衆議院の再議決に関わる論点とは? わかりやすく解説

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衆議院の再議決に関わる論点

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 05:25 UTC 版)

衆議院の再議決」の記事における「衆議院の再議決に関わる論点」の解説

参議院の制度や権能に関わる法案の衆議院の再議決 憲法では、参議院制度権能関わる法案について衆議院の再議決制限する明白な規定はない。しかし、参議院制度権能関わる法案について、参議院示した意思反して衆議院の再議決を行うことは、参議院自律議院独立原則議院規則法律の関係など)を侵害するおそれがあるため、慎重に取り扱うべきとする意見もある。 参議院制度権能関わる法律改廃としては、以下のようなものが挙げられる公職選挙法改正による参議院選挙制度変更 国会法改正による国会制度事実上参議院対象として)の変更 両院同意人事規定参議院議決の弱力化・無力自衛隊防衛出動NHK予算など両院同意案件規定参議院議決の弱力化・無力議院証言法改正による国会事実上参議院対象として)の証人喚問制限廃止 参議院議員通常選挙の直後における衆議院の再議決 参議院議員通常選挙が行われた後、衆議院議員総選挙が行われるまでの間に、衆議院の再議決が行われた例は、過去11例(14法案)ある。このような時期衆議院の再議決が行われる場合、「直近の民意参議院通常選挙において示されており、参議院議決正当性がある」として、衆議院の再議決批判することがある例えば、2007年平成19年7月行われた第21回参議院議員通常選挙結果衆議院では与党自民党公明党多数派占め参議院では与党少数派となったこの後衆議院総選挙が行われていない2008年平成20年1月テロ特措法案の審議において、参議院同法案を否決し衆議院再議決の上同法案は成立したこのため野党は、参議院議決法案否決)が国会最終的な結論として妥当であるとして、この再議決批判した両院協議会開催請求権と再議決権 法律案について衆議院参議院議決異なった場合国会法定めところにより、衆議院両院協議会開催求めることができる。この両院協議会開催予算等の場合異なり、必ずしも開催しなければならないものではない。なお、衆議院両院協議会開会求めた時点で、衆議院再議決放棄したみなされるという学説もある。この見解は、規則先例根拠を持つものではなく衆議院両院協議会開会求めた場合衆議院再議決見解について議員問われ参議院法制局肯定否定もしていない。 なお、両院協議会開催請求した後も衆議院の再議決ができるという説をとるとしても、衆議院両院協議会請求しておきながら、その結論待たず再議決する態度に出ることはよほどの理由がない限り制度の運用として望ましいことではないとする意見もある。 衆議院可決後の参議院審議中に閉会中審査となった場合 憲法第59条各項における「法律案成否に関する規定は、一連の行為原則として国会同一会期内で行われること前提となっている(たとえば、同条第4項には「国会休会中の期間を除いて」とはあるが「国会閉会中」に関する文言はなく、これは、みなし否決60日ルールそもそも会期を跨いで算定するものではないことを示している)。国会法には継続審議閉会中審査)の規定があり、複数会期を跨いでも議案議決することが可能とはなっているが、同法83条の5に特則があり、先議院可決した会期中に議院議決至らず閉会中審査経てのちの会期議決した場合は、次のような取扱いがなされ、いずれも3分の2上の賛成による衆院再議決」をすることはできないみなし否決元より不可能)。 先議院可決案を別会期の後議院可決又は修正議決した場合 - 後議院事実上の新・先議院となり、新・後議院となった(本来の)先議院議案を「送付」する。先議院同一会期中に可決すれば成立となる。つまり、外形的には先議院は2回議決を行うことになる(再度議決ではあるが法的根拠異なるため「再議決」とは呼ばない)。 先議院可決案を別会期の後議院否決した場合 - 先議院可決したという事経過消滅するわけではないが、会期を跨いだことで後議院事実上の新・先議院となったため、先議院に対して否決」の通知をするのみとなる。この場合、元々の先議院衆議院であったとしても第83条の2各項は適用されないため、否決した参議院から衆議院への議案の「返付はなされずそこで廃案となり、「3分の2上の賛成による衆院再議決」をすることはできない。 つまり、ある議案法律案限らない)が後議院継続審査となった場合は、記録先議院・後議院それぞれの審議経過順序消えわけではないが、あたかも議院が新・先議院となり、先議院が新・後議院となったのような手順求められることになる。この場合、後議院から先議院へ(再度議案を移す行為には「回付」や「返付ではなく本来は最初移転のときのみに使う用語である「送付」を用いる。 衆議院可決した議案(甲案)と形式的に別個の議案である対案(乙案)を参議院可決した場合衆議院可決した議案(甲案)の否決とみなせるか 衆議院が甲案を可決したが、参議院では甲案の採否については議決せず、甲案の修正案としてではなく別個の議案として甲案の対案である乙案を可決し衆議院に乙案を送付した場合に、衆議院は乙案の送付をもって参議院において甲案の否決みなして甲案について再議決を行うことができるかどうか問題となっている。 たとえば、第169回国会において、2008年2月29日衆議院2008年3月31日期限切れとなるガソリン税暫定税率延長その他の特例措置延長などを内容とする内閣提出の「所得税法等の一部改正する法律案」(閣法第3号)を可決し参議院送付した。しかし、民主党は、特例措置失効による混乱を防ぐため同日ガソリン税暫定税率延長については規定せずその他の特例措置などの延長などを内容とした「租税特別措置法一部改正する法律案」(参法第3号)を参議院提出している。そして、参議院側で閣法について同年3月31日まで議決しない場合ガソリン税暫定税率のみならずその他の特例措置失効し大きな混乱生じることが予想されている。仮に、「租税特別措置法一部改正する法律案」を参議院可決され衆議院送付され場合において、衆議院において参法の可決をもって閣法否決みなして衆議院再議決をすることができるかどうか問題となっている。 この問題関し3月25日政府答弁差し控える旨の答弁書鳩山由紀夫民主党幹事長質問主意書に対してしている。 肯定する論拠としては、甲法を修正して参議院議決した場合は、衆議院再議決とみなすことができるのに、乙法という形式的に別個な議案送付した場合否決とみなせないのは、実質的に同じよう参議院議決があるのに法案形式そのような取扱い差異生じるのはおかしいので、衆議院で乙案の可決をもって甲案の否決とみなすことが可能であるということがある。 否定する論拠としては、乙法が甲法の対案であるかは形式的に判断することはできない参議院審議を奪うものである、仮に乙法が可決されたとしても参議院でさらに甲法の審議継続して議決ができるはずである、国会法83条の2第1項参議院衆議院送付した法案否決した場合返付することを規定しているが、国会法そのようなことを想定した規定はなく、さらに乙案の送付をもって甲案の返付とみなすことはできないなどの問題がある。

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