国宝保存法
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国宝保存法 | |
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![]() 日本の法令 | |
法令番号 | 昭和4年法律第17号 |
提出区分 | 閣法 |
種類 | 行政手続法 |
効力 | 廃止 |
成立 | 1929年3月12日 |
公布 | 1929年3月28日 |
施行 | 1929年7月1日 |
主な内容 | 建造物、宝物等の保存 |
関連法令 | 文化財保護法 |
条文リンク | 官報1929年3月28日 |
国宝保存法(こくほうほぞんほう、昭和4年3月28日法律第17号[1])は、日本の文化財保護に関する、廃止された法律。
1929年(昭和4年)7月1日施行。古社寺保存法 (こしゃじほぞんほう、明治30年6月10日法律第49号)を引き継いで制定され、 1950年(昭和25年)8月29日、文化財保護法施行に伴い廃止された。条文は25条で、関係省庁は大蔵省、文部省。
概要
従来の古社寺保存法では、古社寺の建造物及び宝物類で、「特ニ歴史ノ証徴又ハ美術ノ模範」であるものを「特別保護建造物」または「国宝」に指定し、保護してきた。
国宝保存法では、古社寺の所有要件をはずし、国有、公有、私有であっても「国宝」の指定対象になった。また、古社寺保存法時代の「特別保護建造物」は「国宝」と称することとした。
文化財保護法施行に伴い、国宝保存法時代の「国宝」は、文化財保護法の規定による重要文化財に指定したものとされた。文化財保護法の規定による国宝との混同を避けるため「旧国宝」といわれる場合がある。
勅令
- 国宝保存法施行令(昭和4年6月29日勅令第210号)
- 国宝保存会官制(昭和4年6月29日勅令第211号)
出典
- ^ 官報1929年3月28日 『法律 / - / 第17号 / 國寶保存法/p759』
関連項目
外部リンク
- 国宝保存法 御署名原本
JACAR(アジア歴史資料センター)Ref. A03021713900、御署名原本、昭和四年法律第一七号(国立公文書館) - 戦災による旧国宝保存法の建造物
国宝保存法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:54 UTC 版)
古社寺保存法の指定対象は社寺所有の物件に限られており、社寺以外の法人や国、地方公共団体、個人などが所有する物件は対象外だったため、昭和恐慌の際に旧大名家などが所蔵する宝物類が散逸するおそれが生じた。その頃明治初年以降放置されていた城郭建築を保存する必要も出てきたことで、1929年(昭和4年)に国宝保存法が制定された。古社寺保存法では特別保護建造物と国宝に分かれていたものを統一し、同法では文部大臣が建造物、宝物その他の物件を国宝に指定するとし、国宝の移出や現状変更は文部大臣の許可制とすることなどが定められた。施行時に国宝とされた物件は宝物類3,704件(絵画754件、彫刻1,856件、書跡479件、工芸347件、刀剣268件)、建造物845件(1,081棟)であった。 その後金解禁等の混乱を経て円価が下落すると未指定の古美術品の海外流出が続出した。1933年(昭和8年)、こうした事態の防止を目的として、認定物件の移出を許可制とすることなどを定めた重要美術品等ノ保存ニ関スル法律が制定された。海外流出を防ぐために迅速な調査が行なわれたため、文化財としての価値が定まっていないものも多数重要美術品の中に混在することとなった。同法は一時的危機に対処するための臨時の措置とされていたが、戦後の文化財保護法制定まで継続され、廃止時には認定件数は約8,200件に達した。
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