女らしさの神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/06 16:29 UTC 版)
「ベティ・フリーダン」の記事における「女らしさの神話」の解説
フリーダンは同窓会で15年ぶりに会った同窓生のほとんどが、自分と同じように郊外に住む専業主婦で、しかも自分が置かれている状況に不満を感じていることを知った。これがきっかけとなって、以後5年間、フリーダンは歴史学、心理学、社会学、経済学を学び、米国各地の多くの女性たちに取材した。この結果、1920年代から30年代にかけて高等教育を受け、それぞれの分野でキャリアを築こうとしていた女性の多くが、いつの間にか家庭に入り、みな同じ郊外に住む中産階級の専業主婦に変貌していること、しかも、受けた教育や能力を活かすことができないまま、経済的にも精神的にも夫に依存し、社会によって課された主婦・妻・母としての「女の役割」を演じることにむなしさや不安、不満を感じていることが明らかになった。フリーダンは、この機会、他者承認、自己実現などに対するあこがれを「名前のない問題」と名付け、1963年、研究・調査結果をまとめた『女らしさの神話』(原題:”The Feminie Mystique")(邦題『新しい女性の創造』)を発表。「女らしさ」という既成概念(神話)とその欺瞞を暴き、女性たちに家庭以外に自己実現の場や生きがいを求めるよう促した。 批評家は賛否両論で、シモーヌ・ド・ボーヴォワールの『第二の性』に多くを負いながら、明確な言及がないなどの批判もあったものの、全米で大きな反響を呼び、ベストセラーとなり、多くの言語に翻訳された。2000年までの売上部数は300万部に達している。邦訳も1965年に出版され、その後、1986年に増補版、2004年に改訂版が出された。
※この「女らしさの神話」の解説は、「ベティ・フリーダン」の解説の一部です。
「女らしさの神話」を含む「ベティ・フリーダン」の記事については、「ベティ・フリーダン」の概要を参照ください。
- 女らしさの神話のページへのリンク