帝とその関係者
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「うたわれるもの 偽りの仮面」の記事における「帝とその関係者」の解説
帝(ミカド) 声 - 木村雅史 ヤマトを統治し、絶対的権力を持つ人物。老人の姿をしており、足が不自由で車椅子を使っているが、数百年生きているといわれている。帝都には壮年時の帝の像があるほか、姿絵なども出回っているが、現在は長らく一般庶民の前には姿を現していない。 聡明で博識な賢君として、諸将の忠誠を一身に集める大人物であると同時に、ヤマトの民からは現人神、太陽のような御方として崇拝されている。帝本人は威厳があるものの穏やかで、滅多に怒ることはないが、帝の意向に逆らうことは許されないことと、ヤマトの民には考えられている。 オシュトルがハク一行を都へ導いた直後、ウルゥル、サラァナよりハクについての報告を受け驚喜した一方、ハクが記憶を失っていることも知らされて、しばらく様子を見ることにする。そこでハク達が帝都に到着してからしばらくして、ウルゥル、サラァナを使ってハクを、聖廟にある庭園へと呼び出すと、「チリメン問屋の隠居のミト」と名乗って正体を隠し、ハクから、記憶を失って目覚めた後に起こったことなどの身の上話を聞いている。 アンジュの狂言による誘拐騒動が一段落すると、アンジュを救出した(ということにされた)ハクを、帝として宮廷に呼び出し、“褒美”としてウルゥル、サラァナを下賜した(真の目的は、ハクの護衛および自分との連絡役を務めさせるため)。その後も時折「ミト」としてハクを呼び出し、茶や酒などを飲みながら話をしている。 ゲーム版ではハク達がタタリの正体を目の当たりにするウズールッシャの遺跡の調査の後、ハクに自らの真実を明かす。 その正体は旧人類(オンヴィタイカヤン)の生き残りで、ハクの実の兄。過去に起きた旧人類がタタリへと変貌させられた災厄を目の当たりにし、そこから生じた人類同士の殺し合いからただ一人逃れた。自分がタタリになるのが避けられたのは、自分自身を基礎体力向上などの被験者にしたためではないかと自ら推察している。同時にこの研究は意図せず、寿命を通常の人間よりもはるかに伸ばすことにも繫がった。 その後アマテラスの制御を取り戻して地上環境を整え、地上に出ることに成功するが、孤独のあまりデコイを作って文明を起こさせ、今に至るまで生き延びてきた。それから旧人類復活と、眠りにつかせていたハクの捜索のため、ヤマトを建国して敵対勢力を排除し、占拠した各地の遺跡から得られた情報を元に、研究を続けていた。 だが、延びた寿命をもってしても老化は避けられず、残りの命は短いものとなりつつある。ヤマトの帝の座はアンジュに継承させる一方、最後に残った人として、自分が行ってきた研究をハクに委ねようとする。トゥスクルの先皇の陵とされる、旧人類の過去の研究所であった遺跡があるオンカミヤムカイの調査を要望し続けたが断られ、自らの最後の成すべきこととして、ヤマトの軍にトゥスクルへ侵攻を命ずる。しかし侵攻の最中に突如として崩御。その後の薬師の調査で、毒を盛られたと言われており、その容疑者としてオシュトルとホノカの名が上げられることになった。アニメ版 帝の死因は語られておらず、帝殺害の容疑者とされているものはいないが、(弟の)ハクはタイミング的にアンジュ暗殺事件と連動した謀略とみなし、(オシュトルの姿で)帝族抹殺によるヤマト簒奪の為の謀略と断じて帝室復権の為の蜂起を促すプロパガンダとした。 アンジュ 声 - 赤﨑千夏 ヤマトの皇女。ヤマトの多くの民から愛されている一方、子供らしく天真爛漫で時に我が儘な振る舞いを行い、世情にも疎いため、たびたび周囲を困らせるところがある。皇女とはいえ厳しく育てられており、ムネチカに尻を叩かれて説教されることなどもある。 皇女の聖誕祭が行われたときハクたちは、薄布に隠れていたアンジュの顔をよく見ることができなかった。その後、ハクがオシュトルに雇われていることを知ったアンジュは、オシュトルに会おうとして白楼閣に現れるが、ルルティエが作った菓子を勝手に食べるなど、好き放題にしていた。この時、アンジュが皇女だとすぐに気付いたのはネコネだけである。この時はアンジュ自身の発言から、彼女が「皇女」という立場が使えないよう追い詰めたクオンによって絞られ、捨て台詞を吐いて逃げ帰っている。だがその後も菓子などを目当てに、宮廷を抜け出しては白楼閣に姿を現している。 また白楼閣の詰め所にいたとき、ルルティエが隠していた本を見つけ、どこまで内容を理解しているのかは不明だが「男同士の友情」の素晴らしさに目覚めている。 よく、帝都の外の話をしてくれたオシュトルに好意を抱いている。オシュトルは立場もあるため好意に気付かぬふりをしているが、そのことが理解できず不満。そんな話を白楼閣でしていたとき、アトゥイが語った「誘拐された女を助ける男の物語」を聞き、狂言誘拐として実行しようと考えるが、アンジュを知る皆に「自分を誘拐する役」を断られたところ、アンジュの正体に気付かないノスリが突然その場に現れ、この話に乗ってしまう。その後、アンジュを「拉致していった」場所に実際にオシュトルが現れ、狂言誘拐という行動に走らせた「姫殿下の目を曇らせた責任」として右近衛大将を辞すると言い出したときは「余の悪戯で忠臣を失っては御父上に申し開きようもない」とさすがに反省し、オシュトルに頭を下げて詫びた。だがその後、さらにムネチカに尻を叩かれて絞られている。 聖誕祭の後は、滅多に民の前に姿を現さない帝の代理として、たびたび民の前に姿を現している。その後、父にあたる帝の急死により泣きじゃくっていたが、帝の後継者として泣いてばかりはいられないと決意したのもつかの間、オシュトルが用意したとされる、毒が盛られた茶を飲んで倒れてしまい、一命は取り留めたものの、意識が混濁し、さらに喉が焼かれて声が出せない状態となっている。だがどうにかハク達に救出され、エンナカムイへと運ばれた。 本人によると「天子」として祝福された存在のため、いくら食べても太らないなど特殊な体質であり、また常人なら死に至るほどの毒でもある程度耐えられるという。その正体は、帝の実娘が災厄でタタリへと変貌した後、帝が実娘の遺伝子を元に作りだしたヒト(デコイ)。 ホノカ 声 - 矢作紗友里 ヤマトの祭祀などを司る大宮司で、いつも帝の側に仕えている女性。アンジュの本来の教育係(東宮傅)でもある。ウルゥル、サラァナの母。 最初、「ミト」を名乗る帝の付き人として現れ、ハクに緑茶などを振る舞っている。この時ハクは、なぜかホノカに既視感を覚えるが、ホノカ自身はハクとは初対面と答えている。 その後、誘拐されたアンジュを“救出”したハクが、帝の前に呼び出されたときにも帝の付き人として現れ、「ミト」と「帝」が同一人物であるとハクが気付くことになった。 トゥスクル遠征軍出発後の帝の突然の死が毒殺だったことが判明すると、ホノカは帝暗殺の共謀を図った容疑者にされるが、エントゥアに対しハクに助けを求めるよう伝え、自分は姿を隠す。 その正体はアンジュと同じく、災厄でタタリへと変貌した、帝(ハクの兄)の妻であった、ほのかの遺伝子を元に作りだされたヒト(デコイ)で、外見も似ているためハクが既視感を覚えた理由だった。また帝の配下などの中で彼女およびウルゥルとサラァナだけ、帝やハクの正体などを詳しく知っていることが明示されている。アニメ版 帝が毒殺されたようには描かれていないためホノカは容疑者にはされておらず、宮廷に忍び込んだクオンらに、直接アンジュを委ねている。
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