国際社会
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国際社会(こくさいしゃかい、英: International community)は、地政学や国際関係において、世界の幅広い人々と政府を指す用語。
概要
国際社会という用語は、概して特定の人権問題などについての共通の視点の存在を暗に意味するために使われる。政治家やコメンテーターなどは、この用語を使って必要なアクションを求める。例えば対象国での政治的抑圧であるとされている事に対して使われる。また、一般に論争点についての一致した視点(コンセンサス)を暗示するためにも使われる。主な例として、国際連合総会での信用性を高めるために使われている。
批判
- アメリカ合衆国の哲学者であるノーム・チョムスキーは、この言葉の用途について「アメリカ合衆国とその従属国と同盟国を意味する」と記している[1][2][3]。
- イギリスの学者であるマーティン・ジャックは、「我々は皆『国際社会』という言葉が意味するものを知っているはずだ。それは当然西洋のことで、それ以上でも、それ以下でもない。『国際社会』という言葉を使うのは、西洋に威厳を付け、世界的なものとし、より立派に聞こえるようにし、より中立で他より優越しているとする方法だ」と述べている[4]。
- フランスの作家であるピエール・コネサは、露宇戦争に関して「『国際社会』は姿を消しており、米欧日の西側は『国際社会』の言葉通りの広がりを失っている」と指摘している[5]。
脚注
- ^ “The Crimes of ‘Intcom’”. 2016年7月16日閲覧。
- ^ “Israel, US violators of international law, says Noam Chomsky”. The News Tribe. 2016年7月16日閲覧。
- ^ “Noam Chomsky on Iran”. 2016年7月16日閲覧。
- ^ Martin Jacques. “What the hell is the international community?”. the Guardian. 2016年7月16日閲覧。
- ^ ピエール・コネサ「[あすへの考]【ウクライナ侵略をどう見るか】「ソ連崩壊」に危機の起点」『読売新聞』2022年7月31日。
関連項目
外部リンク
国際社会
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「ロシアにおけるドーピング」の記事における「国際社会」の解説
まず、WADAがロシアに対する制裁について及び腰であった事に対する各界からの批判は多い。これについてWADA側は2015年迄は制裁を実行出来るほどの権威が無かったと述べている。2016年6月にはガーディアンが20を超える各国の選手のグループがトーマス・バッハ、クレイグ・リーディー相手に書状を出していたが、メディアが報じるまでは沈黙していたと暴露した。7月18日にWADAは「申し立ては知っていたが、今日出たマクラーレン・レポートを読んで、その規模に仰天した。」と述べた。これに対し、日本、オーストリア、オランダ、スイス、スウェーデン、スペイン、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、フィンランド、エジプト、ニュージーランド、カナダ、米国の各反ドーピング機構は、ロシアのリオデジャネイロオリンピックからの追放を主張した。これに対して及び腰のバッハに対して、パウンドは「国際オリンピック委員会は何らかの理由でロシアを完全に追放する事を避けようとしている。しかし彼らも組織ぐるみであまりに大規模だ。完全追放ではなく、"ロシア以外ならば"完全追放に舵を切るだろう。」と発言した。トロント・スターも「ロシアのやっていた事が追放を免れる程度の事でしかなかったのなら、これは驚くべき先例たりうる。」と記した。ケバン・ゴスパーは「ロシアのような重要な国について間違った判断をしないように注意すべきだ。」と述べたが、シドニーのデイリー・テレグラフは「どうやらこの世界には国と重要な国の二種類があり、尿検査の瓶も別々のようだ。」と揶揄した。 国際オリンピック委員会がロシアを完全追放しなかった事についても選手のみならずライターからも大きく批判された。ヨーロッパオリンピック委員会はロシアを「価値のあるメンバー」と述べており、彼らのサポートもあっての決定であった。ナショナル・ポストは「(国際オリンピック委員会は)また今回も超大国に対して何ら刄向わなかった。」 と記した。ヘイリー・ウィッケンハイザーは国際オリンピック委員会の人間であったが、「ロシアと取引しなければ国ごと出場禁止にするのはもっと簡単だったのではないか、と自分に問いかけている。答えがその通りであったらとても怖いと思わざるを得ない。」と述べた。ドイチェ・ヴェレは、バッハは初めの大きな課題で「落第した」と記し、「この決定は組織への信頼を大きく棄捐し、国家後援ドーピングブームが起こるだろう。」と綴った。ビルトはバッハを「プーチンのプードル」と呼び、デイリー・テレグラフは「(白地の旗を持つ)国際オリンピック委員会は白旗を揚げた。ロシアの裏の政治力がこの結果を出したのだ。」と記した。 13の反ドーピング機関は、国際オリンピック委員会が「選手からWADAの定める厳格な規定に則った試合に参加する基本的権利を脅かすものであり、スポーツを清廉潔白に保つという厳粛な決定ですらも商業的、政治的な要求でひっくり返るのであるから、独立性が欠如している事は明白である。」と声明を出した。WADAも「あくまで反ドーピング規定は今はただ規定でしかなく、従うも従わないも自由であるため、我々はただ国際オリンピック委員会にオリンピックまでもう時間がないという言い訳を一年近く言い続けさせる余地を与えたのだ。」と述べた。マクラーレンもこの決定には不満を示し、「これは国家ぐるみのドーピングや検査結果捏造であるにも関わらず、彼らは個人の問題に転嫁した。(中略)私が報告書で書いた内容とは逆の結論であり、ロシア以外の全ての国際組織からの信用を失う結果だ。」と述べた。
※この「国際社会」の解説は、「ロシアにおけるドーピング」の解説の一部です。
「国際社会」を含む「ロシアにおけるドーピング」の記事については、「ロシアにおけるドーピング」の概要を参照ください。
「国際社会」の例文・使い方・用例・文例
- 日本は国際社会でますます大きな役割を演ずる事が予想される。
- 今こそ日本が国際社会で重要な役割を果たすときだ。
- 非国有化し、(領域)をヨーロッパの国際社会の機関の管理の対象とする
- 責任ある市民としての行動、健全な政府と地域社会、国家や国際社会の福祉を促進することに尽くすクラブ
- 国際社会主義者または国際共産主義者の一員
- 国際社会において力のない国
- 国際社会で競争する力
- 国際社会で慣行的に行われている法律
- 彼らは北朝鮮難民の解放を要求し,国際社会の支援を求めた。
- また,国際社会に参加するために,英語を理解する必要があると思います。
- 首脳会議の後の記者会見で,インドネシアのユドヨノ大統領は,国際社会の関心と支援,結束に感謝の気持ちを述べた。
- 草案によると,自衛軍は国際社会の平和と安全のための活動に参加することができる。
- このサミットは6月5日,世界の食糧危機に対処するために,国際社会が緊急かつ協調した行動を取ることを宣言して終了した。
- 同チームの二(ふた)石(いし)昌(まさ)人(と)団長は,「国際社会はハイチの人を助けるべく努力をしている。その一員として,日本も責任を果たさなければならない。」と記者団に語った。
- また,エボラ出血熱の流行を制御するためには「前例のない対策」が必要だと述べ,国際社会に協力を求めた。
- また,彼女は流行の深刻さについての国際社会への警告が迅速でなかったと話した。
- 独立反対派の運動家は,独立したスコットランドは国際社会での影響力を失うだろうと懸念を示した。
- 彼らは,北朝鮮が国際社会の懸(け)念(ねん)に対処することを求めた。
- 国際社会は,トランプ氏がその公約をどのように実現させていくかに注目している。
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