十字軍と東方教会とは? わかりやすく解説

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十字軍と東方教会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 20:53 UTC 版)

キリスト教の歴史」の記事における「十字軍と東方教会」の解説

この項の主要参考文献:。 「十字軍」も参照 西ローマ帝国滅亡後ローマ教皇東ローマ帝国影響下に置かれたが、神聖ローマ帝国フランク王国)が成立したことで、教皇東ローマ帝国から政治的に独立するうになる。しかし、世俗権力介入問題解決せず聖職者叙任権めぐって神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世教皇グレゴリウス7世争ったカノッサの屈辱有名な叙任権闘争問題神聖ローマ帝国皇帝君主との対立生じた。この対立第1ラテラン公会議におけるヴォルムス協約承認により、世俗介入否定する教皇側の勝利解決する。またこの公会議によって十字軍承認される11世紀テュルク系イスラム王朝セルジューク朝パレスチナ占領した小アジア領土回復を望む東ローマ帝国皇帝アレクシオス1世コムネノス1095年ローマ教皇援軍要請。これに答えた教皇ウルバヌス2世同年イスラム教徒の手からの「聖地奪回」を訴えた。これが一連の十字軍運動の始まりである。教皇キリスト教徒聖地巡礼イスラム教徒によって阻害されていると考えていた。ウルバヌス2世クレルモンでの教会会議終わりに、十字軍への参加によって罪の償いが行われると宣言諸侯への従軍呼びかけた。フランスでは多く諸侯がこの呼びかけに応じて立ち上がったドイツ支配していた神聖ローマ帝国教皇庁との関係は当時それほど良好ではなかったが、聖地奪回という呼びかけ聞いたドイツ諸侯奮起し従軍者が多く現れた。 こうしてドイツ・フランスの諸侯中心とした第1回十字軍エルサレム占領成功エルサレム攻囲戦)。パレスチナシリア地方侵略してエルサレム王国など十字軍国家よばれる一群キリスト教国家建設した。このとき、正教会エルサレム総主教追放されカトリック教会エルサレム総大司教立てられた。 十字軍将兵従軍理由はしばし領地褒賞目当てだけであったかのように語られることが多いが、宗教的情熱重要な動機一つであった。ただ、一部十字軍将兵により略奪暴力虐殺行為が行われたこともまた事実である。このような暴力対象イスラム教徒だけでなく、中東ギリシャ正教徒シリア正教徒、ヨーロッパ在住ユダヤ人たちも含まれた。例え十字軍出発時、ドイツヴォルムスで約800人が、マインツで約1000人が殺害された。エルサレム攻囲戦でもユダヤ人アラブ人非戦闘員虐殺しており、エルサレム市民犠牲者数は約7万人伝えられる十字軍国家その後イスラム教徒巻き返し会い14世紀初めまでに全て滅ぼされヨーロッパ人西アジア追われた。最終的に十字軍の「聖地キリスト教徒の手に」という目標達成されなかった。一方、その過程で、聖地巡礼者を防衛する騎士修道会イスラム教徒伝道を行う托鉢修道会捕虜交換傷病者治療の救出修道会誕生して西欧キリスト教世界文化的変革触媒となったそのひとつであるドミニコ会は、アラビア語文献輸入翻訳通してアリストテレス哲学再発見しスコラ学開花させた。 長き渡った十字軍遠征への従軍によって騎士階級疲弊没落し西ヨーロッパにおいて封建領主の力が弱まり農奴に対して貨幣地代納入認めた結果富農、さらに独立自営農民出現促し経済構造変化したまた、封建領主相対的地位低下によって、国王中央集権化有利に進めヨーロッパ絶対王政出現端緒となった他方東方教会にとって、十字軍ならびにそれに対抗するイスラム勢力動き甚大な影響与えた第4回十字軍により首都コンスタンティノポリス占領1203年 - 1261年)されてしまった東ローマ帝国は、その後イスラム教徒西方進出伴って衰退し1453年最終的にオスマン帝国滅ぼされた(詳細コンスタンティノープルの陥落参照)。 オスマン帝国キリスト教徒信仰の自由認めたが、キリスト教徒信仰代償として貢納ならびにイェニチェリ子供差し出すことを求められ、またオスマン帝国領内での神学教育布教などの教会活動著しく制約された。帝国滅亡によりコンスタンティノポリス総主教が全正教会及ぼしていた権威揺らぎ16世紀にはロシアモスクワ総主教誕生してロシア正教会独立した

※この「十字軍と東方教会」の解説は、「キリスト教の歴史」の解説の一部です。
「十字軍と東方教会」を含む「キリスト教の歴史」の記事については、「キリスト教の歴史」の概要を参照ください。

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