現行のプロセッサ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 07:19 UTC 版)
SPARC (サン・マイクロシステムズ、富士通) バークレーでの研究は直接製品化されることはなかったが、サン・マイクロシステムズはRISC-IIのデザインを使ってSPARCを開発した。また、Pyramid Technologyもミッドレンジのマルチプロセッサ機に使用した。他にも多くの企業がRISC-IIのデザインを利用した。これはサンの新たな機種で広く使われ、RISCの効果を世に知らしめた。これにより、サンは急速に成長し、ワークステーション市場をほぼ独占することになった。しかし1990年代後半にワークステーション市場はX86アーキテクチャのPCに敗れ去り消滅した。現在では同社および共同開発の富士通のサーバ専用に少数が生産されている。 MIPS ジョン・ヘネシーは一時期スタンフォード大学を離れてMIPSの商用化設計にとりかかるためミップス・コンピュータシステムズという企業を設立した。最初の製品は第二世代のMIPSチップR2000であった。MIPSのデザインはプレイステーションやNINTENDO64などのゲーム機でも使われ、最も多く出荷され使われたRISCチップとなった。現在では組み込みシステム用のハイエンドのプロセッサとして有名である。 POWER、PowerPC (IBM) IBMはRT PCでの失敗を教訓として次期マシンRS/6000のベースとするためにPOWERアーキテクチャを設計した。POWERを小規模化したPowerPCでは、IBM固有の様々な命令が排除されてシングルチップ化された。PowerPCはデスクトップ向けでは1994年より2006年までMacintoshに使われた。PowerPCコアは、東芝などと共同開発のCellを含め、スーパーコンピュータから組み込みシステムまで幅広く展開し、据え置きのゲーム機にも多く使われている。 ARM (Acorn→ARM Ltd) ARM1~3がAcornのArchimedesなどに搭載された後に、AppleとNewton向けプロセッサの共同開発を進めるためプロセッサ開発部門がARMとして独立。RISC-CPUの中でも特に低消費電力に注力した設計をもつ。組み込みシステム向けとして各社にライセンス展開し、携帯電話をはじめとした組み込み向け市場では圧倒的なシェアを誇る。サーバファームやニンテンドーDSなどの携帯ゲーム機にも利用される。近年はAndroidなどのモバイルプラットフォームの成長に伴い、iPadなどのタブレットコンピュータにも多く採用されている。 SuperH (日立製作所→ルネサス エレクトロニクス) 組み込みシステム向けで、SH-1~SH-5がある。コードサイズの効率化を狙って固定命令長を16ビットとした。このコンパクトな命令セットは他社の命令セットにも影響を与えた。セガのゲーム機にも使用された。 OpenRISC(OpenCoresコミュニティ) オープンソースハードウェア。ハードウェアのデザインはGNU LGPLで、モデルとファームウェアがGNU GPLでそれぞれ公開されている。 RISC-V (カリフォルニア大学バークレイ校) オープンでフリーの命令セット。ハードウェアの実装は、企業、開発者によって行われている。 V850 (NEC→ルネサス エレクトロニクス) M32R (三菱電機→ルネサス エレクトロニクス) Atmel AVR ESi-RISC
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