大相撲解説者・キャスター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 09:12 UTC 版)
「舞の海秀平」の記事における「大相撲解説者・キャスター」の解説
現役時代の自身の取り口から立合い変化を肯定する論調が多い。また、小兵だった自身や均整の取れた体格のモンゴル人力士の躍進から、「相撲は体重ではないことを日本人力士は再認識して欲しい」と日本人力士の大型化に警鐘を鳴らすような発言も目立つ。小兵力士にしても技術が低下している現状を指摘している。 白鵬が張り差しやかち上げ、その他変則的な技を見せることに関しては「執念を感じる」として受け入れている一方で、白鵬に挑戦する力士が工夫を欠いていることを批判。 2017年7月場所前の時点では相撲界の将来について案じており「いつまでも白鵬、日馬富士、稀勢の里が優勝を争い、嘉風などのベテランも頑張っています。しかし、それは逆に言えば若い力の台頭がないからだとも言えます」「相撲の大会も体の大きい柔道部とか野球部の人間が駆り出され、その日だけで終わってしまいます。小学校のわんぱく相撲も同様で、そのあとまで相撲を続ける子供はあまりいません。子供にまわしをつけて、頭から当たれと指導したら、首が痛い、足が痛いとなるので、今の親はやらせないと思うんです」などという指摘をしている。同時に、中卒、高卒の力士に進学ができるようにサポートし、一定期間以上大相撲力士として協会に在籍した人物には補償金のようなものを引退時に与えるようにして引退後の生活をある程度保証する必要があるとアドバイスしている。 大相撲解説のほか、トリノオリンピック、北京オリンピックでは現地リポーターを務めた。 2009年1月場所前に進退問題の渦中にあった横綱・朝青龍の出羽海部屋での稽古を見学したが、その帰りに「まだ引退しないで下さいね」と声をかけると、朝青龍から「顔じゃないよ」(大相撲の隠語で「分不相応」の意。この場合「あなたに言われる筋合いは無い」といったニュアンスになる。)と言われた。 大相撲八百長問題に際して2011年3月8日に関西の報道機関などでつくる「関西プレスクラブ」の定例昼食会で講演して八百長問題について「お金をやりとりしてシステム化してやるのは論外」とした上で「人情相撲というか武士の情け、もののあわれを大切にするところが角界には昔からあった。ただ、世間がそれを許さなくなってきているのではないか」と私見を述べた。 現役時代、本場所終盤で自身の成績がよく、親交のある対戦相手が厳しい成績の時など、土俵上で相手に情が移って「そうこうするうちに負けてしまう時もある」と話し「当時は協会や師匠が厳しく、気力のない相撲をとるとすぐにしかられた。今の協会には無気力相撲に対する厳しさがなくなっているのではないか」と指摘した。 長年、大相撲中継の中で、北の富士勝昭と幕内取組の正面解説と向正面解説として、軽妙な解説と絶妙なコンビネーションで人気があり、中でも、NHK年末の大相撲特別番組『大相撲この一年』で、回顧している。2016年末の放送の中で、「大関稀勢の里を横綱にする会」を結成し、会長、副会長となっている。 2018年平昌オリンピックの開催が近づいた時期に相撲界の不祥事が噴出したことについては「角界の話題は安定した視聴率が取れるのだろう」と分析しており「講演の仕事で全国を訪れてもあまり不祥事に関する質問を受けることはない。本当に相撲が好きな人はあまり関心がないのか。一連の騒動に怒っている番組の出演者はそれほど相撲が好きではないのかもしれない」と自身のコラムで意見している。 2020年1月初頭に確認された石浦と宝香鵬の稽古場での殴り合い騒動については「私も現役時代、気に入らない力士や兄弟子がいて、やっつけてやろうという気持ちで稽古したことがある。殴り合いはよくないけど仲良しクラブになってしまうと、質の高い稽古ができなくなってしまう。悲しいかな、時代が変わってしまった」と同年1月場所中の記事で話していた。 2020年3月場所千秋楽のNHK大相撲中継で、朝乃山の大関取りについて問われて「北の富士さんのように3場所28勝で(関脇に)落ちずに横綱に駆け上がっていく人もいた。そういう出世の仕方を朝乃山には期待したい」とエールを送った。これに対して北の富士は「そういうことを言ったら、絶交だよ君は」と「3場所28勝」に反応して舞の海に憤慨していた。 2020年の角界で新型コロナウイルスを言い訳に稽古不足に甘んじる力士がいると指摘しており、朝乃山も若い衆としか稽古していなかったことを証言した。2020年11月場所の朝乃山に関しては転がって受け身を取る稽古の不足を指摘しており、休場に関しても「けがをするような動きには見えませんでした」と驚きを隠せない様子であった。そのようなことから「強制的にでも稽古に参加させて稽古日数を増やし、筋肉を鍛えないと本場所でお客様に見せることができない」と危機感を露わにした。 2021年3月場所3日目、NHK大相撲中継で「過去の横綱は自分の事情や感情よりも横綱の地位や名誉を大切に思ったからこそ、休ませてもらったらもう少しやれるのに、と思いつつも土俵を去った」という趣旨のコメントを残し、暗に休場を繰り返す白鵬や鶴竜を批判した。 2021年11月場所3日目のNHK大相撲中継の解説で「小錦関と相撲を取ったときに膝のけがをしたんですけど、また幕内に上がってきて対戦するときは怖かったですね」「本当に小錦関には申し訳ないですけど、テトラポットと相撲を取るような、この大きい人をどうやって動かしたらいいんだろう、そんなことを思いながら相撲を取ったことを思い出しました」と小錦との対戦を振り返った。 2022年1月場所14日目のNHK大相撲中継のラジオ解説で「自分のことを棚に上げて力士を厳しく言う解説者としか思われてないかもしれないですね」と自己分析していた。 2022年3月15日、大阪場所3日目。石浦が立ち会いの衝突で首を痛め、土俵の下でしばらく動けなくなり翌日から休場の怪我を負った。解説の舞の海秀平は、興業には流れがあり場が冷めるから礼をしてすぐ引き上げるべきと苦言をした。普段から嫌味の効いた発言で視聴者に不快な気持ちにさせるが、過去最悪レベルの失言からNHKの解説として問題ではと物議を醸している。
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