しつもん‐しゅいしょ【質問主意書】
質問主意書(しつもんしゅいしょ)
国会の会期中、国会議員は内閣に対し、国政に関することについて文書の形で質問することができる。その質問書は、その国会議員が所属する議院の議長を通じて内閣に送られる。質問主意書を受け取った内閣は、原則として7日以内に文書で回答する。このときの回答は、閣議を通さなければならないことになっている。
委員会における口頭質問の時間は、会派(政党)の人数に比例して割り振られているので、無所属議員や規模の小さな政党が使える時間はわずかに限られてしまいる。そこで、例えば薬害エイズ事件での厚生省の情報公開など、質問主意書を使って政府の問題を追及することもある。
質問内容によっては回答期間を延期することもできるが、内閣は必ず回答を出さなければならない。閣議を経るということもあって、質問主意書に対する回答は、政府の公式見解として残ることになる。
(2000.04.14更新)
質問主意書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/14 01:23 UTC 版)
質問主意書(しつもんしゅいしょ。なお「趣意」は誤記)とは、日本の国会法第74条の規定に基づき、国会議員が内閣に対し質問する際の文書である。
注釈
- ^ 国会の委員会や本会議と異なり、国会議員は会期中いつでも質問を提出することができるため、省庁側からすると、いつ質問が来るのか、予測することもできず、「強制的」に通常業務をストップして、至急対応しなければならない。通常業務の繁忙期に提出された場合には、当然、答弁作成担当者は深夜対応を迫られる。ただでさえ複雑なプロセスで、大変な作業な上に、こうした「強制性」、「突発性」があるために、官僚からは「質問主意書」に対する不満も出やすい[4]。
- ^ 小泉大臣の「セクシー」発言の意味を問う質問を出した立憲民主党の熊谷裕人参議院議員(もう一人は同じく立憲民主党の中谷一馬衆議院議員)は、他にも質問主意書を「乱発」しており、今国会ですでに参議院には36件の質問主意書が出されているが、そのうち18件は熊谷議員であり、一人だけ突出して多い。上記の「セクシー発言」への答弁書がメディアで大きく取り上げられたように、閣議決定であるため、メディアにも取り上げられやすく、室橋祐貴日本若者協議会代表理事はアピールのためだと思われても仕方がないのではないだろうか、閣議決定の内容をただ垂れ流すだけで、こうしたコストを前提に質問の意義があるのか全く問わないマスコミの責任も重いと指摘している[4]。
出典
- ^ a b c "質問主意書". デジタル大辞泉. コトバンクより2023年3月3日閲覧。
- ^ a b c d 日経ビジネス電子版. “乱用される国会の「質問主意書」と不誠実な「答弁書」 ツケは国民に”. 日経ビジネス電子版. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c d “質問主意書”. 国会キーワード. 参議院. 2023年3月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k 室橋祐貴 (2019年10月23日). “官僚の長時間労働の一因になっている「質問主意書」のルールも変えた方が良いのでは?”. Yahoo!ニュース. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c Q&A 日本政治ハンドブック: 政治ニュースがよくわかる!p57,橋本五郎、 飯田政之、 加藤秀治郎 — 2006
- ^ “鈴木宗男の質問主意書 「●●補佐官はバカと認識してるか」”. J-CAST テレビウォッチ (2010年3月3日). 2022年3月30日閲覧。
- ^ THE JOURNAL2009年10月4日
- ^ a b c d 中村雄一郎. “霞が関の嫌われ者 “質問主意書”って何?”. NHK NEWS WEB. 日本放送協会. 2023年3月3日閲覧。
- ^ a b c d e “「簡潔な質問通告」で官僚の疲弊はさらに加速。改善するには与野党の協力が必須(室橋祐貴) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b c d “台風なのに帰宅できない国家公務員の悲惨な現状(室橋祐貴) - 個人”. Yahoo!ニュース. 2021年10月22日閲覧。
- ^ a b 「政治を再建する、いくつかの方法 政治制度から考える」p57, 大山礼子 ,2018
- ^ “「青枠」の廃止”. 衆議院議員 河野太郎公式サイト (2020年10月16日). 2023年3月3日閲覧。
- ^ 浜田聡 (2020年4月20日). “質問第一〇五号 精神・発達障害者の雇用打ち切り対策や心のケアに関する質問主意書”. www.sangiin.go.jp. 参議院. 2023年3月3日閲覧。 “なお、本質問主意書は精神・発達障害者が置かれている状況に鑑み、通常通り七日以内での答弁を求めるが、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくても構わない。もし、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくてはならないと政府が考えるならば、その作業は厚生労働省の官僚や、厚生労働省から内閣府に出向している官僚以外の者が行うなど、出来うる限り新型コロナウイルス感染症対策を行っている官僚の負担にならないよう答弁願う。”
- ^ 浜田聡 (2020年5月8日). “質問第一一三号 一九六五年十二月五日に発生した沖縄近海における米国の水爆水没事故に関する質問主意書”. www.sangiin.go.jp. 参議院. 2023年3月3日閲覧。 “なお、本質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、転送から七日以内での答弁は求めない。国会法七十五条二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内には答弁されたい。また、答弁書の文字がいわゆる青枠の五ミリ以内に収まっていなくてもかまわない。”
- ^ 質問主意書 長妻公式サイト
- ^ 答弁本文情報 衆議院 2008年4月4日
- ^ “野党時代の武器、でも今は… 民主、質問主意書を制限へ”. 朝日新聞. (2010年12月22日) 2010年12月23日閲覧。
- ^ “「セクシー」「幽霊」「セクハラ罪」…珍閣議決定が続出するわけ”. 毎日新聞. 2020年2月16日閲覧。
- ^ “官僚たちの憂鬱 「何のために…」 答弁作って夜が明けて”. 毎日新聞. 2022年3月30日閲覧。
- ^ a b “「ブラック霞が関」で官僚離れ深刻、国会答弁打ち合わせ「朝4時」開始も背景(読売新聞オンライン)”. Yahoo!ニュース. 2023年6月29日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023年1月29日). “質問通告の締め切り8割守らず 官僚は未明まで作業”. 産経ニュース. 2023年6月29日閲覧。
- ^ a b 大石眞2001『議会法』有斐閣アルマ
- ^ 木原誠二2002『英国大蔵省から見た日本』文藝春秋
質問主意書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 03:05 UTC 版)
内閣に対する質問主意書の提出を積極的に行っている。3期目(2005年9月から2009年7月まで)の提出回数は、全衆議院議員中4番目に多い。 質問主意書は通常、1週間以内の回答を制度上義務づけられているが、「期間内で回答は不可能」として回答を拒否されたことがある。 2004年8月5日の記者会見で、細田博之内閣官房長官(当時)は長妻の質問主意書を手に取り、「『自分は質問主意書日本一だ』と自慢して、選挙公報に出している人までいる。非常に行政上の阻害要因になっている」と指摘した。しかし、細田博之内閣官房長官が、その手に取っていた長妻の質問主意書によって、これまで国の機関に無料で入居していたテナントの賃料が有料になるなど成果もあがっていた。 また翌2005年2月7日の衆議院予算委員会における審議中、細田官房長官は質問主意書の答弁書作成について「これが大変なサービス残業になって、しかも、エリートでない官僚のことで」と発言。長妻はこれに対し、2008年12月1日に「質問主意書の答弁書作成等に関する質問主意書」を提出した。長妻の質問主意書に関し、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の菅原琢は、官僚である自身の友人たちから最も忌み嫌われているのは長妻であり、長妻による質問への答弁書の作成は膨大な作業量を要するものばかりであったのは疑いようがないとしている。その一方で、質問への答弁を一律簡略化、無意味化するという政府の対応は、あまり合理的ではない。重要な論点を含んでいるのなら積極的に取り組むのが政府としてもおそらく合理的であるとも主張。最後に「いずれにせよ、質問主意書制度は質問と答弁が一体となって国民の側に利益とコストをもたらすものである。したがって、質問と答弁をセットで観察していきたいところである」とまとめている。
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質問主意書
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2010年12月、民主党は質問主意書について「公文書として残す意義がある例外的な場合に限る」として制限する方針を決めた。今後の提出には党政策調査会の了承が必要となる。
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質問主意書
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「年齢計算ニ関スル法律」の記事における「質問主意書」の解説
民主党の平野博文は2002年(平成14年)7月25日、衆議院から日本国政府に対し「年齢の計算に関する質問主意書」を提出。この中で「満年齢の考え方について、国民の常識と法律上の取扱いとの間、さらには各法令相互の間において、齟齬や混乱が見られるように思う」と質問した。これに対し、日本国政府は同年9月18日、衆議院に対し答弁書を提出した。 この中で「年齢計算に関する法律は、ある者の年齢は、その者の誕生日の前日の午後12時に加算されるものとしているのであって、このことは、社会における常識と異なるものではないと考えている」、「各種の法令の年齢に関する要件に係る規定は、年齢計算に関する法律の規定を前提としつつ、それぞれの制度の趣旨、目的に照らして合理的な要件を定めているものであり、これらの規定が一般常識に反する等の御指摘は当たらないと考えており、年齢計算に関し、御指摘のような法令の抜本的改正は要しないと考えている」と答弁した。
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