テルミンの原理と特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 06:37 UTC 版)
テルミンの最大の特徴は、テルミン本体に手を接触させず、空間中の手の位置によって音高と音量を調節することである。 テルミンはコンデンサをもつ高周波発振器を2つ内蔵している。このうち片方の発振周波数は固定されているが、もう一方の周波数は可変である。 楽器正面に向かって右側から垂直方向に伸びたアンテナは音高を決める「ピッチアンテナ」であり、左側面から水平方向に伸びたアンテナは音量を決める「ボリュームアンテナ」である。ピッチアンテナに右手を近づけたり遠ざけたりすると、演奏者とアンテナとの間に蓄えられる静電容量が変化し、これに伴って可変なほうの発振器の発振周波数が変動する。2つの発振器の周波数差からうなりを起こして可聴周波数を抽出し、アンプとスピーカーを介して発音させる。ボリュームアンテナに左手を近づけると音量が減少し、遠ざけると音量が増大する。また、左手を素早く上下動させることで、ある程度スタッカート奏法が可能である。 わずかな静電容量の違いを演奏に利用するため、演奏者自身の体格・装身具などによる静電容量の違いをはじめ、演奏環境に依存する部分が大きく、演奏前に綿密なチューニングを必要とするなど、安定した狙った音を出すには奏者の高い技量が要求され、演奏には熟練を要する。 一般的なテルミンの音色は純粋な正弦波に近いため(正弦波を出力する電子発振器で音を出している為に当然のことである[要出典])、ミュージックソーに似ている。恐怖映画やSF映画の効果音としても使われてきた。
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