オンラインサロン
オンラインサロンとは、オンラインサロンの意味
オンラインサロンとは、インターネットやSNS上で、参加者が主催者のノウハウを吸収しながら交流していく場所を意味する。わかりやすくいうと、Webを使った会員制コミュニティのことである。英語での表記は online salon である。そもそも、サロンとは上流階級の集まりを意味する言葉だった。17世紀ごろから、貴族や文化人たちが豪邸に集い、情報を交換するサロンは社交界のたしなみのひとつだった。こうした風習が発展し、共通の目的を持つ人々の交流会をサロンと呼ぶようになる。オンラインサロンとは、インターネットが浸透した時代でのサロンの形である。オンラインサロンの大きな目的は、主催者から参加者への情報提供である。主催者には特別な経験、スキルがあるため、参加者はオンラインサロンを通して勉強したいと考えている。たとえば、ビジネススキルや企画の発想力、成功につながる思考法などを主催者は講義していく。参加者は定期的、または不定期的に行われるセミナーで、主催者の考えを深く学ぶ。
参加者にビジネスチャンスを与えるのもオンラインサロンの役割である。オンラインサロンはしばしば、参加者同士で新しいプロジェクトを立ち上げるきっかけとしても利用される。あるいは、主催者が自らの仕事に参加者を登用する場合もある。主催者は優秀な人材を簡単に見つけられて、参加者は自らの可能性を広げることが可能である。双方が成長できるチャンスとして、オンラインサロンは機能している。
オンラインサロンの作り方
大前提として、オンラインサロンの作り方そのものは難しくない。主催者が自力でサイトを開設する場合もあれば、専用プラットフォームを通してネットユーザーに呼びかけることもできる。ただし、主催者にある程度の知名度や人望がないと、参加者は集まりにくい。開設にあたっては、主催者がスキルを自己分析し、何を提供するサロンにするのかはっきりさせることが大切である。まず、特定の経験やノウハウを誇っている主催者が、オンラインサロンを立ち上げる。ここで主催者が提供する知識、スキルはビジネスに関する内容であることが多い。そして、主催者から学びを得たいと考えるネットユーザーがサービスに登録し、サロン活動は本格化する。オンラインサロンはほとんどの場合、月額料金制をとっている。参加者が多くなるほど、主催者の利益も増えていく仕組みである。サービスに見合った料金設定をできるかどうかは、サロンの成功に直結する要素である。
オンラインサロンは、既存のプラットフォームを使って開設するのが手軽である。決済や入会などの手続きをプラットフォーム側に任せられ、主催者はサロン活動に集中できるからである。オンラインサロンが始まったら、主催者は定期的にコンテンツを配信しなくてはならない。料金の価値がないと参加者に思われてしまうと、離脱者を増やしてしまう。さらに、サロン参加者は人脈形成の場として利用していることもある。主催者が、ある分野の有名人を参加者に紹介してあげるのは喜ばれるイベントの代表例である。
オンラインサロンを開設している芸能人
お笑いコンビ、キングコングの西野亮廣が主催するオンラインサロン「西野エンタメ研究所」は、彼が関わっているプロジェクトの行く末を見届けられる内容である。ときには参加者がプロジェクトに携わることもでき、約7万人が籍を置いている。芸能人といえば、キングオブコント2020優勝者のジャルジャル主催「ジャルジャルに興味ある奴」も好調である。ジャルジャルのネタ作りを学びながら、ときには参加者が一緒にお笑いを作り出すこともできる。「ネタ」という着眼点がユニークで、お笑いファン以外からも強く支持されているサロンとなった。
音楽プロデューサー、つんく♂の「エンタメ♪サロン〜絶対言うたらあかんでぇ♫〜」では、参加者に創作術を伝授している。数々のヒット曲を手がけてきたつんく♂の思考に触れることで、ものづくりに関わりたい人々は大きな刺激を受けている。サロンの参加者には有名人も多い。
中田敦彦(オリエンタルラジオ)のオンラインサロン「PROGRESS」も、広く知られている。月額が低く設定されており、入会しやすいのはPROGRESSの大きなメリットである。中田の活動を中心として、さまざまなテーマについて参加者同士の活発な議論が交わされている。
音楽集団スクランブルズ代表、松隈ケンタもオンラインサロン「スクランブルミュージックサロン!!」を主催している。BiSHや中川翔子、柴咲コウなど、有名アーティストに名曲を提供してきた松隈の創作論を直に聞けるスペースである。交流会や草野球など、音楽以外の活動も盛んである。
ビジネスマン向けのオンラインサロン
株式会社Limの社内研修用で立ち上げられ、社外の参加者にも向けられるようになったオンラインサロンが「MUP」である。動画やライブ配信などのコンテンツが充実していて、参加者は具体的なノウハウを教えてもらえる。主催者が参加者のキャリア相談に乗ってくれるのもメリットである。「The Startup」編集長の梅木雄平が開設したのは「Umeki Salon」である。起業に関するコンテンツが配信されており、有名な実業家同士の議論、最新の経済情報を確認できるなど、参加者は特別感を抱けるだろう。サロンメンバーには大企業の幹部も名を連ねている。
「Market Hack Salon 〜世界について広瀬隆雄と語ろう!〜」はWebメディア「Market Hack」編集長の広瀬隆雄が立ち上げたオンラインサロンである。経済や金融について、参加者同士で活発な議論を交わせるのが特徴である。オフラインで開かれる親睦会を通じ、人脈を広げることも可能である。
経営者向けオンラインサロンとして強い支持を受けるのは「NOLIMIT(ノーリミット)独立〜2店舗目を目指す美容室経営戦略会議」である。西川礼一、大河内隆広、鈴木淳也という、美容業界の経営者3人が共同で開設した。3人が美容業界で店舗を増やしていくノウハウを参加者に伝えている。
そのほか、「StockSunサロン」もビジネスパーソンから注目を集めてきた。株式会社StockSunが主催のオンラインサロンで、同社での案件を参加者間で共有している。そのうえで、プロジェクトを受発注することもでき、ビジネスチャンスを増やしたい社会人が数多く登録してきた。
オンライン‐サロン【online salon】
オンラインサロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/29 09:11 UTC 版)
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オンラインサロンは、月額会費制のWeb上で展開されるクローズドなコミュニティの総称である。
作家、実業家、アスリート、ブロガー等、専門的な知識を持っていたり、ある分野で優れたスキルや経験を持つ個人、又は複数のメンバーが主宰者となり運営している。
また、アーティスト・アイドル、モデル、テレビタレント・アスリートのファンクラブとして活用される例もある[1]。
2012年に「Synapse」(シナプス)がオンラインサロンプラットフォーム事業を開始して以来、2015年に「Salonde」(サロンド)、2016年には「レジまぐ」、「DMM オンラインサロン」、「COMMY」(コミー)、「CAMPFIRE ファンクラブ(現在はCAMPFIRE Community)」、2019年には「A-port オンラインサロン」、2020年には「FANTS」(ファンツ)がオンラインサロンプラットフォーム事業に相次いで参入した。
2017年にはDMM.comがSynapseを子会社化[2]。 2019年にSynapseがサービス終了し、幾つかのサロンはDMM オンラインサロンに移転された。
特徴
- クローズドなコミュニティであり、基本的にオンラインサロン内の内容に関して外部への情報流出は禁じられているため、意見が異なる人や利権絡みの人、アンチユーザーなどによる誹謗中傷リスクが小さく安心してやりとりが楽しめる。
- 専門的な知識を持っていたり特定の分野で普段、接する機会が少ないカリスマ的な存在の主宰者と、気軽に双方向にコミュニケーションが出来る。また、WEB上ということもあり、居住地に関係なく参加する事が出来る。
- ビジネス系のオンラインサロンが多いが、ファンクラブのようなコミュニティも多々ある。
- オンラインサロンによっては会員限定でのオフラインイベントの開催もあり、WEB上だけの活動にとどまらない。
- Google+を利用した匿名性のオンラインサロンもあり、実名を出すことに抵抗があった人も参加しやすくなってきている。
- 堀江貴文イノベーション大学校[3]のように、ユーザーが主体的にイベントを実施したり運営するなどイベントやビジネスが生まれることがある。
- 株式会社ビルドサロンのようにオンラインサロンを専門で制作している企業も存在する。
利点
- オンラインサロン主宰者
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- 主宰者自身、また主宰者のコンテンツの価値についてよく理解しているユーザー向けに情報を提供できる。
- 誹謗中傷リスクやアンチユーザーを恐れることなく安心して活動ができる。
- コアな支持層やファンから会費を徴収することで、自身のコンテンツによるマネタイズが可能になる。
- オンラインサロン入会者
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- オープンな場ではオープンにしていない主宰者の本音や、クローズドの空間だからこそ話せる情報や裏話などを知ることができる。
- オンラインサロン主宰者の投稿に意見を述べたり、質問や相談を投げかけたりと主宰者と気軽に交流ができる。
- 趣味嗜好が近しい他のオンラインサロンメンバーとも気軽に交流することができる。特にオフ会ではメンバー同士の交流が盛んになる。
利用状況
2014年に始まった堀江貴文サロン以降、急速に利用者が増えている。
2015年にネット上で炎上をした直後の岡田斗司夫がオンラインサロンを開設したことでも話題となった。
2016年に小室哲哉がオンラインサロンを開設し、ビジネス系以外のジャンルのサロンも増えてきている。
2018年7月、西野亮廣(キングコング)のオンラインサロンが会員数8,000人を突破する(2018年7月21日時点で国内最大)
2019年4月、朝日新聞社A-portが「A-port オンラインサロン」を開始、佐藤優もサロンを開設したことで話題となった。
2020年11月、江草仁貴(元プロ野球選手)がオンラインサロン「スポーツキングダム」を開設。
2021年1月、 森咲智美(グラビアアイドル)がオンラインサロン(プレイルーム)を開設。
課題
悪徳サロン
2018年現在、500以上のサロンに延べ30,000人、流通総額も年間10億円規模になっているが、クローズドのサロンの故、法外な料金など、悪質なサロンも存在する。悪徳オンラインサロンの見分け方としては、「稼げます」と断言していたり、会員数が急激に増減している、あるいは割引キャンペーンをしているなどが挙げられる[4]。
脚注
- ^ https://lounge.dmm.com/page/beginner/
- ^ https://dmm-corp.com/press/corporate/388/
- ^ http://salon.horiemon.com/
- ^ “信者ビジネスに気をつけろ!悪徳オンラインサロンを考える”. TOKYO-MX (2018年11月3日). 2020年1月3日閲覧。
外部リンク
オンラインサロン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/18 05:01 UTC 版)
2018年3月より、オンラインサロン「PLANETSCLUB」を開設。宇野が主張する「遅いインターネット」計画を実現するための読者コミュニティ。月1回の定例会、各種のオフ会、会員限定のFacebookページ内での交流や動画の配信などが行われている。また、宇野常寛が講師となり、発信のためのスキルを教える「PLANETS School」も毎月開催している。
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