蒲島知事の意見表明と関係者の反応とは? わかりやすく解説

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蒲島知事の意見表明と関係者の反応

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 13:53 UTC 版)

川辺川ダム」の記事における「蒲島知事の意見表明と関係者の反応」の解説

このように川辺川ダム相次ぐ共同事業者の事業撤退により、多目的ダムから治水ダムへ計画変更余儀無くされた。だが八代市をはじめ人吉市相良村を除く市町村ダム推進姿勢崩しておらず、「例え利水目的なくなったとしても、川辺川ダム治水ダムとして建設して欲しい」と要望している。この背景には2006年平成18年7月豪雨による九州南部未曾有の被害があり、球磨川流域でも市房ダムで総降水量746ミリ記録し球磨村八代市浸水被害続発川辺川道路損壊農地浸水被害生じた。だがこの時市房ダム洪水調節機能発揮していることからダム再評価始まっている。山一越えた川内川流域での甚大な被害により流域住民鶴田ダム治水ダム化要求しているのも背景にあったこうしたことから国土交通省2007年定めた球磨川河川整備基本方針」においても、川辺川ダム重要な事業として引き続き推進する方針を採っている。2008年に入ると国土交通省川辺川ダムの「穴あきダム」化にも言及した熊本県はこの基本方針対し川辺川ダム必要性について県民への説明が不十分として説明要求しており、2008年3月熊本県知事就任した蒲島郁夫河川法に基づく基本方針への同意判断するにあたって川辺川ダム費用対効果生態系への影響検証する有識者会議設置表明半年後をめどに知事として態度明らかにするとした。有識者会議は8回の会議経て川辺川ダムに関する有識者会議報告書」 がとりまとめられたが、報告書では川辺川ダムによる治水対策について「地球温暖化踏まえ抜本的にダムによる治水対策有力な選択肢」としつつも、現行の計画見直し必要性言及している。結果として賛成反対双方意見取りまとめたものの、委員会として賛否明確にしないものであった有識者会議意見書国土交通省反対派団体のどちらにも与するものではない評価であったが、反対派このような態度厳しく批判し従来通り川辺川ダム中止求めていた。 このような状況において、2008年8月には川辺川利水事業推進しながら川辺川ダムへの対応を保留にしていた相良村徳田正臣村長が「現状ダム建設には反対」とする姿勢明らかにしており、人吉市田中市長も「ダム自然環境悪化つながりかねず、市民多く否定的だ」として反対意思表明行っている。 2008年9月11日県議会において熊本県知事は、「住民ニーズ求めうる『ダムによらない治水』のための検討極限まで追求すべき」として、現行計画白紙撤回することを求め球磨川河川整備基本方針への不同意方針表明した。この発表は、直後世論調査県民85%が支持した[要出典]。 そもそも治水とは、流域住民生命財産を守ることを目的としています。日本三大急流のひとつ球磨川は、時として猛威をふるい、そこに住む人たちの生命財産を脅かすことのある川です。だからこそ治水が必要となります。そして、河川管理者である国は、その責任全うするため、計画的に河川整備取り組んでます。このことは、まぎれもなく政治と行政責任をもって果たすべきものです。 しかし、守るべきものそれだけでしょうか私たちは、「生命財産を守る」というとき、財産を「個人の家や持ち物公共建物設備」と捉えがちです。しかし、いろいろな方々からお話を伺ううちに、人吉・球磨地域生きる人々にとっては、球磨川そのものが、かけがえのない財産であり、守るべき「宝」なのではないか思うに至ったのです。 — 熊本県知事熊本県平成20年9月定例県議会 -3.私の判断 この判断について、知事は「『洪水治める』発想から脱却し洪水共生する』という新たな考え方立脚すべき」と述べており、ダム事業のみならず球磨川流域における治水事業への新たな指針を示すものであった。なお、知事国土交通省から提示され穴あきダム案については「ダムによらない治水案を追求した結果提示されたものかどうか疑問」として、ダム事業の是非の判断材料とはしなかったとしている。 こうした人吉市相良村姿勢従来ダム推進」で一本化していた球磨川流域自治体動向にも影響与えた山江村は「賛成」から「中立」へと態度変えあさぎり町錦町は「人吉相良考え尊重する」として同調する姿勢見せた推進表明していた下流最大受益地八代市2009年平成21年8月行われた市長選挙当選した福島和敏市長が「ダム建設反対方針明確にし、流域ダム建設否定的になりつつある。一方で最大水没予定地となる五木村熊本県人吉市相良村の対応に猛反発し、従来どおりダム建設推進五木村大会において全会一致訴えている。この中で「仮にダム建設中止となった場合五木村立村計画を県が肩代わりしてくれるのか、財政厳しい県が行えるのか甚だ疑問だ」として知事姿勢厳しく批判している。その一方で国土交通省が「ダム中止となれば再建対策を行うことが難しくなる」と発言したことにも村民から反発の声が挙がった。また球磨村は「慢性的に水害被害受けており、対策としてはダムによる水位低下しかない」として人吉市などに反発水上村も「ダム推進長年一致してきたのに、この一ヶ月全て崩れるのは悲しいことだ」と懸念示している。徳田相良村長は五木村対しダム反対」の姿勢同調するよう訴えているが五木村との溝は深くダム問題地域間新たな対立生み出す可能性秘めている

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