上りと下り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 09:50 UTC 版)
鉄道においては、原則として『鉄道要覧』などに掲載された正式な起点に向かう方向が「上り」であり、これと逆へ向かう方向が「下り」である。ただし運用上の起点によって上下が違う場合がある(後述の京阪本線など)。日本の鉄道路線は、多くが首都である東京都区部の中心駅である東京駅に近い方向の駅を始点と定めているため、「上り」は東京駅に近づく方向、「下り」は東京駅から遠ざかる方向となる場合が多い。 従って、対岸同士を結ぶ路線は、本州では、太平洋岸や瀬戸内海岸に向かう方向が「上り」、日本海岸に向かう方向が「下り」となる路線が多い。四国では、瀬戸内海岸に向かう方向が「上り」、太平洋岸に向かう方向が「下り」となる路線が多い。 ただし、例外もいくつかあり、例えば武豊線は建設時の経緯から行き止まりにあたる(東京駅により遠い)武豊駅へ向かう列車が「上り」となる。京阪本線や阪急京都本線では大阪市を基準に起点および終点を定めており、起点が終点より東京駅に遠いため、起点へ向かう方向が「下り」、逆へ向かう方向が「上り」となっている。 中央本線の場合、長野県塩尻市にある塩尻駅に向かう列車が「下り」であり、塩尻駅を境とする中央東線(東日本旅客鉄道区間)は原則通り東京駅方面へ向かう列車が上りだが、中央西線(東海旅客鉄道区間)は逆に名古屋駅(東京駅からの距離は塩尻駅より遠い)へ向かう方が上り列車となる。1978年10月のダイヤ改正以降、下り列車は奇数、上り列車は偶数となったが、中央西線に関しては名古屋行が偶数、塩尻・松本方面が奇数となっている。 また、進行方向が同じで、似たようなルートを通るのにも関わらず、上り下りが逆転する路線も存在する。例えば、北陸本線第三セクター移管区間(IRいしかわ鉄道線(金沢駅-倶利伽羅駅)・あいの風とやま鉄道線(倶利伽羅駅-富山駅-市振駅)・えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(市振駅-糸魚川駅-直江津駅)の3路線いずれも金沢駅および金沢駅寄りが起点なので、3路線(金沢駅-倶利伽羅駅-富山駅-市振駅-糸魚川駅-直江津駅)を合わせ、糸魚川方面=下り、金沢方面=上りだが、北陸新幹線は高崎駅が起点となるため(実際の運行上はほとんどが東京駅起点)、糸魚川方面=上り、金沢方面=下りとなる。 アーバンネットワークでは、上下の区別は行わず、方面を意識した案内を行っている。 九州旅客鉄道の場合、開業時に最も東京寄りであった門司港駅を始点とした鹿児島本線を基準として「上り」「下り」を決定したため、その概念が狂う場合があることから、自社での案内を「○○駅方面」とする旨を告知している。 また、環状運転や、東京駅方面が中間に位置する場合や、複数の路線を越える運行を行う運転系統では、「上り」「下り」という言い方をしない場合がある。以下に例を挙げる。 京浜東北線、湘南新宿ライン、上野東京ラインは「北行(ほっこう・きたゆき)」「南行(なんこう・みなみゆき)」と表現する。 中央線・総武線各駅停車は千葉方面行きを「東行(とうこう・ひがしゆき)」もしくは「A線」、三鷹方面行きを「西行(せいこう・にしゆき)」もしくは「B線」という。 横須賀線・総武快速線ではそれぞれで「上り」「下り」と呼ぶが(共に東京中心のため)、両線を併せて表現する場合に神奈川県からの千葉方面行きを「A線」、千葉県からの久里浜方面行きを「B線」と呼ぶ。 環状運転を行う札幌市電、山手線、大阪環状線では「外回り」「内回り」と表現し、名古屋市営地下鉄名城線では「右回り」(英語では「時計回り-Clockwise」)「左回り」(同「反時計回り-Counterclockwise」)と称する。なお、準環状運転となる伊予鉄道松山市内線はバスと同様に系統番号で案内している。 東京都心部を貫通する路線を多く持つ東京地下鉄(東京メトロ)では起点から終点へ向かう方向を「A線」、その逆方向を「B線」と表現する。 東京都交通局(都営地下鉄)では、浅草線、三田線では「北行」(ほっこう・きたゆき)「南行」(なんこう・みなみゆき)、新宿線では「東行」(とうこう・ひがしゆき)「西行」(さいこう・にしゆき)と呼ぶ。また6の字運転をしている大江戸線では東京メトロと同様に「A線・B線」または「内回り・外回り」と呼称している。この場合、正式には前者であるが、後者を案内に用いることが多い。
※この「上りと下り」の解説は、「ダイヤグラム」の解説の一部です。
「上りと下り」を含む「ダイヤグラム」の記事については、「ダイヤグラム」の概要を参照ください。
上りと下り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 04:17 UTC 版)
関西鉄道として開業した当初は草津を起点としたが、現在の草津線は柘植駅が起点である。草津線では上りの柘植方面の列車が発着するのりばを1番のりばにしているため、草津が起点であった時代には駅舎側が1番のりばであった石部駅や甲南駅では、起点変更にともない、駅舎側が1番のりばではなく2番のりばになっている。
※この「上りと下り」の解説は、「草津線」の解説の一部です。
「上りと下り」を含む「草津線」の記事については、「草津線」の概要を参照ください。
上りと下り
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 10:02 UTC 版)
道路と鉄道路線の「上り」と「下り」の区別は起点と終点の位置により決定される。基本的には起点方向に向かうのが上り、終点方向に向かうのが下りとされる。
※この「上りと下り」の解説は、「起点」の解説の一部です。
「上りと下り」を含む「起点」の記事については、「起点」の概要を参照ください。
- 上りと下りのページへのリンク