国事周旋と天誅とは? わかりやすく解説

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国事周旋と天誅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 13:56 UTC 版)

武市瑞山」の記事における「国事周旋と天誅」の解説

参勤交代行列京都留めようとする半平太の狙いとは逆に守旧派京都立ち寄らず江戸へ東下策謀していた。このため土佐勤王党同情的な大監察小南五郎右衛門江戸へ下って老公・容堂に藩主入洛説き遂に容堂は朝命拝受せよと決断した8月25日、豊範は京都河原町土佐藩邸に入り在京警備国事周旋勅命受けた。 閏8月半平太と小南五郎右衛門平井収二郎小原与一郎谷守部尊攘派が他藩応接役に任じられた。 半平太は周旋活動のために藩邸離れて三条木屋町寓居構え藩主・豊範の名で朝廷向けた建白書起草した。この建白書の内容は、山城摂津大和近江4力国を天皇直轄地とし、直轄地配置した親王以下の国司諸国浪士家来として召し抱えること、江戸へ参勤交代5年ないし3年1度へと軽減させることなどを建言すると共に政令全て天皇から諸大名直接発すべきであるとし、王政復古主張するなど、時代先んじたものであった同時に長州久坂玄瑞ら他藩の志士三条実美姉小路公知始めとした朝廷内の尊攘派公卿とも緊密に連携し朝廷代表して幕府攘夷督促する勅使江戸へ東下させる画策の下、朝廷工作奔走する。これらの動き功を奏し朝廷攘夷朝議決定した際、一橋慶喜がこれを覆そうと入京画策したが、半平太は裏工作によりこれを一時妨害することに成功している。 この時期京都では過激な尊王攘夷派による天誅斬奸称する暗殺横行し半平太も少なからず関与していた。 半平太の下で動いた人物では、後に「人斬り」の異名を持つことになる門弟岡田以蔵薩摩藩士・田中新兵衛が有名である。半平太が関与したとされる天誅には、越後志士本間精一郎暗殺(閏8月21日)、安政の大獄志士弾圧した目明し文吉虐殺9月1日)、石部宿における幕府同心与力4名の襲撃暗殺9月23日)がある。しかし、同月関白近衛忠煕半平太に対し洛中での天誅斬奸控えるように命じてから後は、半平太の直接指揮による京での暗殺事件確認されていないまた、侍従中山忠光から前関白九条尚忠岩倉具視幕府通じ三卿両嬪の暗殺のための刺客貸与申し入れられたが、これは断り軽挙止めさせている。 10月幕府対す攘夷督促御親兵設置要求する勅使として正使三条実美副使姉小路公知派遣されることになり、山内豊範には勅使警衛が命ぜられた。警固役には土佐勤王党の者が選ばれ半平太は姉小路雑掌となり、柳川左門の仮の名が下賜され江戸へ随行勅使雑掌として江戸城入城した際は将軍徳川家茂にも拝謁し幕府から饗応受けている。幕府勅命への対応に苦慮したが、容堂の働きかけもあって曖昧ながら攘夷勅命受け入れ御親兵設置について謝絶している。 また、この時期長州藩高杉晋作久坂玄瑞横浜異人館襲撃計画し久坂半平太にも参加呼びかけるが、久坂の口から土佐勤王党弘瀬健太がこれに加わっている事を知った半平太は山内容堂訴えて収拾乞い、容堂の警告受けた長州藩世子毛利定広高杉らを説諭して襲撃中止となった。この事件の余波で、長州藩周布政之助が容堂に放言をして、長州藩士土佐藩士衝突しかける騒ぎ起こっている。江戸滞在中に半平太は7回、容堂に拝謁しており、その感激思いを妻・富子に書き送っている。 12月役目終えて京都戻った半平太は、入京以来功績報いる形で上士留守居組への昇進命じられる。さらに翌文久3年1863年3月には京都留守居加役となった白札郷士から上士格への昇進は、それまで土佐藩において前例の無いことであったが、同志たちはこれを半平太を勤王運動から引き離すための容堂の策謀考えた

※この「国事周旋と天誅」の解説は、「武市瑞山」の解説の一部です。
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