ビニール傘の歴史とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > ビニール傘の歴史の意味・解説 

ビニール傘の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 10:23 UTC 版)

「傘」の記事における「ビニール傘の歴史」の解説

出典 1721年 江戸幕府御用達の傘問屋武田五郎商店創業する。これが後に東京都台東区田原町の傘製造企業ホワイトローズ株式会社へと改組する。 1949年 ホワイトローズ9代目社長須藤三男シベリア抑留から解かれ帰国。既に傘の販路大手企業抑えられていた為独自商品模索する1953年5月 進駐軍ビニールテーブルクロス形状着想得て当時色落ち悩まされた綿張りの傘に被せビニールクロス350円で発売。「傘にカバーをかぶせる」という奇抜な発想だったが、当時傘布色落ちに悩む顧客多く、相当な人気博した1953年以降 色落ちしないナイロン地の傘が増え、傘カバー売上急減1958年 ビニール傘第一号が完成。これは透明ではなく梨地乳白色をしていた。問屋からは布傘の競合品として扱い拒まれ納入予定先の大手商社との商談不調販路窮し当時ビニール傘価格高価だったという理由もあって、発売当初売上伸ばせなかった。やむなく当時小売繁華街だった上野から傘を扱っていなかった銀座路面店移り店頭委託販売営業積極的に展開する1964年 東京オリンピック来日したアメリカ人が、冬に多く体を覆う傘が好まれるニューヨークで売りたい持ちかける須藤三男専用の透明素材企業開発させて透明なビニール傘完成させるニューヨークで飛ぶよう売れた1964年以降 週刊誌キー局テレビ番組が「銀座では中が透ける傘が流行しているらしい」と紹介し、その知名度全国区となった2000年の日本映画『バトル・ロワイアル』外国上映される北野武演じる「キタノ」がの中、ビニール傘をさして登場するシーン観客からどよめきが起こる。欧米欧州では布製の傘が主流であるため、透明なビニール傘斬新スタイリッシュに映ったその後ビニール傘自国販売したいとの問い合わせメーカー各社多数あったという。 知名度向上した後はホワイトローズ留まらず最盛期には約50社の傘メーカー大量生産が行われた。低廉化図られるビニール傘は「便利で安価な傘」と認識され、特に1970年代から1980年代以降には著し需要拡大見せた。それでも1980年代前半国内洋傘生産量4000程度で、ビニール傘割合この内20%程度だった。関税かからないという理由アメリカ向けのビニール傘組み立て拠点としていた台湾国内に技術流出すると、台湾企業アメリカ市場奪われ次いで日本市場蚕食されてゆき、1987年には輸入品国産品逆転したバブル崩壊を受け、安価な製品需要がさらに高まり2000年代になると、仕入れ価格優位性から、ビニール傘製品95%以上を中国製輸入品占めるようになり、日本国内でさらに安価な小売価格販売されるうになることで年々需要逓増し、日本国内におけるビニール傘製品販売数2004年4000本、2006年6000本を超え以後毎年6000 - 7000本と横ばいとなって現在に至っている。日本国内における傘製品年間総販本数は、長年1億 - 1億3000万本で推移しており傘製品全体需要はさほど伸びていないが、その中で現代の中国ビニール傘は、傘製品内の内訳50 - 60%を誇る分野となっている。 近年では、納入先ある日本側の各社低価格要求厳しくなるにつれ、受注する中国企業側も、人件費用地設備維持費などが上昇してきた中国沿岸部能力の高い工場から、人件費維持費が非常に安価だ製造技術運営状況充分とはいえない内陸部工場発注せざるを得なくなったこのため最近日本国内100円程度販売されているビニール傘は非常に品質信頼性が低いとされている。現在では中国沿岸部工場は、中棒傘布しっかりとした製品や、ビニール傘でも厚手ビニール材を用いた65 - 75cm径の大型製品などの製造特化しており、こちらは日本国内でも600円か数千程度販売されている。いずれにしても現代日本の傘市場においては2006年国内生産量は159本にすぎず以降横ばいで、2008年洋傘輸入量が1億2900本に達しその99%を占め中国製品に比較する圧倒的に劣勢であり、現状ビニール傘とどまらず、傘製品のほとんどを中国製品の輸入に頼らざるを得ない状況となっている。 2011年現在自社工場を持つ唯一の国内企業であるホワイトローズ社は高級路線特化し上皇后美智子使用した女性専用傘や、雨天時に読経する僧侶専用大型傘、他には純度高く透明性の高い厚手ビニール材を用い中棒・各骨に細かい加工施し手元精巧なフェイクバンブーを用いた親骨10本組み65cm径の高級ビニール傘商標名「カテール(「勝てる」をイメージして命名」)等を製造している。これは4000程度高価なビニール傘であるにもかかわらず選挙運動の際の雨よけ目的とする縁起物として候補者議員秘書運動員選挙のたびにホワイトローズ社まで買付け訪れるなど、開発当初から一定の需要を持つ。

※この「ビニール傘の歴史」の解説は、「傘」の解説の一部です。
「ビニール傘の歴史」を含む「傘」の記事については、「傘」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ビニール傘の歴史」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ビニール傘の歴史」の関連用語

1
2% |||||

ビニール傘の歴史のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ビニール傘の歴史のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの傘 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS