毎日放送#ネットワークと放送エリア」も参照 このため、両局は発足当初からJRN・NRN両方とも加盟している。JRN発足記念番組は2時間のうち前半をMBSが、後半をABCが分け合ってネット受けを行った。 JRN発足時、TBSのテレビネットワークであるJNNには、旧大阪テレビ放送を合併・継承したABCが加盟していたが、1975年の「腸捻転」解消を機にMBSへと変わった。しかし、基幹局であるTBSは、先述の理由でテレビのネットワーク(ネットチェンジ)はラジオと関係ない(ラジオ部門には影響しない)として、今日までABCともラジオのネット関係を続けており、これらの提携維持の観点から、TBSホールディングスと朝日放送グループホールディングスは2020年時点でも相互に株式の持ち合いを行っている。 但し、報道・ニュース番組についてはJNN排他協定の解釈上テレビのニュース系列としてJNNを選択した局はラジオ部門も含めた局全体が協定の拘束を受けるとされており、JNN加盟局(1975年3月30日まではABC→「腸捻転」解消以降の同年3月31日以後はMBS)に優先権がある。腸捻転解消後のABCではニュース以外の一般番組(2017年まではプロ野球中継を含む)だけがネットされる傾向がある。 1995年の阪神・淡路大震災発生当時、MBSはTBSからのネット番組を放送していた影響で、地震発生時の初動体制が遅れた影響を教訓として、1998年4月度の改編以後、段階を追って早朝・深夜のワイド番組を自社製作(早朝番組の一部はスポンサーのCMだけをネットする企画ネット番組に準じた扱い)に移行して、JRN共通ネット番組の同時放送を縮小・終了させるようになった。 詳細は「JNN排他協定#ラジオ部門の拘束範囲」および「柳瀬璋#ラジオの早朝自社制作枠強化」を参照 現在ABCで放送されているニュース(『ABCニュース』など)は100%自社制作であり、全国ニュース番組は、JRN・NRN共にCMも含めネットしない。 詳細は「MBSニュース#ラジオ」および「ABCニュース (朝日放送ラジオ)#備考」を参照 またプロ野球中継もABCとMBSがともにNRNとのクロスネットであるため、曜日を分担して相互ネットを行うが、2010年度からTBSラジオ発の土・日JRNナイターが放送されなくなった(NRNは継続)。その関係でJRN単独加盟でプロ野球球団がある地域のHBC、CBC、RKBに配慮して、その地域に関係する球団(日本ハム、中日、ソフトバンク)のナイターの試合について、LF-MBSラインを使って相互中継する事例がある(デーゲームは試合日によりABCとの相互中継になる場合もある)。 詳細は「MBSベースボールパーク」および「ABCフレッシュアップベースボール」を参照 MBS・ABCの両局では、開局時から激しい聴取率競争を繰り広げているため、共に自社制作番組の割合が極めて高い。このため、野球中継以外のJRNラインネット(同時ネット生放送)番組が、和歌山県を除いた関西地域で放送されることは少ない。ネットワークセールス番組であっても、本編を放送せずにCMのみネット受けとなるケースも多い。 なおRKBは同じ「毎日新聞」系列のMBSと資本関係にある(MBS及び毎日新聞がRKBの筆頭株主である)事から、RKB制作のJRN全国ネット番組は関西地区ではMBS経由となる場合がほとんどである。但し野球中継についてはRKB制作の中継カードがMBS経由で流れるのは月・金のみで、その他曜日(火・水・木・土・日)はABC経由で放送されている(土日の場合、どちらかがナイトゲームとなる週はMBS経由)。 なお、近年は在阪AM3局で唯一JRN非加盟のラジオ大阪(OBC)制作の番組をTBSラジオでネットしていたり、TBSラジオ制作の番組(『生島ヒロシのおはよう一直線』、『JUNK』など)がOBCや阪神地域を放送エリアとするラジオ関西に番組販売扱いでネットしている。 「大阪放送#JRN・RF・FM局とのネット」も参照 ライン送出に関して、JRNはNRNとは違って、基幹局の他、大阪にTBSラジオ大阪浪速局が存在し、そこでラインを分岐する(MBSとABC等への送出選択と西日本地域への分岐のため)。また秋田放送・青森放送・山形放送・IBC岩手放送・北海道放送へは東北放送仙台青葉局がラインを分岐している。
※この「近畿広域圏における扱い」の解説は、「ジャパン・ラジオ・ネットワーク」の解説の一部です。
「近畿広域圏における扱い」を含む「ジャパン・ラジオ・ネットワーク」の記事については、「ジャパン・ラジオ・ネットワーク」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から近畿広域圏における扱いを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
全ての辞書から近畿広域圏における扱いを検索
- 近畿広域圏における扱いのページへのリンク