仮装舞踏会とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 仮装舞踏会の意味・解説 

かそう‐ぶとうかい〔カサウブタフクワイ〕【仮装舞踏会】

読み方:かそうぶとうかい

各自思い思い仮装して行う舞踏会

「仮装舞踏会」に似た言葉

仮装舞踏会

作者古賀牧彦

収載図書ショートショートの広場 3
出版社講談社
刊行年月1991.6
シリーズ名講談社文庫


仮装舞踏会

作者森下雨村

収載図書青斑猫
出版社春陽堂書店
刊行年月1995.1
シリーズ名春陽文庫


仮面舞踏会

(仮装舞踏会 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/21 21:59 UTC 版)

ジュゼッペ・グリソーニ「王のオペラハウスでの仮面舞踏会」1724年作、ヴィクトリア&アルバート博物館蔵

仮面舞踏会(かめんぶとうかい)は、仮面をつけ身分素性を隠して行われる舞踏会のこと。マスカレイド: masquerade)やバル・マスケ: bal masqué)とも。起源は中世まで遡る。また音楽・文学ほか多数の作品に「仮面舞踏会」や「マスカレード」という題名が付けられている。

仮装行列と仮装舞踏会

シャルル6世の宮廷で起こった仮装舞踏会の事件 Bal des Ardents、1450年-1480年ごろの細密画

仮面舞踏会は参加者が仮面などを身に着けて行われる舞踏会などのイベントである。こうした集まりの起源は、中世後期のヨーロッパ宮廷において行われた、寓話的で凝った衣裳による壮麗な行列や、婚礼を祝う誇らしげな行進や、その他宮廷生活における派手な催しや余興にある。代表的なものに仮装舞踏会 (モリスコ、morisco) がある。

仮装舞踏会を舞台にした有名な惨劇として、百年戦争期のフランス国王シャルル6世の時代に起こった「燃える人の舞踏会」("Le Bal des ardents")という事件がある。王妃イザボー・ド・バヴィエールは侍女の一人の婚礼を祝して1393年1月28日に大規模な仮装舞踏会を開催した。シャルル6世と5人の貴族は亜麻松脂で体を覆い、毛むくじゃらの森の野蛮人に扮して互いを鎖で繋いで踊る "Bal des sauvages" (野蛮人の踊り)をしようとしたが、たいまつに近づきすぎて衣裳が燃え上がり、シャルル6世は助かったものの4人が焼死するという事件になった。シャルル6世はすでにイングランド軍に対する敗戦でショックを受けていたが、この後急速に精神を病むようになった(この事件はエドガー・アラン・ポーの短編小説『跳び蛙』の元になっている)。こうした仮装による舞踏会はブルゴーニュ公国の宮廷では特別の機会に行われるぜいたくな催しであった。

仮面舞踏会

仮装と仮面をしたヴェネツィアのカーニバルの参加者

これらのイベントや行進をもとに、15世紀ルネサンス期のイタリアで、参加者が仮装して出席する公的な祭典が催されるようになった(イタリア語ではマスケラータmascherataと呼ばれた)。これらは一般的に上流階級の成員のために行われる凝った舞踏会で、特にヴェネツィアでは、仮面をかぶって行われる「ヴェネツィアのカーニバル」の伝統と結びついたため人気を博した。

17世紀から18世紀にはヨーロッパ大陸全土の宮廷でヴェネツィア式仮面舞踏会は人気となった。あまりに人気を博しすぎたため、仮面舞踏会は風紀を乱す元凶であるとしてマリア・テレジアに代表されるように禁止令を出した人物もいた。また仮面舞踏会はしばしば悲劇の舞台にもなった。スウェーデン国王グスタフ3世1792年、仮面舞踏会の最中に彼の統治に不満を抱く貴族ヤコブ・ヨハン・アンカーストレム (Jacob Johan Anckarström) によってピストルで暗殺スウェーデン語版された。この事件はウジェーヌ・スクリーブオペラ『ギュスターヴ3世』や、ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ『仮面舞踏会』の題材となっている。

ロンドンの劇場での仮面舞踏会、18世紀後半

イギリスではヘンリー8世の時代から、上流階級の楽しみとして仮面舞踏会が催されるようになった。18世紀初頭にロンドンで行われた仮面舞踏会はチケット制で、武器を持たず仮面を付けていれば一般大衆でも参加できた。服装も自由であり、異性装や上流階級の人々による無産階級の扮装などが流行した。上流階級の人々には、階層ごとに定められている細かい対人規範や行儀作法があり、仮面舞踏会の最中には仮面による匿名性によってその抑圧から逸脱することができた[1]ヘンリー・フィールディングの『仮面舞踏会』や、ジョセフ・アディソンの『スペクテイター』では、当時の仮面舞踏会の様子や羽目を外す人々の心理が描かれている。

大胆な内心の吐露や、公然と行われる密通など、仮面舞踏会には不謹慎な行為や淫行が蔓延していると批判する声も多かった[1]ヨハン・ヤーコプ・ハイデガー1710年にヴェネツィア式の仮面舞踏会をロンドンヘイマーケット・オペラハウスで開催した。ハイデガーは「スイスの伯爵」の名で有名人となり、18世紀イギリスにおいて仮面舞踏会は大流行した。一方で仮面舞踏会やこれを紹介したハイデガーに対して、道徳や倫理を麻痺させるという厳しい非難が各界から浴びせられ反対運動も起こった。ウィリアム・ホガースは仮面舞踏会の隆盛やハイデガーを風刺する版画を出版しているほか、仮面舞踏会の存在に反対する物書きたち(その中にはヘンリー・フィールディングもいた)は、イギリス国内に反道徳性や「海外からの悪影響」を広めるものとして仮面舞踏会を批判している。彼らは権力者に対し仮面舞踏会反対の説得を行ったが、これを禁止するための手段の強制力は散漫なものにとどまった。

仮面舞踏会は招待客同士のゲームとして開催されることもあった。仮面をした客たちは正体が誰か分からないような服装をし、互いの正体を当てあうゲームを行った。このゲームの影響で、人物の正体を混乱させるためによりユーモラスに工夫された仮面が登場している。

仮面舞踏会は今日も世界中で行われているが、パーティーの雰囲気作りが強調され、社交ダンスの部分はあまり強調されなくなった。より砕けたハロウィンなどの仮装パーティーが、かつてのあやしい仮面舞踏会の伝統を受け継いでいる。現在に残る代表的な仮面舞踏会は、ウィーン大学の同窓生らによる舞踏会「ルドルフィーナ」 (Rudolfina Redoute) などである。

仮面舞踏会は非常に絵になる催しであるため、文学や音楽の題材となってきた。エドガー・アラン・ポーの短編『赤死病の仮面』では、赤死病という疫病を逃れて修道院に立てこもる貴族たちが開いた仮面舞踏会に、赤死病患者を思わせる不吉な仮面をかぶった人物が現れる。ヘルマン・ヘッセの自伝的小説『荒野のおおかみ』ではチューリッヒの仮面舞踏会が重要な舞台となる。また18世紀イギリスの上流階級を舞台にした多くのロマンス小説では、仮面舞踏会が舞台となったりプロットを進める上での道具になったりする。

仮面舞踏会 および マスカレードを題名にした作品

脚注

  1. ^ a b ロジャー・イーカーチ『失われた夜の歴史』 樋口幸子、片柳佐智子、三宅真砂子訳 インターシフト 2015年、ISBN 978-4-7726-9543-5 pp.314-319.

関連項目

外部リンク


[仮装舞踏会(バル・マスケ)]

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/04 09:25 UTC 版)

紅世の徒」の記事における「[仮装舞踏会(バル・マスケ)]」の解説

盟主と三強大な“紅世の王”である『三柱臣トリニティ)』を中心とした、世界最大規模“紅世の徒”組織数千年前結成され、他の大集団とは頭一つ二つ抜きん出た桁違い規模兵力備え一騎当千実力持った錚々たる顔ぶれ将帥らが数多く在籍している。 数千年前盟主失って以降は、情報交換支援本分として、他の組織情勢分析ための会合を行ったり、構成員ではない“徒”の保護フレイムヘイズ避けるための秘匿交通路確保や、この世跋扈する“徒”にこの世で暮らすため訓令与えたり、彼らに仇なすフレイムヘイズやその外界宿アウトロー)の殲滅を行うなど、この世の“徒”に対す互助共生行っている。 そうした活動の裏密かに盟主掲げた大命』の成就目的として活動し『大命詩篇』呼ばれる自在式を中核数千年という年月をかけて準備してきた。『大命』の成就は、三つ段階分けられている。 『大命詩篇』用い、『久遠陥穽』に放逐され盟主意思受信し思い通りに動く代行体を精製すること 『久遠陥穽』へ通じる『神門』を開き放逐され盟主神体取り戻すこと 盟主によって両界狭間新世界無何有鏡(ザナドゥ)』を創り出し全ての“紅世の徒”移住させること 当初大命』について公に伏せられ構成員多くは『大命』という言葉すら知らされていなかったが、第一段階である代行体による盟主の「仮の帰還」が為された際に構成員布告された。また、新世界無何有鏡』では“徒”が人間捕食する必要がなくなること、この世“紅世”の間に新世界無何有鏡』が置かれれば“徒”がこの世へ渡る意義を失わせ、また“徒”がこの世へ渡るのを阻む壁となることから、坂井悠二望みである「“徒”とフレイムヘイズ戦い終わらせる」「家族友人たちが“徒”に襲われずに済む」と合致しシャナたちフレイムヘイズ支援していた彼を[仮装舞踏会]側に翻意させる大きな動機となった兵科としては『三柱臣』に加えて戦闘担当する巡回士(ヴァンデラー)、フレイムヘイズ捜索追討組織のための情報収集担当する捜索猟兵イエーガー)、組織中枢各地捜索猟兵巡回士らとの連絡主任務とする布告官(ヘロルト)、本拠地を守る禁衛員(ヴァッフェ)などが存在する通常巡回士と捜索猟兵ペア組んで任務遂行する事が多い。 盟主失った数千年前一戦以降主なしの組織」となり、一度として自ら武力闘争呼ばれる程の戦い仕掛けことはなかったが、『零時迷子』発見以降積極的かつ秘密裏動き出し、『大命』の妨げになる世界各地重要な外界宿襲撃し壊滅させ続けた盟主が仮の帰還果たした後、上海外界宿総本部での一大会戦にて東アジアのほぼ全てのフレイムヘイズごとこれを殲滅事実上宣戦布告をし、開戦態となっていた。フレイムヘイズ兵団大勝した後、両界狭間への道を開くため、当時最も歪み大きく狭間への壁が不安定になっていた御崎市へ襲来した。 そして御崎決戦経て新世界の卵にシャナたちによって改変自在式を打ち込まれことによる「人を喰らえない」理を、結局は“祭礼の蛇”や“徒”たちも受け入れた為にそのまま新世界無何有鏡』は創造された。そしてベルペオルは、新世界での“徒”たちの動向見定めるために[仮装舞踏会]を一旦散会させ、十年後集結するように構成員たちに伝えた。 しかし、新世界無何有鏡』では、新世界事情疎い新参の“徒”らが大規模な混乱あちこち引き起こしたため、かつて討ち手契約した“王”を「同胞殺しその道具」と蔑んでいた古参が、その「同胞殺し」を行ってでも止めなければならないという事態が発生していた。また、この時期には契約者失った討ち手の“王”ら『秩序派』が外界宿合流し新参の“徒”らは[マカベアの兄弟]はじめとする組織乱立させていた。この、後に『混沌期』と呼ばれる時期の、創造から数ヶ月混乱重く見たベルペオルは[仮装舞踏会]を再招集構成員は二年弱の間に集結果たした。現在は目下[マカベアの兄弟]との抗争状態にある。

※この「[仮装舞踏会(バル・マスケ)]」の解説は、「紅世の徒」の解説の一部です。
「[仮装舞踏会(バル・マスケ)]」を含む「紅世の徒」の記事については、「紅世の徒」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「仮装舞踏会」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「仮装舞踏会」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「仮装舞踏会」の関連用語

仮装舞踏会のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



仮装舞踏会のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの仮面舞踏会 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの紅世の徒 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS