企業によるPBW企画と特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:12 UTC 版)
「プレイバイウェブ」の記事における「企業によるPBW企画と特徴」の解説
歴史の項にあるように、PBWは同人の流れから始まっており、厳密な定義付けがなされているわけではない為、遊び方も運営方針も多種多様。 しかし、企業が企画した商用PBWについては、「郵便にてロールプレイングゲームを行っていた商業用PBM」をインターネットで行おうとした流れから発展したと考えられる事が多い。(但し一方で、商業用としてのプレイバイウェブ大手の運営者達は、商業用PBMについては良く知らないという意見もあるが、運営企業大手のトミーウォーカーの上村大らは商業用PBMの初期についてはプレイヤーとして参加しており、niwango, Inc.のインタービューに対し、PBMの事を詳細に語っている。) 先駆けて商業用PBWと呼べる物を運営し、成功したテラネッツは、すでに存在していたPBWというネーミングではなく、WTRPGという独自のジャンルを名乗っていた。内容はPBWとジャンル分けして違和感の無いものである。 テラネッツは文章によるロールプレイング遊戯をインターネット展開するにあたり、 運営側は、参加者に関与可能な状況提示を行う。 という部分について、依頼のような形式で「小規模の状況を多数貼り出し、そこに関与したい参加者を募集するというシステム」にて運営を開始した。同時に、その状況を作業担当する責任者を提示するという方式を取っていた。 これは非常に優れており、以降の企業による企画は同システムを採用している場合が殆どとなっている。しかし当時のテラネッツでは難解なもので、驚くほどの利益を上げ、1ヵ月程度と予定していた目標も10日程で達成するまで理解を得られなかった。 このシステムは冴島鋭士が指示を出し、開発者は一本三三七、上村大が開発したと冴島本人は語る。 一方、上村大によると、実際の構想は一本三三七が行ったが、会社の人間は皆まったく理解せず、「お前ら全員バカか、コイツ(一本)の方が絶対正しい!」と言い続けて無理矢理に開始したと語っている。 テラネッツ以前にも有料化を計画したPBWは存在していたが、それらは「ひとつの(ないしは、少数の)大きなストーリー」を提示するというものが多かった。これは様々な欠点があり、有料同人企画を除き殆どが頓挫してしまった。 その後、前述の依頼型システムの開発者である一本三三七、上村大たちにより、株式会社トミーウォーカーの「PBW版無限のファンタジア」が立ち上げられた。これはWTRPGと類似のシステムを使用し、ネット上で認知されていたプレイバイウェブのネーミングを使用し、大きく発展した。 このきっかけは、生意気なやつだとかそんな理由でテラネッツが上村をクビにしてしまった事と、一本に対する賃金の未払いによるものだった。 その影響は大きく、テラネッツはAsura Fantasy Onlineにおいて、参加者が、運営に対し要望の署名活動が行われるなどの混乱が起きてしまった。当時のテラネッツの役員の冴島鋭士は、自身を敗者の代表と称している。但し、テラネッツはこの後もPBW企画を多数立ち上げている。冴島もRexi社を立ち上げ、神代七代学園Xなどの企画を行っている。 現在では、MMORPGに飽きて移ってきたユーザ層や、キャラクターになり切ってチャットで交流する通称「なりちゃ」からキャラクター独自のイラストが保有できるという理由で流入したユーザなども多く、PBMのユーザー層とも一致せず、多様である。多種多様なユーザ層をいかに定着させるかが課題である。また、作家やイラストレーターや声優や音楽家やシンガーソングライターにとっては在宅での仕事ができるため副業としての仕事(いわゆるクラウドソーシング)が可能である。 以下は、2015年現在の商業サービスとして提供されるPBWと、旧来の郵便媒体のPBMとの比較。 一定の期限内であれば、プレイヤーはキャラクターに取らせたい行動(プレイングと呼ばれる)を何度も変更可能。 公式サービスにWeb掲示板や電子メールに準ずるものがあり、交流が簡便である。 キャラクターデータや過去の成果物(リプレイ、リアクションと呼ばれる)を容易に参照できる。 シナリオ単位で参加できるゲームが多いため、初期費用が安価となる傾向がある。しかし短い間隔でプレイする事が可能なため、熱心にプレイする分にはPBMと比較して割高となる。 自分のキャラクターに関するイラストや音声を有償で発注できる。 もちろん、その上でMMORPGと違ったPBMの利点、「プレイヤーの体験した冒険を他のプレイヤーは体験できない」「世界情勢に影響を与えやすい」といった要素は維持されている。その一方で、プレイヤー対立などの要素はやりにくくなり、旧来のPBMのプレイスタイルをとる人はプレイしづらくなってきている面もある。 郵便媒体でRPGを行うには、1か月~2か月毎に文章して行動を郵送すると、それに対して小説などでリアクションがあるという形式が多く、また、1つのシナリオに数十名から100名以上のプレイヤーが参加し行動を送るような形式が多かった。ネット媒体では1ターンのサイクルは大幅に短縮させる事が可能になり、チャット形式や、リアルタイム更新など、運営方法の自由度が高くなった。運営毎に方針が異なる。
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