看聞日記とは? わかりやすく解説

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かんもんにっき【看聞日記】

読み方:かんもんにっき

室町時代後崇光院(ごすこういん)の日記応永23文安5年141648)の日記41巻と応永15年1408)の御幸1巻別記1巻目録1巻の計44巻。当時宮廷幕府世俗出来事などを記す。看聞御記


看聞日記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 06:17 UTC 版)

『看聞日記』自筆本

看聞日記』(かんもんにっき)は、伏見宮貞成親王(後崇光院、1372年 - 1456年)の日記

概要

貞成親王は伏見宮3代で、後花園天皇の実父にあたる人物である。

日記41巻と御幸記1巻、別記1巻、目録1巻から構成され、全44巻から成る。一部は失われているが、原本は宮内庁書陵部に所蔵されている[1]応永23年(1416年)正月1日より文安5年(1448年)4月7日まで33年間に渡る部分が現存する[2]。『看聞日記』は宮内庁書陵部所蔵の貞成親王自筆の原本の巻頭に書かれている題名で、一般には『看聞御記』(かんもんぎょき)とも呼ばれる。

原本の応永32年(1425年)12月30日以前の部分については各日付で記録した日記そのものではなく、それ以降のある時点で貞成親王自身の手で書き写されたものであることが紙背文書の時期や筆致によって確認できる[3]。またその後、応永33年・34年・正長元年(1426年 - 1428年)の3か年分を欠く[4]。正長2年(1429年)3月9日以降の部分については清書の形跡は確認できない[5]。なお一部については妻の庭田幸子による代筆という説がある[1]

内容

日付け、天候、続いて朝廷の政事・人事、将軍足利義教時代の幕政や世相、貞成親王の身辺のことなどが記されており、政治史だけでなく文化史においても注目される[6]

刊本

1930年(昭和5年)に続群書類従完成会により宮内庁書陵部所蔵原本が翻刻され、以来室町期の政治・社会・文化を知る史料として活用されている。

宮内庁書陵部 編『図書寮叢刊 看聞日記』(一)~(七)、別冊、明治書院発行

原本写真版

脚注

  1. ^ a b 薗部 2024, p. 4.
  2. ^ 横井『貞成親王と『看聞御記』』〈看聞御記 「王者」と「衆庶」のはざまにて〉、11-12頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12270309/1/10?keyword=応永二十三年 
  3. ^ 横井『日次記の清書』〈看聞御記 「王者」と「衆庶」のはざまにて〉、239-240頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12270309/1/124?keyword=清書し直した 
  4. ^ 横井『三か年の『看聞御記』は欠けている』〈看聞御記 「王者」と「衆庶」のはざまにて〉、238頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12270309/1/124?keyword=三か年の 
  5. ^ 横井『清書し直された形跡は無い』〈看聞御記 「王者」と「衆庶」のはざまにて〉、240頁https://dl.ndl.go.jp/pid/12270309/1/125?keyword=正長2年 
  6. ^ 薗部 2024, p. 3.

参考文献

  • 横井, 清『看聞御記 「王者」と「衆庶」のはざまにて』そしえて〈日記・記録による日本歴史叢書〉、1979年12月25日。doi:10.11501/12270309 (要登録)
    • 改題『室町時代の一皇族の生涯 「看聞日記」の世界』 講談社学術文庫、2002年。
  • 薗部寿樹『看聞日記とその時代』勉誠社、2024年10月30日。ISBN 978-4-585-32059-3 

関連項目



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