LTEとは? わかりやすく解説

LTE

別表記:エルティーイー

「LTE」とは・「LTE」の意味

「LTE」とは、4Gに含まれるモバイルデバイス用の通信規格、あるいは通信システムのことを指す。wi-fi同じく無線技術使われている。スマホ携帯電話データ通信快適な接続になるように、docomoauソフトバンク楽天モバイルは、基地局からLTE規格電波発信している。

携帯電話スマートフォン市場は、電波規格方式開発競争激化していた。しかし、先行していたはずの3G第3世代移動通信システム)は世界市場において期待されるほどの普及見せなかった。その理由電波規格として使われていたCDMA方式特許料高額であったためだ。LTEこと「Long Term Evolutionロングタームエボリューション)」は、3G失敗対す反省基づいて、その開発進められた。

LTEは、高速通信が可能で、低遅延電波規格を、低価格特許使用料で、世界中で使うことを目的開発された。その技術には、3G周波数帯において4Gで使われる予定技術取り込んでいる。まるで3Gと4G(第4世代移動通信システム)との中間のような規格といえるので「3.9G」とも呼ばれた。ただし、W-CDMAWideband Code Division Multiple Access)・HSPAHigh Speed Packet Access)・CDMA2000Code Division Multiple Access 2000)・EV-DOEvolution Data Only, Evolution Data Optimized)といった既存規格との互換性について、LTEは配慮していない。

LTEと4Gにはどのような違いがあるのだろうか。4Gは高速で低遅延通信実現しているが、単体規格ではない。4Gはさまざまな通信規格総称である。3.9Gと言われたLTEも、現在ではその中に含まれている。2010年12月6日に、国際電気通信連合がLTEを4Gと呼ぶことを認めたからだ。そのため、4G/LTEと並べて記載されたり、4Gを指してLTEと記したりすることがある日本における3大キャリアでの4G/LTEのサービス次の通りだ。

キャリアサービス名 サービス開始
docomo Xiクロッシィ2010年12月24日
au au 4G LTE 2012年9月21日
ソフトバンクモバイル SoftBank 4G LTE 2012年9月21日

LTEの特徴3つ1つ目は「高速回線」であることだ。3Gではデータ通信速度下りで2Mbpsほどしかなかった。通信会社エリアによって異なるが、現在LTEは37.5Mbpsから150Mbpsほどの高速通信広く実現している。通信会社によっては、もちろんこれより高速サービス存在している。例えば、2019年docomo開始したLTE通信PREMIUM 4G」だ。このサービスにおける受信時最大速度は1,288Mbpsである。

2つ目の特徴は「大容量」であることだ。これは通信速度のことではない。周波数帯域あたりの通信可能な端末量が従来よりも多くなったことを指す。3つ目は「遅延少ない」ことである。通信時や接続確立の際におきる遅延が、LTEはあまり発生しないという特徴を持つ。

LTEは主に2種類方式分けられる。「FDD-LTEFrequency Division Duplex Long Term Evolution)」と「TD-LTETime Division Long Term Evolution)」の2つだ。これらは上り端末から基地局)と下り基地局から端末)の電波分割方法違いがある。FDD-LTE周波数帯によって電波分けられている。上りと下り電波衝突しないため、データ通信効率的だ対してTD-LTEは、電波を短い単位区切り上り下り交互に送信する方式だ。TD-LTE用意する周波数帯域1つで済むため、無線資源共有しやすいというメリットを持つ。

ヨーロッパ各国アメリカ韓国など、先進国多くではFDD-LTE方式先行して広まっている。日本におけるLTEも、FDD-LTE主流だ。TD-LTE後発サービスで、2011年サウジアラビア商用利用開始された。それ以降、オーストラリア・インド・中国ブラジルといった国で利用始まった日本においてもWiMAX Release 2.1AE)にTD-LTE互換モード追加されTD-LTE利用サービス開始されている。

LTEは無線利用した通信技術だ。同じよう無線利用した通信技術wi-fiがある。LTEとwi-fi主な違いは、無線通信種類だ。wi-fiとは「IEEE 802.11規格」を使った無線LAN接続規格1種である。無線LANに関する登録商標でもある。wi-fiは、電波送受信できる機器であればさまざまなデバイス用いることが可能だ対してLTEは「携帯電話用通信回線規格」だ。無線LANとは異なり専用無線通信装置である基地局通して電波送受信が行われる。LTEは、スマートフォンタブレットといったモバイルデバイスなければ利用できない

モバイルデバイスでLTEを使うことには、次のようなメリット存在する。まず、電波つながりやすい点だ。LTEは携帯電話などでの利用想定して作られ通信技術であるため、屋外屋内問わず電波安定している。電波送受信する基地局数が多いことも安定性影響与えている。多少都心部から離れたとしても、電波受信ができなくなる可能性は低い。

ただし、次のようなデメリットもLTEには存在する。まず契約上の問題である。LTEは一般的に使用できるデータ通信量が契約決められており、それを超える通信速度制限され遅くなってしまう。また、回線品質によって通信品質大きく影響を受けるのも問題であろう。なお、通信速度制限され場合には、制限期間が満了する、あるいは使用できるデータ通信量を追加料金増やすといった方法で、制限解除できる

「LTE」の熟語・言い回し

LTEの言い回し熟語的な使い方としては「LTE通信」「LTE規格」「LTE接続」「LTEサービス」といったものが見られるまた、「LTE AdvancedLTE(エルティーイーアドバンスト)」、「LTE Directエルティーイーダイレクト)」のように、LTEを提供する通信規格名などで使われることが多い。

voLTEとは


voLTE」は「Voice over LTE(ヴォイスオーバーエルティーイー)」「Voice over Long Term Evolution(ヴォイスオーバーロングタームエボリューション)」の略。単に「ヴォルテボルテ)」と呼ばれることもある。voLTEはLTEを用いて音声通話をするための通信技術、あるいは通信規格の名称だ。

LTEは高速データ通信が可能ではあったが、音声通話対象とするものではなかった。そこで、電話音声データとして扱い、LTEによる通信通話ができるようにした。voLTEには次のような特徴がある。

データ通信音声やりとりをするため、従来回線交換技術不用になる
ヘッダ容量小さくデータ通信パケットコンパクト
データ容量小さいので与えられ帯域幅無駄なく活用できる
コーデックによって音声品質の向上が可能

しかしながら、LTEに対応したエリアなければvoLTE使って通話することはできない2022年時点で、日本のLTEの人口カバー率99%を超えている。そのため都市部にいる限り通話できないといった状態になることは考えにくいだろう。だが、100%ではない。山間部県境ではいまだにLTEが使えない地域存在するので注意必要だ。なお、LTEが使えない地域では、音声通話3G回線用いられる電波が届く範囲にいる限り、LTEが使えなくとも通話ができなくなるわけではない

ギガビット級LTEとは


ギガビット級LTE」は、モバイル業界などで用いられている言葉である。決まった定義があるわけではないが、一般的に理論値における通信速度が1Gbps以上を実現しているLTE回線、あるいはLTEサービスを指す。通信高速化にともないスマートフォンタブレット性能は、ギガビット級LTEに対応できることが求められている。周波数帯束ねたりアンテナ複数用いることで、現在では多くスマートフォンタブレットギガビット級LTEに対応している

ただし、ギガビット級LTEの性能のすべては、どのような場所においても引き出せるというものではない。多く通信機器が集まる環境や、電波条件が悪い地域などでは、通信速度大きく低下する


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