統帥権干犯問題とは? わかりやすく解説

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統帥権干犯問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:48 UTC 版)

鳩山一郎」の記事における「統帥権干犯問題」の解説

1930年昭和5年)、第58帝国議会ロンドン海軍軍縮条約批准をめぐる論議では軍縮問題内閣云々することは天皇統帥権干犯に当たるとして犬養毅総裁とともに濱口内閣攻撃濱口首相狙撃事件遠因となったまた、この時期政友会田中義一及び犬養後任鈴木喜三郎両総裁の下でリベラル派屈服させられ右派・親軍派が主導的になっていったとする見解もあり、この説を採用するならば、義兄鈴木入党田中仲介したとされている鳩山結果的にはこうした動き加担してしまったことになる。 さらに第2次若槻内閣末期には山本悌二郎森恪と共に陸軍首脳であった永田鉄山今村均東條英機らに倒閣持ちかけるといった、議会人として極めて問題のある行動にも及んでいた。 こうした行動戦後になってGHQから「軍部台頭協力した軍国主義者」として追及され公職追放一因となった統帥権干犯論は議会の軍に対すコントロール弱める結果となり、これを根拠として軍部政府決定方針無視して暴走し始め以後政府はそれを止める手段を失うことになって行く。

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統帥権干犯問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:46 UTC 版)

犬養毅」の記事における「統帥権干犯問題」の解説

1930年先の選挙大敗北した犬養総裁とする立憲政友会は、ロンドン軍縮条約攻撃した政友会総裁は、「艦種選択力量決定作戦計画成りまったく専門的知識俟つべきものである然して専門家の説を徴するこれでは国防危険なりとの定論である。 果して然らば国家安危係るところで、真に憂慮堪えぬのである」と演説した。 この「専門家の意見」は海軍軍令部意見であった。 このとき政友会ロンドン軍縮条約に不満の軍令部通じて財部彪海軍大臣窮地に陥れて浜口内閣倒閣ようとしていた。 政友会のこの野心見抜いていた海軍軍令部長加藤寛治大将軍令部次長末次信正らの軍令部首脳は、政友会利用して批准を遮ろうとした。彼らは海軍軍縮会議からの脱退目論んでいた。 これに対し浜口雄幸首相は、軍部硬化顧慮し正面から対決せず手続き論で乗り切ろうとした。 しかし、議会のこの統帥権論議は「尽忠精神」に燃え海軍軍人に強い衝撃与えた。 その下地にはワシントン軍縮条約など国内外による軍縮への反撥があった。 陸軍もまた大正十四年、宇垣一成陸軍大臣第一次加藤高明内閣)の下で四個師団廃し、2,000人あまりの将校馘首された苦い経験があったため、海軍態度同調した宇垣軍縮)。 上記のように第58帝国議会論争で、政友会軍部主張容認するのような立場から、浜口内閣ゆさぶりをかけた。犬養政友会総裁として代表質問に立ち、軍令部反対する兵力量では国民は安心できない政府詰めよった。総務鳩山一郎は、政府軍令部長意見反し、またはこれを無視して回訓決定したのは統帥権干犯おそれがある政府非難追及した日露戦争以来軍部統帥権独立を盾に、議会統制極力無視し、 軍の思うがままに国政左右しようとする衝動絶え持っていた。 犬養は必ずしも反軍的な政治家ではなかったが、古参政党政治家として軍縮等を主張してきた。その彼がこの軍の非立憲主義的衝動知らないはずはなく、兵力量の決定という最も重要な国務内閣所管外であるかのように説いたのは、政党政治家の自殺行為等しいものだった。この点、当初から親軍であった鳩山一郎森恪統帥権干犯主張するのとは異な重みがあった。 実際に、自らが首相になって軍縮をしようとした2年後1932年五・一五事件統帥権独立呼号する軍部によって、その生命絶たれたのは歴史の皮肉だった。

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統帥権干犯問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 18:52 UTC 版)

統帥権」の記事における「統帥権干犯問題」の解説

統帥権干犯問題とは、明治憲法第11条もしくは第12条)の権能が、軍令事項国務大臣輔弼必要でない軍令専権事項)なのか軍政事項なのか、それとも両者を含むものなのかという解釈めぐって争われ問題である。1930年昭和5年)のロンドン海軍条約批准をめぐり問題表面化した

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