刑法・軍事法廷
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「イスラエル国防軍軍律」の記事における「刑法・軍事法廷」の解説
命令1号(1967年6月7日) 掠奪や敷地内侵入は罰せられる。最高刑は無期懲役に処する。 命令3号(6月7日) 軍事法廷の設置に関する命令。エルサレム、ヘブロン、西ナブルスおよびジェニン、東ナブルスおよびエリコおよびラマッラーに設置する。 命令16号(6月12日) 勾留に関する命令。何人も、被疑者に対して、軍の検察官は14日間勾留する権利を持つ。勾留は、さらに14日間延長することができる。 命令29号(6月23日) 刑務所および拘置所の運営に関する命令。(占領地の)地区の囚人は、可能な限りイスラエルの囚人と分離されるべきであり、未決囚は有罪判決の確定した囚人から分離されなければならない。勾留された被疑者は、裁判準備の権利が保障され、弁護士と接見することができる。ただし、軍司令官は、安全保障上必要と判断した場合、弁護士との接見交通権を制限したり、禁止することができる。 命令30号(6月25日) 犯罪行為に対する裁判に関する命令。軍事法廷は、犯罪が行われた日に有効であった法律に基づいて、任意の刑事事件の判決を下すための司法権を持つ。命令16号は、廃止する。 命令132号(9月24日) 少年触法行為に関する命令。11歳までを児童、12-13歳を未成年、14-17歳を青年と定義する。12歳未満の児童は勾留されてはならない。思春期の子供は、1つの独房に6ヶ月を超えない範囲で拘留されなければならない。10代の青年は、宣言3号の44-46a、53、55条、または命令101号に関連して裁判にかけられた場合を除き、1年を超えて投獄されてはならない。 命令218号(1968年2月11日) 軍事法廷の設置に関する命令。命令3号の改正。全地区の法廷に、新たな名称を与える。 命令378号(1970年4月20日) 安全条項に関する命令。宣言3号の廃止による、従来の軍事法廷より権限を拡大した軍事裁判所の創設。また、無令状逮捕と18日間の勾留を可能とする。これらは罪状提示や裁判を行う必要がない。軍事裁判所は、上訴できない1審制とする。 命令413号(10月4日) 安全条項に関する命令。命令378号の改正1号。新たな上訴委員会の設置と、その細則。 命令422号(1971年3月30日) 安全条項に関する命令。命令378号の改正2号。何人も、特定の治安規定に基づいて発行された文書は、直接本人に宛てた文書を除き、入手や保有することは許されない。 命令423号(5月5日) 安全条項に関する命令。命令378号の改正3号。再審の審理の手順に関する命令。 命令815号(1980年1月11日) 安全条項に関する命令。命令378号の改正18号。行政拘禁の手続の改正。地区司令官は最長6ヶ月間、地域司令官は最長96時間の行政拘禁命令を出すことができる。行政拘禁は、6ヶ月毎に更新することができる。86条に、異議申立委員会への上訴を規定するが、行政拘禁の決定は秘密裏に行われ、事前に通知する義務はない。 命令845号(5月7日) 安全条項による罰金の増額に関する命令。軍事裁判所は、実刑判決の長さにあわせて罰金を設定することができる。 命令1229号(1226号とも)(1988年3月17日) 行政処分に関する命令(暫定規則)。命令378号の改正。軍司令官は、安全保障上必要と判断した場合、6ヶ月を超えない期間で拘禁(予防拘禁)することができる。拘禁命令が下された後、当初の拘禁命令に従って、さらに6ヶ月間の延長をすることができる。拘禁命令は、被拘禁者の立会いなしに発することができる。兵士又は警察官は、命令21号に関連してこの命令を執行することができる。又、被抑留者は、治安規定85条に基づき結成された不服審査委員会に不服を申し立てることができる。軍司令官のこれらの権限は、他者に委任することができない。また、軍司令官は、自由に拘禁期間を短縮することができる。 命令1651号(2009年11月1日) 安全条項に関する命令(統合版)。命令378号、17号、30号、52号、121号、132号、225号、243号、284号、322号、329号、332号、369号、393号、400号、465号、841号、1435号、1447号、1558号は、本命令に統合する。 「保留地域」 - イスラエル国防軍が、(A地区を)除く保持する地域。 「一般治安部隊隊員」 - 有効な文書に定められた、一般治安部隊の隊員。 「ヤングアダルト」 - 14歳以上16歳未満の者。 「軍事裁判所」及び「裁判所」- 本命令に基づき、本地域を管轄する権限を与えられた軍事裁判所。 「軽減」 - 刑罰の全部又は一部の軽減、転換、条件若しくは猶予を含む刑罰については、懲役が罰金に転換されない限り、罰金は、いかなる期間の懲役よりも軽い刑罰として扱われるものする。 「爆発物又は可燃物」 - 爆発又は火災を起こすことを企図し、又は起こす可能性のある液体若しくは気体を含む全ての物又は物質をいう。 「児童」 - 12歳未満の者。 「警察軍」 - イスラエル警察の警察官および将校で、この地域のIDF部隊の司令官の指揮下にあるもの。この場合、イスラエル警察当局によって地域に派遣されたイスラエル警察の警察官および将校は、地域のIDF軍司令官の指揮下に置かれたものとみなされる。 「逮捕」 - 署名・合図による逮捕、逮捕を行うことを含む。 「拘禁施設」 - 命令29号参照。 「被告人」 - 場合によっては控訴人を含む。 「少年」 - 12歳以上14歳未満の者。 「裁判長」 - 第一審の軍事裁判所の裁判長。場合によっては、控訴審の軍事裁判所の裁判長。 「公務員」 - 警察官、一般治安部隊隊員、IDF被雇用者。1982年の地方議会の運営に関する命令(982号)、1979年の地方議会の運営に関する命令(783号)の付録に記載されている地方議会に雇用されている者、地方当局及び法律又は安全保障法に基づく権限を有するすべての者。 「確定判決」 - (1)軍の控訴裁判所が下した裁定。 (2)上訴期間が経過し、上訴が提出されなかった第一審の軍事裁判所が発行した裁定。 「命令」 - 任命、命令、発表、指示、要求、許可を含む。 「安全条項に定められた罰金の引き上げに関する命令」 - 命令845号参照。 「必要不可欠なサービス」 - 地域の治安維持、公共とIDF兵士の安全の確保、公の秩序の維持、または公共生活に不可欠なサービスの提供に不可欠なサービス。 「住民」「身分証明書」 - 命令297号参照。 「暴行」 - 直接または間接を問わず、本人の同意なしに、または偽りによって同意を得た場合に、人を殴ること、触ること、押すこと、または別の方法で人の身体に力を加えること。 IDFによる逮捕と拘留の根拠を規定し、パレスチナ人を罪状や裁判なしで拘留する行政拘禁を含む、軍律に基づく罪状を定義している。この命令の下では、「交通に危害を加えたり、又は危害を加えようとした者は10年以下の懲役に処する。人や財産への危害を目的とした投石は10年以下の懲役に処する。移動中の車両で、その車両又は車内の者に危害を加える目的での投石は20年以下の懲役に処する」。
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