プンプンとその親類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:44 UTC 版)
「おやすみプンプン」の記事における「プンプンとその親類」の解説
プン山プンプン→小野寺プンプン 本作の主人公。普通の人間だが、作中では自身とその両親と叔父は落書きのようなヒヨコの姿で表現されている。物語の後半ではプンプンの精神状態によって四角錐に顔が描かれた姿やひょっとこ、人間の身体に顔が悪魔のような真っ黒で角の生えた姿など、容姿の描写が変化する。クラスの女子からジョニーズ系と指摘されアイドルオーディションへの応募を勧められたり、南条からはタイプだと言われたり容姿は悪くない模様。作品内でのセリフは吹き出しではなく独白で語られる。 幼い頃は他の子供より発達が早く友達想いで社交的な子供だったが、星を捕まえたことのあるという友人の嘘を本当にするため共に星を追いかけに行った道中はぐれた友人が交通事故に遭った一件から感情表現が下手で内向的になってしまい、彼の人格形成に大きな影響を与える。小学生の時に両親が離婚し、母方に引き取られたため、姓がプン山から小野寺になる。最後の最後まで母のことを愛せず、小学生の頃は関係が良好だった父も高校生の頃に再会し同居を提案されるも断り疎ましい存在となってしまう。 第一話で引っ越してきた愛子に一目惚れし、彼女を運命の相手だと感じるものの、彼女との「一緒に鹿児島に行く」という 約束を破ってしまった事から中学校になってからは微妙な距離ができ疎遠になってしまう。疎遠となってからも依然として彼女の存在は生きる上での最大の指針となっており、完全に離れ離れとなった後も彼女を探し求め続けた。高校を卒業後はフリーターになり、当てもない生活をししつつも、不器用ながら南条との愛を育み、恩人の宍戸、腐れ縁の三村達と束の間の幸せな生活を送る。そんな中、教習所で愛子と偶然再会。大人になり少女の頃とは違って見える彼女に失望感を感じつつも引きずられるようにして行動を共にするようになった。暴力を受ける愛子を庇った際に衝動的に彼女の母親を絞殺。幼いころの約束を果たすかのように鹿児島への逃避行を開始する。その最中、実は首を絞めた筈の愛子の母はまだ生きており、とどめを刺したのは愛子だったと告白される。神様 プンプンが「神様神様チンクルホイ」と唱えると現れる謎の存在。叔父の雄一から教えて貰った。なお、中学に入った頃からは唱えなくても現れる。高校生以降はあまり登場しなくなる。基本的に眼鏡をかけた成人男性の頭部のみの姿で現れる。終盤ではプンプンは愛子に自問自答だと話している。 プン山プンプンパパ プンプンの父。リーゼントと口ひげが特徴。プンプンからするとヒステリックな母とは違う優しい父であり、プンプンはファザコンである事が伺える。家族のことを思い単身赴任を断った結果、リストラにされ無職に。それ以来夫婦はけんかが絶えない。趣味は野球観戦で、読売ジャイアンツのファン。かつてSF少年だったことから宇宙も好きで、プンプンに宇宙について語るシーンが見られる。酒好きで、アルコールが回ると語気を荒らげる。自暴自棄になりプンプンと心中しようとしたプンプンママを殴打し負傷させたことが決定打となり、プンプンママと離婚。その後は福島で夜警をしていたが、後に同地で介護の仕事をすることになる。 プン山プンプンママ→小野寺プンプンママ プンプンの母。パーマと口紅が特徴。自己中心的でヒステリックな言動が目立つが、その反面寂しがりで涙もろい。いじめに遭った過去があり、それが性格形成に影響している。自身の自由の妨げになっているという理由で子供であるプンプンを疎ましく思っていたり、愛人を作ったりする等、母親であるという事よりも一介の「女」であるという自覚が強い。そのせいでプンプンとは互いに冷めた親子関係であったが、実は離婚後は、離れて暮らすパパのフリをしてプンプンに向けて手紙を足しげく送っていたり、死の間際に彼に愛を伝えるなど、プンプンに対して完全に愛情がなかった訳ではない事が伺える。劇中、プンプンパパによるDV、肺気胸と二度に渡り入院。癌の告知を期に今度こそいい母親になろうと決心するも病には勝てず、結果的にプンプンと和解できないままこの世を去るという、切ない結末を迎えた。 小野寺雄一 プンプンの叔父で、プンプンママの弟。眼鏡を掛けている。プン山家での事件以来プンプンと暮らすようになり、身勝手な姉に変わり保護者となる。元は大船に住んでいた。美大の大学院卒業後、みつぞの陶芸教室にて講師として勤めたがとある一件で辞めフリーターとなる。自分自身を軽蔑視する事が多く、人間不信で姉のことも軽蔑している。女好きで女性の尻を凝視するシーンも度々見られ誘惑に弱い。独特の人生観を持っており、プンプンに話し聞かせるシーンが度々見られた。偶然訪れた喫茶店で翠と出会い、湯上が彼女に好意を持っていたことを知りながらも恋愛の末に彼女にトラウマを振り払ってもらった事で後に結婚する。その二年後に不倫を働き、翠や湯上への罪悪感、姉の情けにより自殺を図るも未遂に終わる。翠をかけがえのない存在だと自覚しつつも衝動的に不倫をしたり度々自殺しようとするなど弱い人間であるが、自身と似た所のあるプンプンに対しては翠との情事を知りながらもそれを許し、それでも彼を愛するなど、良き理解者であり続けた。 浅野の作品集『Ctrl+T』に収録されたインタビューにて、描いていて一番面白いキャラクターだと語られている。 大隈翠→小野寺翠 小学生編では第二病院の看護師として登場。プンプンママが入院していた際に、奔放な彼女にも優しく接していたので非常に気に入られていた。中学編では近所の喫茶店でアルバイトをしていたときに雄一と出会い、そのまま交際し、精神的に不安定なところのある彼を懸命に支え後に結婚する。アルバイトをしていた喫茶店を譲り受け、雄一と経営することになる。雄一が不倫を働き失踪した折、寂しさから一度だけプンプンと関係を持ち、プンプンの初体験の相手になった。結婚前にその件を無かった事にするように遠回しに迫るなど大人の女性らしい強かさを見せるも、その後もプンプンを必要以上に気にかける様子も見せ、彼を困惑させる。
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