第四期:中村竹四郎時代 昭和5年~昭和35年とは? わかりやすく解説

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第四期:中村竹四郎時代 昭和5年(1930)~昭和35年(1960)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 01:55 UTC 版)

便利堂」の記事における「第四期中村四郎時代 昭和5年(1930)~昭和35年1960)」の解説

三郎病没後を引継いだのが、四兄弟末弟の四男竹四郎である。戦時中及び戦後しばらくの苦難の中で様々な事業展開する三人兄たちが創り上げてきた便利堂基礎最大限生かし更なる事業展開を推し進めていったのである便利堂古美術複製制作技術力は皆の周知するところであることから、昭和3年(1928)に「貴重図書影本刊行会」を発足した。これは日本の古典研究大きな寄与もたらしたのだったコロタイプ印刷による複製緻密さだけでなく、用紙装幀に至るまで原本彷彿とさせることを主眼としていたのだが、その出来栄えが各研究者の目に留まり、会として多く複製品制作用命受けた宮内省(現宮内庁)からは「看聞日記48全巻複製を、また、静嘉堂文庫立命館大学などからも制作依頼があり、刊行会として32種類もの複製品制作した。さらに特筆されるのは、京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学編纂の『日本名画譜仏画篇』である。昭和4年(1929)に第一輯が刊行され残念ながら戦時中混乱二十をもって未完となったのだが、その評価は高いものであった。それを伝え大佛次郎雑誌寄稿雑誌苦楽昭和23年2月号)によると「終戦以来アメリカ人の客がいろいろと我が家に来る。~中略戦前から少しよい製版だと英国刷ったとか独乙刷った明記してあったことは僕ら知ってゐる。それが便利堂色刷見せると驚嘆するのである異口同音に彼らは云う日本でこんな印刷ができるのか。」とある。そして、便利堂として最も知られ事業のひとつでもあるのが「法隆寺金堂壁画原寸大撮影事業コロタイプ複製事業」である。日本の文化保存歴史においても一大事業であり、当時考え得る最高の技術結集して取り組まれ、その中核便利堂担ったのである昭和10年(1935)に撮影された、壁画原寸大12すべての箇所精密に撮影した全紙サイズ(457×560mm)のガラス乾板363にも及び、今も一枚欠けことなく法隆寺に遺されている。また竹四郎発案で、原色版色分解撮影同時に行ったそのことはのちの昭和24年1949)に金堂焼失し原本彩色確認できなくなったうえで貴重な資料となっている。このことが理由中心となり、竹四郎昭和34年1959年)に文化功労者として表彰された 。そして撮影事業からちょう80年経った平成27年2015)には、これらの写真原版国重要文化財指定された。その理由として以下の事項あげられる。1)大型撮影機使用し、高い撮影技術駆使して細部に至るまで巨大な壁画精緻な記録作成成功した。2)後の模写作成基礎資料として活用された。3)国宝保存法下の国直営の国宝保存事業成果である。4)古代東アジア代表する仏教絵画である法隆寺金堂壁画の最も高品質写真原版である。さらに、現在にも続く便利堂事業として、昭和11年1939)には、大阪市立美術館開館際し美術絵はがきなどを販売する常設店設置昭和15年1940)には、東京帝室博物館(現東京国立博物館)にも常設売店設置した。今で言うミュージアムショップ草分けである。昭和19年1944)には、印刷出版兼業許されなくなった戦時中出版統制により、美術出版名門として『真美大観』を刊行した審美書院など同業6社を統合して東京に「株式会社美術書院」を設立し、竹四郎代表者となった戦後昭和24年便利堂吸収合併)。

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