特徴・武装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 01:35 UTC 版)
一般的に指揮通信車は既存の装甲戦闘車両(主に車内容積の広い装甲兵員輸送車か歩兵戦闘車)に通信機材などを追加する形で開発されることが多いが、本車は当初から通信機能に特化した車両として開発された。 3軸6輪駆動による装輪式を採用し、前2軸がリンケージ・ステアリング方式による操舵機能を有する。変速機は前進6段、後進1段に、副変速機2速が組み合わされる。サスペンションはトレーリングアーム方式である。また水深1m程度の渡河能力を有している。 前部の操縦室はペリスコープではなく防弾ガラスによる直接視察方式となっている。その操縦室上面には2つのハッチがあり、助手席側にあたる部分に銃架が設けられ、開発当初は62式7.62mm機関銃を設置できるようになっていたが、同機関銃の更新に合わせて5.56mm機関銃MINIMIを装着することができるよう変更されている。また、操縦席前面と左右側面の窓には、装甲板が取り付けられており、必要に応じて開閉が可能である。操縦室より後ろの車体部分は高張力鋼製の全溶接構造を採用している。車体両側面と後部には横ヒンジ式のドアが設けられてあり、乗員の乗降ができるほか開け放って外部に擬装網を展張した上でテーブルを置くなどし、指揮通信のスペースを広げることもできる。 操縦者は車体側面から車体上部に登り、操縦席上部のハッチから出入りする。車体前部右側に操縦士席があり、前部と後部は通路で繋がっており、通路左側にエンジンがある。車体後部の容量確保のため、トランスミッションなどの駆動機構一式は車両前部下側に集約されている。後部乗員席には指揮通信要員が6名搭乗できる。車体の中央部から後部にかけては一段天井が高くなった指揮・通信室があり、内部には車内前方の地図用ボード側面に折り畳み式のテーブルを有し、車両無線機、中無線機、軽受信機、交流発電機が各部に配置されている。発電機はエンジン停止中でも作動させることが出来、車両左後ろの上部に排煙用の蓋が設けられている。また、戦闘室の上面にある2つのハッチのうち、右側には銃架が設けられており、12.7mm重機関銃M2を据え付けられる。反対側のハッチにはペリスコープが設けられているので、車内より全周を視察することが出来る。 サイドウォール強化型コンバットタイヤを装備しており、不整地走行による空気圧低下に際してもグリップが維持できるようになっている。しかしながら車両に合うスタッドレスタイヤが無いため、冬季の移動は夏タイヤにチェーンをはめて走行をする。 後に本車輌をベースとした87式偵察警戒車と化学防護車が開発された。また、同じく小松製作所が製造している96式装輪装甲車の開発にも経験が活かされ、開発期間の短縮に繋がった。 現代でも一線装備として使用されているが、増大する情報量への対応、指揮通信要員が携帯式のパソコン等を持ち込んで処理するなど、開発時とは様相が変化してきたため車内の容量は圧倒的に不足しており、また10式戦車に代表されるC4I機能への対応、連隊指揮システムの導入も進められてはいるものの、未だ配備全数は対応していない。このため96式装輪装甲車にモニターや机等を設置して指揮車両として用いる場合がある。 左後部より 第6師団同付隊の車両 観閲部隊指揮官搭乗車両(普通科教導連隊)
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特徴・武装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/16 22:48 UTC 版)
走行する96式装輪装甲車 後方より 自衛隊の装甲兵員輸送車として初の装輪車両である。 8輪のコンバットタイヤを装備し、パンクなどで全て脱気してもある程度の走行を継続できる。CTIS(中央タイヤ圧システム)と呼ばれる空気圧調整装置により、状況に応じて空気圧を変更することが可能。通常は前から数えて第3軸と第4軸が駆動するが、全軸駆動に切り替えることもできる。方向転換は前方の第1軸と第2軸で行う。 車体は圧延鋼板による溶接構造で、装甲防御力について防衛省は公開していないが、小銃弾や砲弾破片程度は十分に防御できる装甲であるが、大口径の重機関銃等には対応できない。 乗員配置は前方から右側に操縦士席、後方にキューポラをそなえた銃手席、左側に分隊長兼車長席、後方に左右それぞれ6名、合計12名分のベンチシートが向かい合わせに並ぶ後部乗員席をそれぞれ備える。操縦士及び銃手席の左側は消火装置を備えたエンジンルームで、消火装置は車内外両方から作動が可能である。 エンジンは三菱ふそうトラック・バスのザ・グレート、スーパーグレートなどと同じ6D40 4サイクルディーゼルエンジンで、トランスミッションと一体化されたパワーパックとなっている。 後部乗員室後端部の後部ハッチの両脇上部に左右各1基の換気装置を備える。NBC兵器防護のための空気清浄機も搭載され、作動時は空気配管とガスマスクの付属品であるゴムホースを介して、各人が装着するガスマスクに直接、清浄な空気を供給できる。ベンチシート後端の足元にあたる部分に左右各1基のヒーターがある。また元々クーラーは装備されていなかったがII型には吊り下げ式のクーラーが左側の中央付近の天井に1基装備される。内部容積は73式装甲車と比較して広くなり、後部ハッチと床面部分をのぞくほとんどの内面にクッション材が内張りされたことで、車内の居住性と静粛性が向上した。 移動間は分隊長・車長などが交代で車両上部から周囲の安全確認を行わなければならない。
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