十字軍の実態とは? わかりやすく解説

十字軍の実態

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 16:30 UTC 版)

十字軍」の記事における「十字軍の実態」の解説

十字軍キリスト教圏諸侯からなる大規模な連合軍であった宗教的な情熱強かったはずの第1回十字軍ですら、エデッサ伯国アンティオキア公国などの領土確立に走る者が出ており、第4回十字軍至っては、キリスト教正教会国家である東ローマ帝国首都コンスタンティノポリス(現イスタンブール)を攻め落としラテン帝国を築くなど、動機不純さを露呈している。のみならず、同じカトリックの国であるハンガリーまで攻撃し教皇破門宣告されている。 そして、イスラム教徒ユダヤ教徒など、異教の者へは虐殺ためらわずマアッラ攻囲戦では双方記録で、十字軍による食人記録されている。またギリシャ正教など、他の宗派属する者も冷遇した。 元々はエルサレム回復目的としていた十字軍であるが、後には、キリスト教徒から見た異教徒ローマ教皇庁から異端とされた教会地方討伐軍をも十字軍呼ばれるようになったこのような例としてはアルビジョア十字軍などが知られており、ヨーロッパにおいても非難されることになる。 また、十字軍純粋に軍人だけで構成されていたわけではなかった。従者のほかにも巡礼者女・子供娼婦など雑多な人間混じっていた。騎士巡礼者らの保護努めたが、戦闘時には足手まといになる場面見られた。 十字軍とともにエルサレムをめざす民間巡礼者武装巡礼団等)の運動活発化したが、その純粋な信仰心報われることはほとんどなく、途中で命や財産奪われる者が多かったローマ教皇庁1270年から十字軍についての意見調査行っている。調査結果にはルイ9世の死は神の意思であるとするものや、不信心者は殺すのではなく改心させるきとするものなど十字軍否定的な意見多数含まれていた。また、犯罪者刑罰から逃れるために従軍していることから、一般人から十字軍参加者そのもの罪人みなされていること、名誉を重んじる者が参加したがらないということ明らかにされた。十字軍が同じキリスト教徒に対して行われたことは悪夢みなされていた。これらの調査結果受けてグレゴリウス10世聖地奪回のための新たな十字軍計画しなかった。

※この「十字軍の実態」の解説は、「十字軍」の解説の一部です。
「十字軍の実態」を含む「十字軍」の記事については、「十字軍」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「十字軍の実態」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

十字軍の実態のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



十字軍の実態のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの十字軍 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS