シスターフッド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/22 16:25 UTC 版)
シスターフッド(英: sisterhood)
- 1 シスターフッドとは
- 2 シスターフッドの概要
シスターフッド (女性同士の連帯)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/10 10:11 UTC 版)
「ロビン・モーガン」の記事における「シスターフッド (女性同士の連帯)」の解説
同年にはまた、女性解放運動のなかで書かれた文書を編集した『女性同士の連帯は力強い (Sisterhood Is Powerful)』を発表した。本書は、女性のオーガズム、売春からラディカル・レズビアン、黒人女性の状況まで様々な問題を論じたアンソロジーである。また、本書の表紙に描かれた振り上げた拳(英語版)の意匠は、類似のものが多くの抵抗・抗議運動で用いられてきたが、フェミニズム運動のロゴとしては本書で初めて使用されたとされる。「女性同士の連帯」と訳されることの多い「シスターフッド」は、女性中心の分離主義や人種、階級、文化・社会的背景にかかわらず共闘し得るという認識に基づくラディカル・フェミニズムの主概念であり、後にその本質主義を批判されることになるが、モーガン編の本書は同じ1970年に発表されたケイト・ミレットの『性の政治学』、ジャーメイン・グリアの『去勢された女』、シュラミス・ファイアストーンの『性の弁証法』などとともに第二波フェミニズムの古典とされ、ニューヨーク公共図書館が12の分野別に選定した「20世紀で最も影響力のある本100冊」(オックスフォード大学出版局)の「女性の台頭」分野の11冊に、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』、ベティ・フリーダンの『女らしさの神話』(邦題『新しい女性の創造』)などと並んで選出されている。ちなみに、日本における「シスターフッド」の一例として、1980年代に一部の中産階級の専業主婦たちが情報交換や生協活動に形成したネットワーク、すなわち血縁や地縁でなく新しい「女縁」により形成したネットワークが挙げられる。 モーガンは『女性同士の連帯は力強い』の印税で「シスターフッド財団」を設立した。米国初のフェミニスト財団であり、1970年代から80年代にかけて多くの女性団体に立ち上げ資金としての助成金を提供した。 この間、著作活動も精力的に行い、評論、回想録、調査報告を兼ねた『行き過ぎ』、『自由の解剖』を著した。この頃出版された詩集『モンスター』や『野獣の淑女』においても彼女のフェミニズム思想が表現されている。 1984年には、世界70か国の女性の地位に関する記事・論文を編集した『女性同士の連帯は国境を越える (Sisterhood Is Global)』を発表した。本書を1984年に発表したのは、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に描かれる全体主義体制への抵抗を表わすためであり、人間主義・平和主義の倫理に基づく女性の連帯こそ、これに抵抗し得ると考えたからである。同年にはまた、ボーヴォワールとともに「女性連帯世界機関 (Sisterhood Is Global Institute)」を設立した。これは、『女性同士の連帯は国境を越える』で対象とした世界70か国(バルバドス、ブラジル、チリ、コロンビア、キューバ、フィンランド、フィジー、ギリシャ、イタリア、インド、クウェート、リビア、メキシコ、ネパール、ニュージーランド、ナイジェリア、ノルウェー、パレスチナ・イスラエル、ポーランド、サウジアラビア、スペイン、スリランカ、タイ、ザンビアなど)に広がる世界初のフェミニズム研究機関(シンクタンク)であり、現在、世界80か国が参加し、募金活動・経済支援活動、緊急問題の通知、無報酬労働の可視化、イスラム社会における女性の人権マニュアル作成(12か国語対応)など、女性の権利・地位向上に向けた活動および政策立案・提言を行っている。活動拠点を5年ごとに変え、最初の5年間はニューヨーク、次いでニュージーランド、メリーランド、モントリオールへと移動し、現在は再びニューヨークを拠点として活動している。 2003年には『女性同士の連帯は永遠である (Sisterhood is Forever)』を発表した。米国のフェミニズムについて保守派からリベラル派まで様々な立場から書かれた批評や随筆を紹介し、21世紀の現在もなお取り組むべき多くの課題があることを示している。
※この「シスターフッド (女性同士の連帯)」の解説は、「ロビン・モーガン」の解説の一部です。
「シスターフッド (女性同士の連帯)」を含む「ロビン・モーガン」の記事については、「ロビン・モーガン」の概要を参照ください。
- シスターフッドのページへのリンク