ダムの特徴とは? わかりやすく解説

ダムの特徴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 13:59 UTC 版)

御母衣ダム」の記事における「ダムの特徴」の解説

工事について1957年昭和32年5月よりダム本体建設際し川の流れ工事現場より迂回させる仮排水路工事実施され、翌1958年昭和33年4月より本体工事取り掛かった日本初大規模ロックフィルダム建設については総事業費高騰予想されたため電源開発国際復興開発銀行世界銀行)より1,000ドル融資、および政府外債3,000ドル発行に基づく財政投融資による資金援助が行われた。なお政府外債の発行はこの事案戦後最初である。ダム工事材料となる岩石採取するため1957年9月27日から1960年9月19日までの約3年間に26回の発破が行われ、使用した火薬の量は1,676トン及んだ。こうして堤体795立方メートルにもなる巨大なロックフィルダム原料確保され佐久間ダム建設で培われた大型重機駆使による盛り立て2年5ヶ月の間実施された。そして1960年10月ダム本体完成翌月より試験的に貯水行いダム本体周辺への影響検証する試験湛水実施され1961年昭和36年)に完成した完成当時はその規模から「東洋一ロックフィルダム」、「20世紀ピラミッド」とも称された。高さではロックフィルダムとして日本第五位である。ダムを遮る壁である遮水壁しゃすいへき)が斜めに傾いている傾斜土質遮水壁型ロックフィルダムという型式であり、2009年現在300箇所超える日本のロックフィルダムにおいては希少な型式である。ダム堤体積は佐久間ダムの7.5倍、旧丸の内ビル41倍にも及び、ダム直下国道156号ピーアール施設である「MIBOROダムサイドパーク 御母衣電力館」からその巨大な堤体望める。膨大な量の体積ダム安定化重要な役割有しダム完成直後1961年8月19日発生した北美濃地震においてダム地点では震度5の強震記録し御母衣第2発電所付近建設現場では地すべり発生し4名の犠牲者を出す被害となったが、ダム本体損害受けずロックフィルダム耐震性対す信頼増大した御母衣ダムにおける施工経験その後日本におけるロックフィルダム建設さらには大規模重力式コンクリートダム建設技術基礎となったダムによって形成され御母衣湖ダム同様日本屈指の規模人造湖である。湖の総貯水容量3億7,000立方メートルロックフィルダムでは同じ岐阜県にある徳山ダム揖斐川)に次いで日本第二位、湖の表面積である湛水面積880ヘクタール徳山ダム九頭竜ダム九頭竜川)に次いで日本第三位規模である。 なお、御母衣ダム水力発電専用であり、多目的ダムのように洪水調節といった治水目的有していない。しかし莫大な貯水容量有することから台風豪雨に際して行われる放流庄川下流沿岸地域与え影響大きい。このため1966年昭和41年5月河川行政管轄する建設省御母衣ダムのような利水専用ダムに対して河川法規定された「ダムに関する特則」を遵守させるために通達発令した。この建設省河川局長通達・建河発第一七八号において御母衣ダム第一類ダム指定されている。第一類ダムとは豪雨台風に伴う放流による下流への影響を防ぐために、予め貯水池洪水貯水できる空き容量確保して異常気象時に備えることが必要とされたダムを指す。このため夏季には予備放流実施してダム湖水位下げ洪水の際にはそれを貯留する役割を持つ。御母衣ダム治水目的持たないが、この通達によって多目的ダム本流に有さない庄川治水安全度向上において重要な位置占めている。

※この「ダムの特徴」の解説は、「御母衣ダム」の解説の一部です。
「ダムの特徴」を含む「御母衣ダム」の記事については、「御母衣ダム」の概要を参照ください。

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