質問主意書の処理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 08:57 UTC 版)
議長(衆議院議長・参議院議長)に提出され承認を受けた質問主意書は内閣に送られ、内閣は7日(土曜・休日を含む暦日。つまり猶予日数は実質5日しかない。祝日があると更に短くなる)以内に文書(答弁書)によって答弁する。期間内に答弁できない場合はその理由と答弁できる期限を通知する。ただし、非公式には、議院事務局に提出された直後に院内の内閣総務官室に仮転送されており、内閣総務官室は、質問の項目ごとに答弁の作成を担当する省庁の割振りを仮決めし、各省庁にその適否を照会する。 各省庁は、仮決めされた割振りに異議がある(所管外、他省庁と共同でないと答弁できないなど)場合は、照会から60分以内にその旨申し立て、省庁間及び内閣総務官室との協議を経て、仮転送当日のうちに割振りを決定する。 事実上、議院事務局に対する質問主意書の提出に時間制限がないため、国会開会中は、全省庁において答弁書の作成に関与しうる立場にある職員(ひとつの課で数人~十数人程度)は、自省庁に割り振られ、あるいは自らが担当すべき主意書が提出されないことが確認できるまで待機を要求され、もし担当が決定すれば、国会法第75条の定める7日以内という答弁の期限に間に合わせるため、すぐに答弁案の作成に着手しなければならない。 答弁案の作成に対する省庁の関与には、 執筆(答弁案の作成、閣議請議手続など) 合議(他省庁の作成した答弁案の内容確認、修正など) メモ出し(他省庁の答弁案作成に必要な資料の提供、答弁案の内容確認、修正など) の各形態がある。答弁作成が複数省庁にまたがる場合は、最も質問主意書の主題と関係が深いか答弁の重要な部分を担当することとなった省庁が、全体の取りまとめを行う。 作成された答弁案は、原則として、仮転送から2ないし3日(営業日ではなく、休日・祝日を含む暦日。以下同じ)で、執筆した各省庁の法令担当課及び内閣法制局において、質問に対する適確さ、現行法令との整合性、用語・用字などにわたる審査と修正を終了する必要がある。その後、内閣総務官室、与党国会対策委員長への内容説明などののち、仮転送から6ないし7日後の閣議決定を経て、正式な答弁書として提出議院の議長に提出される。 質問主意書の提出数は増えてきているものの、答弁書の延期はほとんどなくなっている。これによりスピーディーなやり取りができるようになったと言われる反面、答弁内容が不十分になったとの声も出ている。
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