現行のメインブランド・商標
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 07:22 UTC 版)
「パナソニックホールディングス」の記事における「現行のメインブランド・商標」の解説
Panasonic(パナソニック) PanaSonicから。「全ての」の意のギリシア語「PAN」と「音」を意味する英語「SONIC」からなる。海外で「National」の商標が登録されていたことと、「ナショナル」という響きが「国家主義」と取られかねないために海外向けのブランドとして制定。「松下電器の音をあまねく世界へ」という意味が込められている。 1955年に輸出用スピーカーのブランドとして用いられたのが初めで、1961年から対米輸出品に用いられた。ただし、1955年当時は「PanaSonic」、1961年からは「PANASONIC」であった。 1971年に表記を現在の「Panasonic」へ変更。フォントはHelveticaファミリーの一つ「Helvetica Black」を使用。欧米で最も有名なサンセリフ体を使うことで、Helveticaを見るたびにPanasonicを想起することを狙ったもの。定番書体を逆手に取った戦略である(1973年以降の「National」も同じフォントを使用している)。 2008年7月以降、現在では全世界的に全ての部門において「Panasonic」に統一されている。グローバルブランドスローガンとして「Panasonic ideas for life」を導入し、2013年3月末まで使用されていた(なお、このスローガンは国際的に「Panasonic」ロゴの下に表記されるが、CEATEC JAPANといった大規模展覧会やアメリカとカナダでは「Panasonic」ロゴの下ではなく、右側に表記される)。 日本国内では、1927年に始まった「National」(1973年までは大文字の「NATIONAL」表記がされることもあった)ブランドと1965年に始まった「Technics」ブランドを使用していたが、日本国外で商標権の関係から使用できないこと、保守的なイメージの刷新を狙うという理由で、1986年から「Technics」ブランドの領域となる高級オーディオ部門を除く映像・音響機器部門(放送業務用機器も含む)に「Panasonic」ブランドの使用を開始した。この後20年以上に渡り、白物家電部門や松下電工(当時)などの「National」ブランドと、映像・音響機器部門の「Panasonic」ブランド、および高級オーディオ部門の「Technics」ブランドが併用されていたが、2008年10月1日に社名を「松下電器産業株式会社」から「パナソニック株式会社」に変更すると同時に、「National」ブランドを廃止し、全ての部門を「Panasonic」ブランドで統一した。 社名変更直前の2008年9月当時では、松下電工製品を含め、電子機器、制御機器、カーナビや盗難防止装置などの自動車用電化製品、通信機器、電気鉛筆削り機などにも「Panasonic」が使われていた。なお、1960年代 - 1970年代にかけて、国内で販売されるトランジスタラジオに「NATIONAL PANASONIC」(1973年以降は「National Panasonic」)を使用(1960年代後半にはトランジスタテレビにも使用)。2003年4月までは「National/Panasonic」という表記もされていた(保証書では表記されているものもある)が現在は併記はされず、「National」「Panasonic」を使用する。 このパナソニックというブランド名があったためか、電産・電工の商品名に「パナ○○」(パナカラー、パナホーム、パナコラン(高周波治療器。細川隆一郎の「パナコランで肩コラン」というテレビCMでも有名になった)、パナピック(レコードシートを応用した製品)など)といったものが多くつけられていた。 なお、「パナソニック」は香港の関連会社「信興集団」の販売品では「楽声牌(樂聲牌/乐声牌)」と表記され、台湾では「国際牌(國際牌)」と表記される場合がある。楽声牌の牌は省略されることもある。 Technics(テクニクス) Hi-Fiを追求した高級オーディオ機器ブランド。ブランド名の由来は、パナソニックによると、原音を忠実に再生する「テクノロジー」に基づく造語で、ハイクオリティな音づくりにこだわる思いを象徴したもの、としている。 「Technics」ブランドの立ち上げに携わった石井伸一郎によると、「Technics」の命名に際しては、石井の上司であった阪本楢次と石井で和英辞書を引きつつ、「技術」を意味する"Technic"の次に並ぶ「Technics」に目が止まり、迷い無く決定したという。 1965年に発売された密閉型2ウェイ2ユニットスピーカーシステムTechnics 1がブランドの第一号機で、1970年には、世界初のダイレクトドライブ式ターンテーブル「SP-10」を発売。市場には大きな驚きを持って迎えられ、「Technics」の名が世界に知れ渡ることになった。 1975年には、独自に提唱した「リニアフェーズ理論」に基づき設計された世界初のリニアフェイズスピーカー「Technics 7」を発売するなど、オーディオ史に多大な功績を残した。 2000年代に入り、音楽配信サービスの台頭や、非可逆圧縮音源の普及が高級オーディオへの逆風となり、競合各社がオーディオ部門の縮小・撤退を進める中で、「Technics」ブランドも年々事業規模が縮小され、2005年末にはDJ機器にのみ使用されるブランドになっていた。 2008年の社名変更およびブランド統一に伴い、「Technics」ブランドの製品も「Panasonic」ブランドに統一となり、2010年12月をもって「Technics」ブランドの全ての製品は生産終了、1965年から用いられてきた「Technics」ブランドは一旦は終止符を打つことになった。 なお、かつて日本国内で音響機器へ「Panasonic」ブランドが投入される前は比較的低価格の音響機器にも「Technics」ブランドは使われており、「Panasonic」ブランド投入以降は「Panasonic」ブランドはメインストリーム(ゼネラルオーディオ)、「Technics」ブランドはハイエンド(高級オーディオ)といった位置づけとなった。姉妹ブランドとして電子オルガンのテクニトーンも存在していた。 しかし、「Technics」ブランドの終息後もオーディオに関する研究は続けられ、近年は通信回線の高速・大容量化によりハイレゾリューションオーディオが話題になりつつあることが追い風となって、2013年にはTechnics復活プロジェクトが正式に社内で立ち上がり、研究開発が行われた。 そして、2014年9月に開催されたIFA 2014にて「Technics」ブランドの復活を正式に発表した。2014年度中には「Technics」ブランドの新製品が発売される予定となっている。 松下電器産業時代は「National」とも「Panasonic」とも異なる専用のブランドとして展開されたのに倣い、再展開される「Technics」ブランドも「Panasonic」ブランドとは異なる個別ブランドとして展開され、「Technics」ブランドの製品には「Panasonic」のロゴは入らない。 「Panasonic」ブランドのサブブランドではなく、個別ブランドとして展開するのは、2014年10月現在、唯一「Technics」だけである。 詳細は「Technics」を参照
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