テルミンの歴史とは? わかりやすく解説

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テルミンの歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:37 UTC 版)

テルミン」の記事における「テルミンの歴史」の解説

詳細は「レフ・テルミン」を参照 ロシアにおける半導体技術権威アブラム・ヨッフェ招聘により、1920年からペトログラード物理工科大学勤務していたレフ・テルミンは、温度圧力変化によってガス誘電率がどう変化するかを測定する装置開発従事していた。あるとき、測定装置計器ヘッドホン接続してみたところガスにかかる圧力温度変化に応じてヘッドホンから聴こえる音の高さ変化したコンデンサ容量変化に応じて音高変化することを発見した彼は、これを楽器応用することを思いつき可変コンデンサーにおける電極片方アンテナに、もう一方人間置き換えてコンデンサー容量制御する楽器」を開発したまた、同時にこの技術電子警報装置への応用行なった1920年完成したこの楽器は、上司ヨッフェ魅了し同年11月ペトログラード技術工科大学機械科学生主催する夜会で、初め一般聴衆の前でデモンストレーション演奏行なった1921年10月5日モスクワ行なわれた、第8回ロシア電気技術会議において、テルミン開発した世界初電子楽器が公式に発表された。独創的なフォルムをもつこの楽器は、全国電化推進するロシア電化委員会にとって、プロパガンダ政策利用できる価値を持つものであり、ソ連共産党機関紙プラウダ紙上でも、テルミン論文電子楽器デモンストレーション紹介された。ソ連政府機関紙『イズベスチヤ』の記者により、この世界初の電子楽器は「Терменвоксチルミンヴォークス」と命名された。なお、テルミン自身はこの発明を「陰極管による音楽装置」と名付け1921年7月特許出願しており、1924年8月にこの名称で登録された。 1922年に、レフ・テルミンは、ソ連指導者ウラジーミル・レーニンの前でテルミン演奏披露したレーニンは非常に感銘受けて奏法興味示し最終的にレフ・テルミン補助なしでグリンカ歌曲演奏したレーニン発注600台のテルミン製造されソビエト連邦各地販売されテルミン自身も、ソ連最新技術電子音楽誕生披露するために世界各地派遣された。ヨーロッパ各地詰め掛け観衆の前で演奏披露する公演旅行の後、テルミンアメリカ合衆国へ向かい1928年特許取得し大手電機会社RCAテルミン製造販売売ったRCA製造したRCA Thereminvox」はアメリカを含む世界聴衆魅了したが、1929年から始まった世界恐慌の影響もあり商業的に成功せず数百台しか販売されなかった。この時期テルミン奏者としては、クララ・ロックモアClara Rockmore)が知られる。彼女は全米公演し、しばしばポール・ロブスンとも共演した1938年にはテルミン博士アメリカ去りソ連戻ったが、この理由については望郷説と誘拐説があり今も不明である。以後テルミン強制労働従事した軍事研究従事したりと数奇な人生送りペレストロイカ後にようやくアメリカ再訪クララ・ロックモアらとも再会している。 第二次世界大戦後にはテルミン次第忘れ去られた。1960年代以降モーグ・シンセサイザーなど新たな電子楽器登場もあってテルミン忘却拍車をかけた。その一方でアルフレッド・ヒッチコック監督1945年のサイコスリラー『白い恐怖』、ロバート・ワイズ監督1951年SF映画地球の静止する日』など、恐怖映画SF映画音楽不安定なテルミン起用されている。ソ連では1935年SF映画機械人感覚の喪失ロシア語版)』でロボット操縦するギミックとしてテルミン登場している。また後述するようにレッド・ツェッペリンによる使用などで、効果音を出す装置としてテルミン使われ続けた1990年代以降テルミンは再び見直されモーグによりテルミン製造再開された。テルミン博士生涯描いたドキュメンタリー映画公開プロアマチュアによる演奏機会増加様々な形態のテルミン製造販売などテルミン静かに広まり続けている。日本でも人気があり、日本人奏者による独自の進化遂げてきた。

※この「テルミンの歴史」の解説は、「テルミン」の解説の一部です。
「テルミンの歴史」を含む「テルミン」の記事については、「テルミン」の概要を参照ください。

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